片恋いコントラスト-collection of branch- フルコンプ 感想


吉原彼岸花のプレイが終わり今月20日に蝶毒Switchが来るまでの間で何かサクッとプレイ出来たらいいなと思い、手に取った片恋い。

カラマリ→コドリア→吉原彼岸花とシリアスで重めな作品が続いたので、とりあえず人が死なない作品をやりたくて!w


トライアングルプロジェクトの中だと一番気になっていた作品だったのですが、とにかく設定がいいですよね。少女漫画でいう、『当て馬』ポジションのキャラを救済出来るというのは嬉しい!


恋のときめきも楽しさも切なさも苦しさも、ぎゅっと詰められた作品だったように思います。プレイ後はあー、学生の頃もっと恋愛しておけばよかったなぁとめちゃくちゃ後悔しましたw


 



片恋いコントラスト -collection of branch - Switch

片恋いコントラスト -collection of branch - Switch

【総合】

★★★★

【シナリオ】

★★★★

【キャラクター】

★★★★

【糖度】

★★★★

【スチル、立ち絵、背景】

★★★

【音楽】

★★★★

【システム】

★★★



・シナリオは一本筋です!個別エンドはあってもルートはありません。終盤で好感度高い方のキャラのシナリオになったりはしますが(その後また共通になる)、とにかく一本筋です。なので2周目はほぼほぼスキップで終わりますw多分1時間もあれば…笑

でも2周目になると攻略キャラ視点のシナリオが追加されるのが良かった。あー、この時こんな風に思ってたのかぁと分かるのがいいですね。ヒロインの冴子だけでなく彼等も悩んで、苦しんで葛藤していたのだなと思うと、結ばれた後の幸せがより深く味わえるというか。



・攻略キャラはそれぞれ違った個性があって各巻での攻略も楽しかったです!詳しい感想は後ほど。

サブキャラも良かった。冴子の友達になった眞泉ちゃんは可愛くてとても良い子で、彼女がいたから冴子が前を向けることもあって。付かず離れずな距離が心地よかった。

冴子が大好きな舞渡華さんも素敵で!なんで攻略出来ないの!?!?と2巻の終盤辺りで地団駄踏みましたw

ハリネズミのマドちゃんは癒しです。超可愛い。もはや森の妖精さん(?)


・ヒロインの冴子(以降さえちゃん呼び)は幼い頃にあったあることがきっかけで、人と付き合うことを自ら遠ざけてしまっていました。だから彼等との恋愛でも何度も何度も逃げてしまうことがあって。

彼女の行動や思考にモヤモヤする人はきっと少なくないだろうなと思います。私も何度も「そこで逃げるなよおおお!」と思いました。

でもさえちゃんの自分も傷つきたくないし人も傷つけたくないという気持ちは分かる。彼女が逃げてしまうのも分かるので、私はわりと共感出来る子でした。

だからこそ恋をして失恋してたくさんの感情を知って、何度も逃げつつも周りの人の優しさに触れ、最後は勇気を出して彼に想いを告げる瞬間は感動しかありませんでした。


・糖度は低くもなければめちゃくちゃ高くもないですかね?個人的には2巻が一番糖度あった気がします。


・スチルは各キャラ11〜14枚程。作品の雰囲気にぴったりな優しい絵です。ところどころ気になる部分はあったりなかったり。


・音楽も作品の雰囲気に溶け込んでいて個人的にはかなり好きでした!ピアノの旋律が沁みます。

BGMでお気に入りなのは『片恋いコントラスト』『朝露と始まりのステップ』『脆く枯れゆく想い』『揺らぎはじめたメモリー』『手を伸ばしたその先で』『ある天使の微睡みナイト』ですかね。曲名がどれも素敵!

OPのPure Contrastもつい口ずさんでしまうメロディーで爽やかで大好きなんですが、EDの時のFoliageが……好きすぎて……。゜(´∩ω∩`)゜。

MANYOさんが作られる曲大好きなのでイントロ流れた瞬間に泣きました。MANYOさん節が散りばめられた優しい曲。

1番のサビの、『背中を押したもうひとつの ほろ苦い恋もすべて 今へ導いたの 幸せの影になって見守る』

というフレーズで毎回涙出ます。


・システムはフローチャート(ほぼ一本筋なんですけども)があるので今どの位置のストーリーなのか把握出来ます。

この前にプロトタイプさんの作品をプレイしていたのもありスキップ速度がどうにも遅く感じてしまいましたが多分普通だと思いますw




さて、ここからは各巻の感想を。

※ネタバレ注意です!!!!!










☆1巻

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*椎葉 亜樹那(CV.緑川光さん)


高校の始業式でいつもより早めに学校に行ったさえちゃんが森で出会ったのが亜樹那。お近付きの印にとクリームシチュー味のガムを渡されます。

亜樹那はこれ以降も焼きナス味のソフトキャンディやら何やらと渡してくるんですが、個人的にはこれが結構きついw

自分一人で勝手に食べてる分には好きにすればいいのだけど、人に食べさせようとしてくるのは勘弁して欲しいですw


クラス内の自己紹介の時もさえちゃんがわざと根暗だと思われるようなことを言うのに亜樹那は食い付いてしまうし、変人だと皆に思ってもらう予定が亜樹那が素でそれを上回ってしまうというw

でも亜樹那は悪いやつじゃないんですよね。全部素でやってる(だからタチ悪いのもあるけど)。あと運動神経がいいので球技大会や体育祭で活躍して、女子がときめくタイプ。


一人で過ごすことを決めてたはずだけれど、正直者の亜樹那と一緒にいるのは嫌じゃないと感じ始めるさえちゃんの心境の変化はよかったなー。



同じ時間を過ごしていくうちに亜樹那に恋をしていると気付き、思わず気持ちが溢れ告白してしまうさえちゃん。ですが結果は振られてしまいました。


いつも女の子に告白されてもサッカーが一番大事だからと誰の告白も受けない亜樹那。けれどさえちゃんには「お前のことが大事だから、友達以上には見られない」という返事。

なんだよそれえええ( `-´ )明らかに他の女子と違う対応なのに何故付き合えない???


亜樹那は昔、お揃いのミサンガを失くしたと言い一緒に探して貰っていた最中に事故にあい亡くなってしまった、仲が良かった和兎のお兄さんのことをずっと後悔していたんです。自分のせいで亡くなってしまったと。プロサッカー選手を夢見て、そして大切な女性もいたお兄さん。

そんな人の未来を奪ってしまった自分が幸せになるなんて許されないと。

だから自分もさえちゃんが好きなのにその気持ちに応えられないと。


亜樹那の気持ちはわかる。もし自分が亜樹那の立場なら自分のせいだと一生責め立てるかもしれないです。

だけど、まだ若くて未来のある高校生が「自分は幸せになってはいけない」といろいろなことを諦めてしまうのは悲しい。



最終的にそんなことはお兄さんも誰も望んでいないだろうということで前を向けて良かった。さえちゃんのことは振ってしまったけど亜樹那も好きだったんですね。両想いだったのに遠回りしたなぁ(´;ω;`)


幸せになってはいけない、のではなく誰よりも幸せだよありがとう、とお兄さんに報告出来るようなこれからの未来であってほしいですね。



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*樫永 和兎(CV.日野聡さん)



一方、和兎の方は周りから王子と呼ばれてます。見た目と物腰の柔らかさ。でもさえちゃんは完璧すぎて胡散臭いと思ってしまっている。まぁ分かるけどね!私も最初は和兎のこと疑ってましたw


そしてやっぱり和兎の王子様キャラ(?)はフリでした。人から嫌われたくなくて誰にでもいい顔してしまうのだそう。本心を隠すタイプなんですね。

それを知ったさえちゃんは引くどころか逆に良かったと安心します。和兎がさえちゃんに惹かれたきっかけはここですよね。


個人的に一番和兎に萌えたのは、

和兎と二人で帰る途中、男の子に送ってもらうの初めてだから新鮮だったと笑うさえちゃんに、

「君はそんなつもりないんだろうけど……そんな風に言われると、ちょっと勘違いするね」

とデコピンをし、冗談だよというシーンです。

こういうやり取りも一人で過ごしてきたさえちゃんだけでなく、ずっと王子様を演じてきた和兎も初めてなんだよなぁと思うとときめきました。



亜樹那に振られ、和兎と過ごす時間も増えていくなかでさえちゃんが和兎に対して思った、

『優しいような、そうでもないような。………それでもやっぱり優しいような。』

というのが和兎を端的に表していてよかった。

王子様よりも多少性格悪い方が人間味があって私も好き!

相手を自分より上とか下とかそういう見方をしてしまうところも、本当の自分を出せずにいたからなのかなぁと思います。近しいお兄さんや亜樹那が明るく素のままの自分を出せる人だったのはつらかったよね、きっと。結構和兎の性格とか考え方は自分に近いものがありました。


さえちゃんと親しくなるにつれて、和兎が周りのことが気にならず素を出せるようになっていってよかったな。何人かの女子は陰口叩いてましたけどw勝手に幻想抱いてて違ったら叩くとかお子ちゃまやな〜とおばちゃんは思うのですがw


和兎は運動音痴なところも可愛かったです。二人で全力で走ったけど二人とも体力無くてすぐバテるシーンとかふふっとなりました。


和兎は意外と奪いに来てくれるかなぁと思ったんですが、亜樹那と付き合いなよと身を引くタイプだったかああ(;_;)

「これまで亜樹那に負けっぱなしだったけれど、最後に君の幸せを祈れれば、あいつに勝てると思うんだ」って(;_;)うう、それはちがうよ…。

もういい!と話の途中で出て行こうとするさえちゃんを普段は橘川さん呼びなのに「冴子!」と名前で呼び止めて後ろから抱きしめるシーンはぐっときました。



この後さえちゃんは二人に『友達に戻ろう』と連絡するんですがまぁ二人ともさえちゃんをスルー_( _ ´⚰︎` )_友達に戻るのは無理よなぁ。そんな簡単なことじゃないよね。

さえちゃんが和兎を選んで声をかけた際に最初からやり直したいと思ってたと言うと、

「やり直せるわけないだろ。起こったことは消せないんだから」

と言いつつ、

「君の初恋の相手が亜樹那だってことだけはどうにかして、なかったことにならないかって思うけど……」

と言っちゃう和兎が可愛いですw


ラスト、二人でマドナイの公録へ向かう会話が青春でしたなぁ。ちゃんとマドナイ聴いてくれて投稿もしてるとかなんと素晴らしい彼氏!!!


めんどくさい部分もあるけど、でもやっぱり優しい和兎。自分を作らずにいられる存在と出会えてよかった。





☆2巻

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*檜渡 鈴太朗(CV.近藤隆さん)


さぁ来ました。中3の彼です。

とにかく真っ直ぐな鈴太朗が、さえちゃんに恋をしてライバルの桐阪先輩と戦い、綺麗なだけでない汚い感情(嫉妬や独占欲なんて普通なんですけどね!)や狡いことを知った後どうなってしまうのかと心配だったんですけど、それでも真っ直ぐなままで安心しました。゜(´∩ω∩`)゜。別の意味で心配ではあるんですけどw


他の巻でもさえちゃんとたまたま目が合った時に「……一回目」と謎のカウントをしていて何なんだろうと思っていたのですが、鈴太朗は半年前に森で眠っているさえちゃんの寝顔を見て一目惚れしていたんです。

中等部と高等部で校舎も違うのでさえちゃんを3回見かけたら告白しようと決めていたんですね。それのカウントだったと。うーん!ピュア!眩しい!!

手紙でさえちゃんを呼び出すも差出人を書き忘れちゃうところも可愛い。


二人はまずお試しで付き合うことになるんですが、

「明日から、よろしくお願いしますね!……冴子さん」

なんて照れながら言う鈴太朗がもう!可愛くて!!┌(ノシ^o^)ノシ バンバン


バレー部の鈴太朗、練習試合を観に来て欲しいとさえちゃんにお願いします。

試合に勝ったご褒美に手を繋ぎたいとおねだり。ああ、ほっぺにちゅーしてほしいくらい言うのかと思ってしまったよ汚れたおばちゃんでごめんな……と思ったその瞬間、我慢出来ずに鈴太朗くんキス(しかも唇)したあああ!!!!おいいい!!!w

これはさえちゃんが鈴太朗を避けてしまっても仕方ない。


その後正式にお付き合いすることに。帰り道、手を繋ぐ?と提案するさえちゃん。

「自分から言っといて何だけど、照れる」

「恥ずかしがってる貴方も可愛い」

「そ、そういうこと言うと、離すよ」

「ご、ごめ…っ!じゃあ、心の中で思う」

「……やっぱり、恥ずかしさに耐えられないから、離そうかな」

「わっ、ごめんってば!思わないし、言わないから!」

この会話に萌えまくりでした……痒い、痒すぎる……でも萌える……(´;ω;`)


順調にお付き合いが進んでいくかと思いきや、明るい鈴太朗のそばにいればいるほど自分の暗さと比べてしまい辛くなっていくさえちゃん。そして事件が。

鈴太朗を好きな彼の同級生の園本という女子が鈴太朗の頬にキスしているところを目撃してしまいました。ちなみにこの女はさえちゃんが見ているのを分かってやってます。なんならその何日か前にさえちゃんのところまで(友人付きで)来て、あなたと付き合い始めてから鈴太朗は友達付き合いが悪くなっただの何だのと文句言いに来ましたからね。本当に鈴太朗を好きなのか、とか私の方が好きだとか勝手なことばかりぬかしてきます。

あなたより十年以上生きてる大人からすれば、自分が気持ちを伝えられずその間に鈴太朗がさえちゃんを好きになって告白して付き合うことになったのだから、さえちゃんは何一つ悪くないわけで、あんたの言ってることは鈴太朗の為風を装ってるけど全部自分の為の発言だからなクソガキ!と言ってやりたい。


でもさえちゃんはこのクソガキの発言とキスの場面も鈴太朗にも理由があって、不安定になっている自分が悪いととにかく自身を責めてしまう。

耐えられなくなったさえちゃんは鈴太朗に別れを告げます。

確かに彼女がいるのに無自覚とはいえ隙を見せていた鈴太朗にも非はあるけれど…。


季節はまた春になり高等部へ上がってきた鈴太朗はなんと、生徒会に加入します。えええ!まじか!!鈴太朗がさえちゃんの元彼だということも、桐阪先輩がさえちゃんを好きなことも知っている他の生徒会メンバーの心境を思うと吐きそうw絶対私はこんな空間無理ですw


友達としてそばにいたいと言う鈴太朗と少しずつまた普通に話が出来るようになってきたさえちゃん。でも鈴太朗の本心は友達ではなく、また彼氏としてそばにいたい。


学園祭の準備期間、間違えて発注してしまったらい警官の衣装を鈴太朗と桐阪先輩が着てさえちゃんをときめかせるゲーム(?)が突如勃発したけど、全然慣れてなくて一生懸命な鈴太朗が可愛かったなー。もう鈴太朗はずっとそのままでいてくれ…。


鈴太朗はとにかくいつもさえちゃんの為に一生懸命なんですよね。それが母性を擽られます。

最後腕を組みながら歩く二人が可愛い。このまま二人はずっと真っ直ぐ歩いていってほしいな。



しかし鈴太朗にときめく度に彼が中3(途中で高1になるけど)という事実を思い出して罪悪感に苛まれました……私が手を出したら豚箱行きだもん……。



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*桐阪 保(CV.森田成一さん)


人気投票1位だし、私の周りの片恋いプレイした方が皆さん落ちているのを見て楽しみだったんですが、もう納得ですわ!

チャラそうに見えて実は一途だし狡いところもあるけど優しいし家族想いだし料理出来るし勉強も運動も出来るし、でも外堀埋めようとして失敗しちゃうような。愛おしいですね!


実は桐阪先輩も半年前にさえちゃんを好きになっていたのです。学園祭中に体調が悪くなり庭園にいたところ、さえちゃんが心配してくれたところから桐阪先輩の恋は始まっていたと。


2周目の彼視点のシナリオで分かるんですが、最初にさえちゃんとぶつかって土器を割っちゃったことにより生徒会へ勧誘する下りもぜーんぶ桐阪先輩の仕組んだものでした。さえちゃんが来るまで階段で待機していたのだと思うと愛おしくないですか??w


とにかくさえちゃんを生徒会に入れてゆっくり外堀を埋めていくはずが、まさかのさえちゃんに彼氏が出来てしまうというwしかも自分が言った「付き合ってから徐々に相手のことを知って好きになっていくパターンもある」という言葉がさえちゃんを後押ししたっていうのがもう本当に不憫で!w。゚(ノдヽ)゚。アシストしてどうするんだよおおお!w


鈴太朗と付き合い始めたと分かり、中等部まで行って鈴太朗を捕まえてあれこれ聞き出そうとする桐阪先輩wしかも生徒会の権限を使い、不純異性交遊の調査をしてるとか大嘘ついてますからね!腕に不純異性交遊云々の腕章つけててめっちゃ笑いましたw大人気ねぇwww


鈴太朗と付き合っている間にもさえちゃんが悲しい顔をしていればずっと気にかけてくれる先輩。園本事件(?)が起きた時も追いかけてきてくれたのは先輩でした。頭にぽんと手を置き、


「君が檜渡くんを庇っても、俺は彼が悪いって言うよ。君がこれ以上、罪悪感で押しつぶされないように」


いや~~~!!!このセリフが素晴らしいです!!!!自分を責め続けちゃうさえちゃんにかける言葉としてはパーフェクト、いや200点ですよ!!!


鈴太朗と別れ、恋なんてもうしないと臆病になってしまったさえちゃんを追いかけてグイグイ押しまくる桐阪先輩…でもね!全然不快じゃないんですよ!弱さに漬け込んでる感が全くない。これが凄い。


「俺は君の為だったらいくらでも傷ついていいと思ってるからね」

なんて高校生の男子がそんなこと言えます??さえちゃんの傷ついた心が少しずつ癒えていくシナリオが本当に良かった。

さえちゃんが逃げてしまう度に追いかけて、手を引いてくれるんです。うう、なんて素敵なの…!


学年が変わって鈴太朗が生徒会に入ったことで二人がバチバチするのが楽しかったです!1巻は亜樹那があんな感じだったので取り合い感がなかったので…。


後夜祭でさえちゃんが先輩を選び、気持ちを伝えるシーンが最高に良かった(;_;)

緊張でなかなか切り出せないさえちゃんの姿に期待して舞い上がってそわそわしちゃう先輩がもう!

「……切ない恋は、一度で十分だよね。俺は君を沢山笑わせてあげる」

どんだけ優しいんだこの人。゜(´∩ω∩`)゜。


最後にキスシーンが待っていて本当に良かった…!桐阪先輩は押せ押せだったけど本作で付き合っていない段階でキスだけはしなかった唯一の人だったのですよ。

どんなに大事で大切でも、手を出さず我慢して、そしてさえちゃんの気持ちを一番に考えて待ち続けるって、本人は傷ついてもいいと言ってたけどそれでもすごく辛くて苦しかったと思うんです。

だから先輩の恋が実って、キスが出来て本当に良かった。感無量です。

先輩のエンドのタイトルが『待ち焦がれたハッピーエンド』なんですけど、本当にその名の通り!


傷恋編のテーマである『失恋の傷を癒した未来の恋』は先輩が一番しっくりくるなぁと思いました。先輩を幸せに出来て本当に良かった!!!




☆3巻

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*楠見 清孝(CV.鳥海浩輔さん)


個人的に本命候補だった先生。いやぁ、ずるい大人でした。クジに全財産つぎ込むのは大人としてどうかと思いますけどw


先生の行くとこ行くとこにさえちゃんがいるので「……またお前か」みたいな感じから始まります。コンビニでやってるパンとかについてるシールを集めてプレゼントと交換するキャンペーンを先生はやってたんですけどやる気がなくなったので、用紙を拾ったさえちゃんに託します。さえちゃんはせっかくだからとお母さんとも協力してシールを集めていくのですが、時折先生もたまたまお昼買ったらついてたと言ってシールくれるんですよ。まずいきなり私が(何故か)ときめくエピソードがきてしまって困惑しましたwシールくれるエピソード弱いんです!好きなんです!w



先生とさえちゃんが一番近付くことになるきっかけはさえちゃんがテストで赤点をとり、夏休みに補習に行ったら歴史(先生の担当)はなんとさえちゃんだけだったと。そこから勉強見てやると先生。個別指導キタ━(゚∀゚)━!!!

おすすめの歴史の本を教えてもらったりして、さえちゃんは申し訳ないと言うのですが、自分の歴史の授業で赤点取ったのはお前だけだしと先生。

まさかのクラスで一人でなく全体で赤点一人だったというw

それは勉強見てやるって言ってくれてもおかしくないよねと言うさえちゃんに、


「そ。だからかな。あー、あと……なんだ、お前だからってのもある」


とか意味深なこと言う先生…。こんなこと言われたらいやでも意識しちゃいますよね。そんなこと言うくせに、勉強見てるだけだから…とか繰り返して言うんです。


クリスマス、お母さんから頼まれてケーキを受け取りに行ったさえちゃんは同じく学長から頼まれた先生とばったり会い、受け取るまでの間一緒に過ごすんですが、補習の話になりまた先生に個別で教えて貰えると喜ぶさえちゃん。

そして、「数学だって、英語だって……それ以外のことだって教えてやれる」と言って先生はさえちゃんの頬にキスします。

いやあああ!!!わけわかめ!!!(死語)先生は本当に酷い人です!!!


さえちゃんは先生を当然の如く好きになるのですが、やっぱり周りからも「あの子だけ特別扱いされてる」みたいな目で見られる。


実は先生がやる気がなかったり、教師を辞めようとしていたり他人とどこか線を引いているのは、楠見先生の恩師が教員時代に不登校の生徒に親身になって接していたところ生徒からもその親達からもやましいことがあるのではと疑われ紛糾され精神的にやられてしまい、現在は病に臥せってしまっていることが原因でした。

なんか……すごく現代的というか。私が学生の頃も確かに生徒同士で「〇〇先生は△△ちゃんだけ贔屓してる!」みたいな会話があったような気もしますが、今ではすぐ親も乗り込んできてしまうだろうし、あらぬ噂だったとしても火消しは難しいですよね…。今の時代の先生達はどこまで生徒に接していいのか、本当に難しいと思います…。


親身になってくれた恩師のような教師になりたいと志していたはずなのに、親身になったことで壊されてしまった恩師を見てしまったことで楠見先生の中で大切なものが崩れ落ちていったのは…なんか分かる気がする。


先生に告白するも振られてしまうさえちゃん。振られた直後は学校をお休みしたりしましたが、転校してきた凪くんと関わることで少しずつ先生への気持ちを過去のものに出来てきてた……のに!

凪くんといい関係になり始めたらさえちゃんにまた期待持たせるようなこと言うしするし、凪くんにも牽制するしでとんでもないですw

3人でカフェに入った時とかの先生の大人気なさwあと先生ブラックコーヒー飲めないんですね…かわいいw


先生はさえちゃんが教師を続けてもう一度頑張ろうと思わせてくれたと言っていましたが、補習の際に自分の話を聞いてさえちゃんが歴史に興味を持ってくれ、楽しい!とやる気を出してくれたことがそうなのですかね。

個人的に先生がさえちゃんを好きになったエピソードがもう少しあってもいいかなと思いました。まぁでも他人と関わらずにいようとする姿が昔の自分と重なって何とかしてやりたいと思ったとありましたし、さえちゃんのことを気にかけているうちに可愛いなと思う気持ちが出てきたということで納得は出来ます。


卒業するまで付き合うのは待つと言いつつ外で抱き合ったりキスしたりするのはこっちがヒヤヒヤするので勘弁して欲しいんですがw


先生は思っていた以上に面倒くさくて駄目人間だったんですけど、なんだろう…逃げられても突き放されても追いかけたくなるような人でした。

さえちゃんはたくさん先生に振り回されたのだから、これからはやり返しちゃってほしいです笑



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*楡居 凪(CV.吉野裕行さん)


2年に上がった際に転校してきた凪くん。出会いが最悪で、犬猿の仲だったのが一緒に過ごすうちに少しずつ友情に変化していき、そして恋愛感情に発展していく流れがもう大好物すぎました:;(∩´///`∩);:


凪くんは親が転勤族で3年くらいのペースで転校を繰り返している為友人を作るのを諦めている子なんです。心の底から孤独を望んでいるわけではないけれど、一人でいることを選んでいるのはさえちゃんと同じ。でも理由が全く違うんですね。


3巻の傷恋編はこれまでと違い、さえちゃんから誰かに歩み寄ろうとしているのが新鮮でした。さえちゃんが怖くて逃げることも少なかったし。

最初は言い争いばかりだったのに一緒に帰ったり、勉強したりするうちに少しずつ仲が深まっていくのが本当に青春。なんやかんや言いながら勉強教えてくれる凪くんにときめきです。


そしてなんと凪くん、実はマドナイのリスナーだったのです!他の巻でもちょこちょこ出てくる『やなぎ』というHN、これ凪くんか?と思っていましたが本当にそうだったw

マドナイの公録イベントの前にばったり会う二人。その際にカミングアウトされます。この時の凪くんの私服よかったな~~!黒のジャケットに白いインナー(Uネック最高鎖骨最高)のやつ。さえちゃんもベージュジャケットだったよね。二人して舞渡華さんの普段のコーディネートを真似してるのが可愛い。マドナイの話題で意気投合する凪くんとさえちゃん。やっぱり共通の趣味とか好きな物は大事。ここらへんもリアルだなぁと思いました。


仲良くなり一緒に過ごす時間も増えていく二人を見て周りが付き合ってるだのなんだの噂します。まぁ学生の好物ですからね、この手の話題はw

さえちゃんはやっぱり周りの目が気になってしまうのですが、凪くんは噂は噂で周りの目なんか気にしてたら何も出来ないと全然気にしないタイプ。正反対なところもいいなぁと思いました。

凪くんは単に勉強出来るだけでなく『賢い』子だなーと何度も感じた。さえちゃんと楠見先生を見てすぐに「あの二人ワケアリか?」と思ってましたしね。


本当にこれも学生の恋愛あるあるだと思うんですが、仲良くなっていくうちにこれは友情なのか恋なのか…という疑問が生まれ分からなくなるという。これも本当に自然な流れだった。


さえちゃんが風邪を引いて学校を休んだ際に凪くんがお見舞いに来てくれるんですが、凪くんを待っている間に寝ちゃったさえちゃん。目を覚ましたらお母さんと凪くんが楽しそうにお話してました。しかも一緒に晩ご飯食べてる!

凪くん、友達は作らないって言うけど社交性は普通にあるんですよね。差し入れ(フルーツのデザート)持ってきてくれるし…良い子だな…(;_;)


お茶を入れようと立ち上がってふらつくさえちゃんをしっかり支えてくれる凪くん。近い距離にドギマギする二人の空気感!ぬあー、こっちが照れる!!!


凪くんはさえちゃんへの気持ちが恋であると頭では理解しているけれど、なかなか認めることは出来ない。庭園で先生と話すさえちゃんが凄く楽しそうに見えて悔しくなる凪くん。今まで親しい人を作ってこなかった故に今の関係を大事にしたい。付き合う選択肢だってある。けれど付き合ったら今の関係が壊れる気がする。だから踏み込めない。

ああ、これは学生なんてとうの昔に卒業している私でもすごく共感出来ます。凪くんの言う通り、友達と恋人は全くの別物ですからね。今の友達という関係が心地良ければ良いほど線を越えるのは怖いはず。


でもさえちゃんが過去に先生のことを好きで告白したことも知っていて、先生がさえちゃんを特別に想っていることも分かっていて、さらに先生から牽制される凪くんはどこか焦ってしまう。

先生の話を聞いて、素直にならなければ後悔すると思った凪くんは後夜祭で、いい友達でいたいと思っていることは事実。けれどそれ以上を今は望んでしまっているのだとさえちゃんについに伝えます。

さえちゃんの心は凪くんと先生の間で揺れに揺れている。でもずっとこのままではいけない。凪くんはクリスマスまでにはっきりさせようと言います。


クリスマスが近くなり、さえちゃんも凪くんもマドナイのクリスマススペシャルの告白コーナーに自分の想いを投稿。読まれるかどうかは当日のお楽しみです。

凪くんとの帰り道。大学で宇宙工学について学びたいのだと告白されます。凪くん理系なのか!寄り道した本屋さんでどういうきっかけで興味を持ったのかなどキラキラした表情で語る凪くん。いやぁ、若い(遠い目)そんな凪くんを見て自分もやりたいことを見つけようと前向きになれたさえちゃん。

駅で別れる時、クリスマスに答えを出す。先生にもその日決めた答えを伝えることを凪くんに話します。でももうさえちゃんの心は決まっている様子。クリスマスの日の待ち合わせについて話そうとした瞬間、凪くんとの距離が縮まりそして………!!!!!!


「………」

「ご、ごめん……」

「い、今………した?」

「した、かな……」

「……一瞬だったけど、キスした、よね……?」

「したな。お前の返事を聞いてからにしたかったけど仕方ねぇだろ?今したかったから……」


突然のちゅーが待っていましたああああ!!!!!(゚∀゚)イヤアアアア!!!

片恋いのキャラは皆本能で突発的にキスしますね!?!?桐阪先輩だけだよ完全に付き合うまでキスしなかったの!!!先輩を見習いなさいよ!!!!w

まぁでもその後「そ、それじゃ、またな!」と照れながら帰っていく姿が可愛かったので凪くんは許しますw


クリスマスイブ、二人の目の前で答えを告げることが出来なかったさえちゃんはマドナイに投稿した想いが答えだから聴いて欲しいと二人に伝えます。


『【……いつ好きになったのかと聞かれると正直分かりません、気がついたら好きになっていました】』

『【私が好きなその人の名前は、やなぎさんです。出会った時は腹が立ちましたけれど、今は大好きです】』


ラジオを、さえちゃんの想いを聞いた凪くんは電話を掛けてきます。ただ第一声が「ラジオネームで告白すんな!変な汗でたぞ!?」で笑いましたw確かに本名はアウトだけど、リスナー同士がくっついた!出会いはマドナイ!と色々言われてしまっているw


そしてラジオ内で凪くんからの返事が。


『【ギンカさん、答えてくれてありがとう。告白してからずっと緊張していたし、今日を迎える前に実は逃げようとも思っていた】』

『【告白したことを後悔もしたし、なかなか普通に接することが出来ず、苛ついたこともあった、悪かった】』

『【例え卒業後の進路が違っても、ずっと傍にいる】』


わあああ!!!。゚(ノдヽ)゚。凪くん!!!

二人のこの告白で最悪の出会いから少しずつ仲良くなっていった日々が私の頭の中を駆け巡りました。友情と恋愛の境目で惑う二人が一歩踏み越えられた瞬間!いやぁ、素敵です。


後日、三者面談の際に宇宙工学を勉強したいと伝えたところお父さんから大笑いされてしまった凪くん。ムカッときた末に勢いで「高校卒業したら家を出てさえちゃんと一緒に暮らす」と言ってしまったとのこと。昨日告白したばかりなのにw

「昨日と今日はちょっと舞い上がっていただけで至って正常だ!」ってなんだよもおおお!二日間舞い上がってたの凪くんかわいい……。


そんな凪くんに嬉しい、と頬にキスするさえちゃん。

「進路の事とかまだこれからだけどね。楡井君といると頑張ろうって気持ちになれるの」

「私達は友達だけど、これからは恋人……になるんだよね。だからこれは始まりの挨拶」

「……街中でよくこういうこと、平気で出来るな」

「嬉しくないの?」

「う、嬉しいけどさ!……あ、こっちの頬も頼むよ」

「じゃあランチ奢ってくれたらしてあげる」

「ふんっ、してくれなくても奢ってやるよ。今日からお前の彼氏だからな。……大好きだよ」



なんというか、二人とも気負わず等身大でいられるカップルだなぁと思いました。積極的なさえちゃんにおばちゃんは感動を覚えた(;_;)

同じ好きな物があったり、相手のことを少しずつ知っていき、友情から恋愛へと発展していく過程がとても楽しかったです。

素直じゃないところも、周りに流されずに自分の本心がどこにあるのかきちんと考えようとするところも、考え方は大人びたところもあるのに先生に牽制されるとムキになって張り合っちゃう子供らしいところも、照れたお顔も好きです。


この先もたくさんケンカするだろうけれど、その度に仲直りして、また二人で共に一歩ずつ進んでいく。そんな未来が見えますね!




✩。* *。✩


片恋い、予想以上に楽しくプレイ出来ました◎

1巻は亜樹那はあんな感じだし和兎も終盤身を引く感じだったので取り合い感は控えめだった分、2巻は鈴太朗も桐阪先輩もさえちゃん好き好きで押してくるのでこれぞ三角関係!で一つの巻を通してのストーリーとしては一番面白かったかなぁ。3巻も終盤はかなりバチバチしてましたね!先生が大人げなかったw

どの巻もどちらを最終的に選んでも罪悪感があったのですが、2巻は本当に罪悪感が凄かったです…特に鈴太朗を選んで桐阪先輩を振るのは……しんどすぎました……_| ̄|○


プレイ前の本命予想は先生かなと思っていましたが、凪くんになりました!(*⃙⃘´꒳`*⃙⃘)

先生ファンの方には怒られそうですが、先生は凪くんを選んださえちゃんのことを優しい、でもどこか悲しい目で見つめていて欲しい。発掘へ行っている間や、さえちゃんが卒業してからもふとした時にさえちゃんを思い出して切なく笑っていて欲しい……。なんというか、そういうのが似合っちゃうんですよね先生……。

あっ、もちろん先生も好きですよ!!!(必死)



あ、あと一つ。本作で個人的に凄くグッときた言葉がありました。2巻の学園祭で舞渡華さんが学園へ来てくれマドナイ出張版のイベントをやった際にさえちゃんが送ったお悩み、『どうすれば心を強くすることが出来るのでしょうか?』に対する舞渡華さんの答えです。


「正直な話ね、心を強くするなんて無理だと思っているの」

「でも、弱い心を守ってあげることなら出来る」

「何度傷ついたとしても、後悔しても、立ち上がって前を向く勇気を忘れないこと--それが弱い心を守ってあげるということなの」


とても素敵な考え方…!強くなろうとするばかりでは歪みが生まれて心が壊れてしまうかもしれませんしね。考え方を少し変えるだけで心がラクになりますね。私も学生時代に舞渡華さんに出会いたかったなぁ(;_;)




純粋な恋愛にときめき、癒され、切なくなり。プレイ後は久々に恋愛っていいなぁと思いました。学生に戻りたい!笑


二つの恋を経て成長していくヒロインの姿。

汚れた心が浄化されていき、ふわっと白い真綿に包まれるような優しい気持ちになれる作品でした。