片恋いコントラスト-collection of branch- フルコンプ 感想


吉原彼岸花のプレイが終わり今月20日に蝶毒Switchが来るまでの間で何かサクッとプレイ出来たらいいなと思い、手に取った片恋い。

カラマリ→コドリア→吉原彼岸花とシリアスで重めな作品が続いたので、とりあえず人が死なない作品をやりたくて!w


トライアングルプロジェクトの中だと一番気になっていた作品だったのですが、とにかく設定がいいですよね。少女漫画でいう、『当て馬』ポジションのキャラを救済出来るというのは嬉しい!


恋のときめきも楽しさも切なさも苦しさも、ぎゅっと詰められた作品だったように思います。プレイ後はあー、学生の頃もっと恋愛しておけばよかったなぁとめちゃくちゃ後悔しましたw


 



片恋いコントラスト -collection of branch - Switch

片恋いコントラスト -collection of branch - Switch

【総合】

★★★★

【シナリオ】

★★★★

【キャラクター】

★★★★

【糖度】

★★★★

【スチル、立ち絵、背景】

★★★

【音楽】

★★★★

【システム】

★★★



・シナリオは一本筋です!個別エンドはあってもルートはありません。終盤で好感度高い方のキャラのシナリオになったりはしますが(その後また共通になる)、とにかく一本筋です。なので2周目はほぼほぼスキップで終わりますw多分1時間もあれば…笑

でも2周目になると攻略キャラ視点のシナリオが追加されるのが良かった。あー、この時こんな風に思ってたのかぁと分かるのがいいですね。ヒロインの冴子だけでなく彼等も悩んで、苦しんで葛藤していたのだなと思うと、結ばれた後の幸せがより深く味わえるというか。



・攻略キャラはそれぞれ違った個性があって各巻での攻略も楽しかったです!詳しい感想は後ほど。

サブキャラも良かった。冴子の友達になった眞泉ちゃんは可愛くてとても良い子で、彼女がいたから冴子が前を向けることもあって。付かず離れずな距離が心地よかった。

冴子が大好きな舞渡華さんも素敵で!なんで攻略出来ないの!?!?と2巻の終盤辺りで地団駄踏みましたw

ハリネズミのマドちゃんは癒しです。超可愛い。もはや森の妖精さん(?)


・ヒロインの冴子(以降さえちゃん呼び)は幼い頃にあったあることがきっかけで、人と付き合うことを自ら遠ざけてしまっていました。だから彼等との恋愛でも何度も何度も逃げてしまうことがあって。

彼女の行動や思考にモヤモヤする人はきっと少なくないだろうなと思います。私も何度も「そこで逃げるなよおおお!」と思いました。

でもさえちゃんの自分も傷つきたくないし人も傷つけたくないという気持ちは分かる。彼女が逃げてしまうのも分かるので、私はわりと共感出来る子でした。

だからこそ恋をして失恋してたくさんの感情を知って、何度も逃げつつも周りの人の優しさに触れ、最後は勇気を出して彼に想いを告げる瞬間は感動しかありませんでした。


・糖度は低くもなければめちゃくちゃ高くもないですかね?個人的には2巻が一番糖度あった気がします。


・スチルは各キャラ11〜14枚程。作品の雰囲気にぴったりな優しい絵です。ところどころ気になる部分はあったりなかったり。


・音楽も作品の雰囲気に溶け込んでいて個人的にはかなり好きでした!ピアノの旋律が沁みます。

BGMでお気に入りなのは『片恋いコントラスト』『朝露と始まりのステップ』『脆く枯れゆく想い』『揺らぎはじめたメモリー』『手を伸ばしたその先で』『ある天使の微睡みナイト』ですかね。曲名がどれも素敵!

OPのPure Contrastもつい口ずさんでしまうメロディーで爽やかで大好きなんですが、EDの時のFoliageが……好きすぎて……。゜(´∩ω∩`)゜。

MANYOさんが作られる曲大好きなのでイントロ流れた瞬間に泣きました。MANYOさん節が散りばめられた優しい曲。

1番のサビの、『背中を押したもうひとつの ほろ苦い恋もすべて 今へ導いたの 幸せの影になって見守る』

というフレーズで毎回涙出ます。


・システムはフローチャート(ほぼ一本筋なんですけども)があるので今どの位置のストーリーなのか把握出来ます。

この前にプロトタイプさんの作品をプレイしていたのもありスキップ速度がどうにも遅く感じてしまいましたが多分普通だと思いますw




さて、ここからは各巻の感想を。

※ネタバレ注意です!!!!!










☆1巻

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*椎葉 亜樹那(CV.緑川光さん)


高校の始業式でいつもより早めに学校に行ったさえちゃんが森で出会ったのが亜樹那。お近付きの印にとクリームシチュー味のガムを渡されます。

亜樹那はこれ以降も焼きナス味のソフトキャンディやら何やらと渡してくるんですが、個人的にはこれが結構きついw

自分一人で勝手に食べてる分には好きにすればいいのだけど、人に食べさせようとしてくるのは勘弁して欲しいですw


クラス内の自己紹介の時もさえちゃんがわざと根暗だと思われるようなことを言うのに亜樹那は食い付いてしまうし、変人だと皆に思ってもらう予定が亜樹那が素でそれを上回ってしまうというw

でも亜樹那は悪いやつじゃないんですよね。全部素でやってる(だからタチ悪いのもあるけど)。あと運動神経がいいので球技大会や体育祭で活躍して、女子がときめくタイプ。


一人で過ごすことを決めてたはずだけれど、正直者の亜樹那と一緒にいるのは嫌じゃないと感じ始めるさえちゃんの心境の変化はよかったなー。



同じ時間を過ごしていくうちに亜樹那に恋をしていると気付き、思わず気持ちが溢れ告白してしまうさえちゃん。ですが結果は振られてしまいました。


いつも女の子に告白されてもサッカーが一番大事だからと誰の告白も受けない亜樹那。けれどさえちゃんには「お前のことが大事だから、友達以上には見られない」という返事。

なんだよそれえええ( `-´ )明らかに他の女子と違う対応なのに何故付き合えない???


亜樹那は昔、お揃いのミサンガを失くしたと言い一緒に探して貰っていた最中に事故にあい亡くなってしまった、仲が良かった和兎のお兄さんのことをずっと後悔していたんです。自分のせいで亡くなってしまったと。プロサッカー選手を夢見て、そして大切な女性もいたお兄さん。

そんな人の未来を奪ってしまった自分が幸せになるなんて許されないと。

だから自分もさえちゃんが好きなのにその気持ちに応えられないと。


亜樹那の気持ちはわかる。もし自分が亜樹那の立場なら自分のせいだと一生責め立てるかもしれないです。

だけど、まだ若くて未来のある高校生が「自分は幸せになってはいけない」といろいろなことを諦めてしまうのは悲しい。



最終的にそんなことはお兄さんも誰も望んでいないだろうということで前を向けて良かった。さえちゃんのことは振ってしまったけど亜樹那も好きだったんですね。両想いだったのに遠回りしたなぁ(´;ω;`)


幸せになってはいけない、のではなく誰よりも幸せだよありがとう、とお兄さんに報告出来るようなこれからの未来であってほしいですね。



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*樫永 和兎(CV.日野聡さん)



一方、和兎の方は周りから王子と呼ばれてます。見た目と物腰の柔らかさ。でもさえちゃんは完璧すぎて胡散臭いと思ってしまっている。まぁ分かるけどね!私も最初は和兎のこと疑ってましたw


そしてやっぱり和兎の王子様キャラ(?)はフリでした。人から嫌われたくなくて誰にでもいい顔してしまうのだそう。本心を隠すタイプなんですね。

それを知ったさえちゃんは引くどころか逆に良かったと安心します。和兎がさえちゃんに惹かれたきっかけはここですよね。


個人的に一番和兎に萌えたのは、

和兎と二人で帰る途中、男の子に送ってもらうの初めてだから新鮮だったと笑うさえちゃんに、

「君はそんなつもりないんだろうけど……そんな風に言われると、ちょっと勘違いするね」

とデコピンをし、冗談だよというシーンです。

こういうやり取りも一人で過ごしてきたさえちゃんだけでなく、ずっと王子様を演じてきた和兎も初めてなんだよなぁと思うとときめきました。



亜樹那に振られ、和兎と過ごす時間も増えていくなかでさえちゃんが和兎に対して思った、

『優しいような、そうでもないような。………それでもやっぱり優しいような。』

というのが和兎を端的に表していてよかった。

王子様よりも多少性格悪い方が人間味があって私も好き!

相手を自分より上とか下とかそういう見方をしてしまうところも、本当の自分を出せずにいたからなのかなぁと思います。近しいお兄さんや亜樹那が明るく素のままの自分を出せる人だったのはつらかったよね、きっと。結構和兎の性格とか考え方は自分に近いものがありました。


さえちゃんと親しくなるにつれて、和兎が周りのことが気にならず素を出せるようになっていってよかったな。何人かの女子は陰口叩いてましたけどw勝手に幻想抱いてて違ったら叩くとかお子ちゃまやな〜とおばちゃんは思うのですがw


和兎は運動音痴なところも可愛かったです。二人で全力で走ったけど二人とも体力無くてすぐバテるシーンとかふふっとなりました。


和兎は意外と奪いに来てくれるかなぁと思ったんですが、亜樹那と付き合いなよと身を引くタイプだったかああ(;_;)

「これまで亜樹那に負けっぱなしだったけれど、最後に君の幸せを祈れれば、あいつに勝てると思うんだ」って(;_;)うう、それはちがうよ…。

もういい!と話の途中で出て行こうとするさえちゃんを普段は橘川さん呼びなのに「冴子!」と名前で呼び止めて後ろから抱きしめるシーンはぐっときました。



この後さえちゃんは二人に『友達に戻ろう』と連絡するんですがまぁ二人ともさえちゃんをスルー_( _ ´⚰︎` )_友達に戻るのは無理よなぁ。そんな簡単なことじゃないよね。

さえちゃんが和兎を選んで声をかけた際に最初からやり直したいと思ってたと言うと、

「やり直せるわけないだろ。起こったことは消せないんだから」

と言いつつ、

「君の初恋の相手が亜樹那だってことだけはどうにかして、なかったことにならないかって思うけど……」

と言っちゃう和兎が可愛いですw


ラスト、二人でマドナイの公録へ向かう会話が青春でしたなぁ。ちゃんとマドナイ聴いてくれて投稿もしてるとかなんと素晴らしい彼氏!!!


めんどくさい部分もあるけど、でもやっぱり優しい和兎。自分を作らずにいられる存在と出会えてよかった。





☆2巻

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*檜渡 鈴太朗(CV.近藤隆さん)


さぁ来ました。中3の彼です。

とにかく真っ直ぐな鈴太朗が、さえちゃんに恋をしてライバルの桐阪先輩と戦い、綺麗なだけでない汚い感情(嫉妬や独占欲なんて普通なんですけどね!)や狡いことを知った後どうなってしまうのかと心配だったんですけど、それでも真っ直ぐなままで安心しました。゜(´∩ω∩`)゜。別の意味で心配ではあるんですけどw


他の巻でもさえちゃんとたまたま目が合った時に「……一回目」と謎のカウントをしていて何なんだろうと思っていたのですが、鈴太朗は半年前に森で眠っているさえちゃんの寝顔を見て一目惚れしていたんです。

中等部と高等部で校舎も違うのでさえちゃんを3回見かけたら告白しようと決めていたんですね。それのカウントだったと。うーん!ピュア!眩しい!!

手紙でさえちゃんを呼び出すも差出人を書き忘れちゃうところも可愛い。


二人はまずお試しで付き合うことになるんですが、

「明日から、よろしくお願いしますね!……冴子さん」

なんて照れながら言う鈴太朗がもう!可愛くて!!┌(ノシ^o^)ノシ バンバン


バレー部の鈴太朗、練習試合を観に来て欲しいとさえちゃんにお願いします。

試合に勝ったご褒美に手を繋ぎたいとおねだり。ああ、ほっぺにちゅーしてほしいくらい言うのかと思ってしまったよ汚れたおばちゃんでごめんな……と思ったその瞬間、我慢出来ずに鈴太朗くんキス(しかも唇)したあああ!!!!おいいい!!!w

これはさえちゃんが鈴太朗を避けてしまっても仕方ない。


その後正式にお付き合いすることに。帰り道、手を繋ぐ?と提案するさえちゃん。

「自分から言っといて何だけど、照れる」

「恥ずかしがってる貴方も可愛い」

「そ、そういうこと言うと、離すよ」

「ご、ごめ…っ!じゃあ、心の中で思う」

「……やっぱり、恥ずかしさに耐えられないから、離そうかな」

「わっ、ごめんってば!思わないし、言わないから!」

この会話に萌えまくりでした……痒い、痒すぎる……でも萌える……(´;ω;`)


順調にお付き合いが進んでいくかと思いきや、明るい鈴太朗のそばにいればいるほど自分の暗さと比べてしまい辛くなっていくさえちゃん。そして事件が。

鈴太朗を好きな彼の同級生の園本という女子が鈴太朗の頬にキスしているところを目撃してしまいました。ちなみにこの女はさえちゃんが見ているのを分かってやってます。なんならその何日か前にさえちゃんのところまで(友人付きで)来て、あなたと付き合い始めてから鈴太朗は友達付き合いが悪くなっただの何だのと文句言いに来ましたからね。本当に鈴太朗を好きなのか、とか私の方が好きだとか勝手なことばかりぬかしてきます。

あなたより十年以上生きてる大人からすれば、自分が気持ちを伝えられずその間に鈴太朗がさえちゃんを好きになって告白して付き合うことになったのだから、さえちゃんは何一つ悪くないわけで、あんたの言ってることは鈴太朗の為風を装ってるけど全部自分の為の発言だからなクソガキ!と言ってやりたい。


でもさえちゃんはこのクソガキの発言とキスの場面も鈴太朗にも理由があって、不安定になっている自分が悪いととにかく自身を責めてしまう。

耐えられなくなったさえちゃんは鈴太朗に別れを告げます。

確かに彼女がいるのに無自覚とはいえ隙を見せていた鈴太朗にも非はあるけれど…。


季節はまた春になり高等部へ上がってきた鈴太朗はなんと、生徒会に加入します。えええ!まじか!!鈴太朗がさえちゃんの元彼だということも、桐阪先輩がさえちゃんを好きなことも知っている他の生徒会メンバーの心境を思うと吐きそうw絶対私はこんな空間無理ですw


友達としてそばにいたいと言う鈴太朗と少しずつまた普通に話が出来るようになってきたさえちゃん。でも鈴太朗の本心は友達ではなく、また彼氏としてそばにいたい。


学園祭の準備期間、間違えて発注してしまったらい警官の衣装を鈴太朗と桐阪先輩が着てさえちゃんをときめかせるゲーム(?)が突如勃発したけど、全然慣れてなくて一生懸命な鈴太朗が可愛かったなー。もう鈴太朗はずっとそのままでいてくれ…。


鈴太朗はとにかくいつもさえちゃんの為に一生懸命なんですよね。それが母性を擽られます。

最後腕を組みながら歩く二人が可愛い。このまま二人はずっと真っ直ぐ歩いていってほしいな。



しかし鈴太朗にときめく度に彼が中3(途中で高1になるけど)という事実を思い出して罪悪感に苛まれました……私が手を出したら豚箱行きだもん……。



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*桐阪 保(CV.森田成一さん)


人気投票1位だし、私の周りの片恋いプレイした方が皆さん落ちているのを見て楽しみだったんですが、もう納得ですわ!

チャラそうに見えて実は一途だし狡いところもあるけど優しいし家族想いだし料理出来るし勉強も運動も出来るし、でも外堀埋めようとして失敗しちゃうような。愛おしいですね!


実は桐阪先輩も半年前にさえちゃんを好きになっていたのです。学園祭中に体調が悪くなり庭園にいたところ、さえちゃんが心配してくれたところから桐阪先輩の恋は始まっていたと。


2周目の彼視点のシナリオで分かるんですが、最初にさえちゃんとぶつかって土器を割っちゃったことにより生徒会へ勧誘する下りもぜーんぶ桐阪先輩の仕組んだものでした。さえちゃんが来るまで階段で待機していたのだと思うと愛おしくないですか??w


とにかくさえちゃんを生徒会に入れてゆっくり外堀を埋めていくはずが、まさかのさえちゃんに彼氏が出来てしまうというwしかも自分が言った「付き合ってから徐々に相手のことを知って好きになっていくパターンもある」という言葉がさえちゃんを後押ししたっていうのがもう本当に不憫で!w。゚(ノдヽ)゚。アシストしてどうするんだよおおお!w


鈴太朗と付き合い始めたと分かり、中等部まで行って鈴太朗を捕まえてあれこれ聞き出そうとする桐阪先輩wしかも生徒会の権限を使い、不純異性交遊の調査をしてるとか大嘘ついてますからね!腕に不純異性交遊云々の腕章つけててめっちゃ笑いましたw大人気ねぇwww


鈴太朗と付き合っている間にもさえちゃんが悲しい顔をしていればずっと気にかけてくれる先輩。園本事件(?)が起きた時も追いかけてきてくれたのは先輩でした。頭にぽんと手を置き、


「君が檜渡くんを庇っても、俺は彼が悪いって言うよ。君がこれ以上、罪悪感で押しつぶされないように」


いや~~~!!!このセリフが素晴らしいです!!!!自分を責め続けちゃうさえちゃんにかける言葉としてはパーフェクト、いや200点ですよ!!!


鈴太朗と別れ、恋なんてもうしないと臆病になってしまったさえちゃんを追いかけてグイグイ押しまくる桐阪先輩…でもね!全然不快じゃないんですよ!弱さに漬け込んでる感が全くない。これが凄い。


「俺は君の為だったらいくらでも傷ついていいと思ってるからね」

なんて高校生の男子がそんなこと言えます??さえちゃんの傷ついた心が少しずつ癒えていくシナリオが本当に良かった。

さえちゃんが逃げてしまう度に追いかけて、手を引いてくれるんです。うう、なんて素敵なの…!


学年が変わって鈴太朗が生徒会に入ったことで二人がバチバチするのが楽しかったです!1巻は亜樹那があんな感じだったので取り合い感がなかったので…。


後夜祭でさえちゃんが先輩を選び、気持ちを伝えるシーンが最高に良かった(;_;)

緊張でなかなか切り出せないさえちゃんの姿に期待して舞い上がってそわそわしちゃう先輩がもう!

「……切ない恋は、一度で十分だよね。俺は君を沢山笑わせてあげる」

どんだけ優しいんだこの人。゜(´∩ω∩`)゜。


最後にキスシーンが待っていて本当に良かった…!桐阪先輩は押せ押せだったけど本作で付き合っていない段階でキスだけはしなかった唯一の人だったのですよ。

どんなに大事で大切でも、手を出さず我慢して、そしてさえちゃんの気持ちを一番に考えて待ち続けるって、本人は傷ついてもいいと言ってたけどそれでもすごく辛くて苦しかったと思うんです。

だから先輩の恋が実って、キスが出来て本当に良かった。感無量です。

先輩のエンドのタイトルが『待ち焦がれたハッピーエンド』なんですけど、本当にその名の通り!


傷恋編のテーマである『失恋の傷を癒した未来の恋』は先輩が一番しっくりくるなぁと思いました。先輩を幸せに出来て本当に良かった!!!




☆3巻

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*楠見 清孝(CV.鳥海浩輔さん)


個人的に本命候補だった先生。いやぁ、ずるい大人でした。クジに全財産つぎ込むのは大人としてどうかと思いますけどw


先生の行くとこ行くとこにさえちゃんがいるので「……またお前か」みたいな感じから始まります。コンビニでやってるパンとかについてるシールを集めてプレゼントと交換するキャンペーンを先生はやってたんですけどやる気がなくなったので、用紙を拾ったさえちゃんに託します。さえちゃんはせっかくだからとお母さんとも協力してシールを集めていくのですが、時折先生もたまたまお昼買ったらついてたと言ってシールくれるんですよ。まずいきなり私が(何故か)ときめくエピソードがきてしまって困惑しましたwシールくれるエピソード弱いんです!好きなんです!w



先生とさえちゃんが一番近付くことになるきっかけはさえちゃんがテストで赤点をとり、夏休みに補習に行ったら歴史(先生の担当)はなんとさえちゃんだけだったと。そこから勉強見てやると先生。個別指導キタ━(゚∀゚)━!!!

おすすめの歴史の本を教えてもらったりして、さえちゃんは申し訳ないと言うのですが、自分の歴史の授業で赤点取ったのはお前だけだしと先生。

まさかのクラスで一人でなく全体で赤点一人だったというw

それは勉強見てやるって言ってくれてもおかしくないよねと言うさえちゃんに、


「そ。だからかな。あー、あと……なんだ、お前だからってのもある」


とか意味深なこと言う先生…。こんなこと言われたらいやでも意識しちゃいますよね。そんなこと言うくせに、勉強見てるだけだから…とか繰り返して言うんです。


クリスマス、お母さんから頼まれてケーキを受け取りに行ったさえちゃんは同じく学長から頼まれた先生とばったり会い、受け取るまでの間一緒に過ごすんですが、補習の話になりまた先生に個別で教えて貰えると喜ぶさえちゃん。

そして、「数学だって、英語だって……それ以外のことだって教えてやれる」と言って先生はさえちゃんの頬にキスします。

いやあああ!!!わけわかめ!!!(死語)先生は本当に酷い人です!!!


さえちゃんは先生を当然の如く好きになるのですが、やっぱり周りからも「あの子だけ特別扱いされてる」みたいな目で見られる。


実は先生がやる気がなかったり、教師を辞めようとしていたり他人とどこか線を引いているのは、楠見先生の恩師が教員時代に不登校の生徒に親身になって接していたところ生徒からもその親達からもやましいことがあるのではと疑われ紛糾され精神的にやられてしまい、現在は病に臥せってしまっていることが原因でした。

なんか……すごく現代的というか。私が学生の頃も確かに生徒同士で「〇〇先生は△△ちゃんだけ贔屓してる!」みたいな会話があったような気もしますが、今ではすぐ親も乗り込んできてしまうだろうし、あらぬ噂だったとしても火消しは難しいですよね…。今の時代の先生達はどこまで生徒に接していいのか、本当に難しいと思います…。


親身になってくれた恩師のような教師になりたいと志していたはずなのに、親身になったことで壊されてしまった恩師を見てしまったことで楠見先生の中で大切なものが崩れ落ちていったのは…なんか分かる気がする。


先生に告白するも振られてしまうさえちゃん。振られた直後は学校をお休みしたりしましたが、転校してきた凪くんと関わることで少しずつ先生への気持ちを過去のものに出来てきてた……のに!

凪くんといい関係になり始めたらさえちゃんにまた期待持たせるようなこと言うしするし、凪くんにも牽制するしでとんでもないですw

3人でカフェに入った時とかの先生の大人気なさwあと先生ブラックコーヒー飲めないんですね…かわいいw


先生はさえちゃんが教師を続けてもう一度頑張ろうと思わせてくれたと言っていましたが、補習の際に自分の話を聞いてさえちゃんが歴史に興味を持ってくれ、楽しい!とやる気を出してくれたことがそうなのですかね。

個人的に先生がさえちゃんを好きになったエピソードがもう少しあってもいいかなと思いました。まぁでも他人と関わらずにいようとする姿が昔の自分と重なって何とかしてやりたいと思ったとありましたし、さえちゃんのことを気にかけているうちに可愛いなと思う気持ちが出てきたということで納得は出来ます。


卒業するまで付き合うのは待つと言いつつ外で抱き合ったりキスしたりするのはこっちがヒヤヒヤするので勘弁して欲しいんですがw


先生は思っていた以上に面倒くさくて駄目人間だったんですけど、なんだろう…逃げられても突き放されても追いかけたくなるような人でした。

さえちゃんはたくさん先生に振り回されたのだから、これからはやり返しちゃってほしいです笑



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*楡居 凪(CV.吉野裕行さん)


2年に上がった際に転校してきた凪くん。出会いが最悪で、犬猿の仲だったのが一緒に過ごすうちに少しずつ友情に変化していき、そして恋愛感情に発展していく流れがもう大好物すぎました:;(∩´///`∩);:


凪くんは親が転勤族で3年くらいのペースで転校を繰り返している為友人を作るのを諦めている子なんです。心の底から孤独を望んでいるわけではないけれど、一人でいることを選んでいるのはさえちゃんと同じ。でも理由が全く違うんですね。


3巻の傷恋編はこれまでと違い、さえちゃんから誰かに歩み寄ろうとしているのが新鮮でした。さえちゃんが怖くて逃げることも少なかったし。

最初は言い争いばかりだったのに一緒に帰ったり、勉強したりするうちに少しずつ仲が深まっていくのが本当に青春。なんやかんや言いながら勉強教えてくれる凪くんにときめきです。


そしてなんと凪くん、実はマドナイのリスナーだったのです!他の巻でもちょこちょこ出てくる『やなぎ』というHN、これ凪くんか?と思っていましたが本当にそうだったw

マドナイの公録イベントの前にばったり会う二人。その際にカミングアウトされます。この時の凪くんの私服よかったな~~!黒のジャケットに白いインナー(Uネック最高鎖骨最高)のやつ。さえちゃんもベージュジャケットだったよね。二人して舞渡華さんの普段のコーディネートを真似してるのが可愛い。マドナイの話題で意気投合する凪くんとさえちゃん。やっぱり共通の趣味とか好きな物は大事。ここらへんもリアルだなぁと思いました。


仲良くなり一緒に過ごす時間も増えていく二人を見て周りが付き合ってるだのなんだの噂します。まぁ学生の好物ですからね、この手の話題はw

さえちゃんはやっぱり周りの目が気になってしまうのですが、凪くんは噂は噂で周りの目なんか気にしてたら何も出来ないと全然気にしないタイプ。正反対なところもいいなぁと思いました。

凪くんは単に勉強出来るだけでなく『賢い』子だなーと何度も感じた。さえちゃんと楠見先生を見てすぐに「あの二人ワケアリか?」と思ってましたしね。


本当にこれも学生の恋愛あるあるだと思うんですが、仲良くなっていくうちにこれは友情なのか恋なのか…という疑問が生まれ分からなくなるという。これも本当に自然な流れだった。


さえちゃんが風邪を引いて学校を休んだ際に凪くんがお見舞いに来てくれるんですが、凪くんを待っている間に寝ちゃったさえちゃん。目を覚ましたらお母さんと凪くんが楽しそうにお話してました。しかも一緒に晩ご飯食べてる!

凪くん、友達は作らないって言うけど社交性は普通にあるんですよね。差し入れ(フルーツのデザート)持ってきてくれるし…良い子だな…(;_;)


お茶を入れようと立ち上がってふらつくさえちゃんをしっかり支えてくれる凪くん。近い距離にドギマギする二人の空気感!ぬあー、こっちが照れる!!!


凪くんはさえちゃんへの気持ちが恋であると頭では理解しているけれど、なかなか認めることは出来ない。庭園で先生と話すさえちゃんが凄く楽しそうに見えて悔しくなる凪くん。今まで親しい人を作ってこなかった故に今の関係を大事にしたい。付き合う選択肢だってある。けれど付き合ったら今の関係が壊れる気がする。だから踏み込めない。

ああ、これは学生なんてとうの昔に卒業している私でもすごく共感出来ます。凪くんの言う通り、友達と恋人は全くの別物ですからね。今の友達という関係が心地良ければ良いほど線を越えるのは怖いはず。


でもさえちゃんが過去に先生のことを好きで告白したことも知っていて、先生がさえちゃんを特別に想っていることも分かっていて、さらに先生から牽制される凪くんはどこか焦ってしまう。

先生の話を聞いて、素直にならなければ後悔すると思った凪くんは後夜祭で、いい友達でいたいと思っていることは事実。けれどそれ以上を今は望んでしまっているのだとさえちゃんについに伝えます。

さえちゃんの心は凪くんと先生の間で揺れに揺れている。でもずっとこのままではいけない。凪くんはクリスマスまでにはっきりさせようと言います。


クリスマスが近くなり、さえちゃんも凪くんもマドナイのクリスマススペシャルの告白コーナーに自分の想いを投稿。読まれるかどうかは当日のお楽しみです。

凪くんとの帰り道。大学で宇宙工学について学びたいのだと告白されます。凪くん理系なのか!寄り道した本屋さんでどういうきっかけで興味を持ったのかなどキラキラした表情で語る凪くん。いやぁ、若い(遠い目)そんな凪くんを見て自分もやりたいことを見つけようと前向きになれたさえちゃん。

駅で別れる時、クリスマスに答えを出す。先生にもその日決めた答えを伝えることを凪くんに話します。でももうさえちゃんの心は決まっている様子。クリスマスの日の待ち合わせについて話そうとした瞬間、凪くんとの距離が縮まりそして………!!!!!!


「………」

「ご、ごめん……」

「い、今………した?」

「した、かな……」

「……一瞬だったけど、キスした、よね……?」

「したな。お前の返事を聞いてからにしたかったけど仕方ねぇだろ?今したかったから……」


突然のちゅーが待っていましたああああ!!!!!(゚∀゚)イヤアアアア!!!

片恋いのキャラは皆本能で突発的にキスしますね!?!?桐阪先輩だけだよ完全に付き合うまでキスしなかったの!!!先輩を見習いなさいよ!!!!w

まぁでもその後「そ、それじゃ、またな!」と照れながら帰っていく姿が可愛かったので凪くんは許しますw


クリスマスイブ、二人の目の前で答えを告げることが出来なかったさえちゃんはマドナイに投稿した想いが答えだから聴いて欲しいと二人に伝えます。


『【……いつ好きになったのかと聞かれると正直分かりません、気がついたら好きになっていました】』

『【私が好きなその人の名前は、やなぎさんです。出会った時は腹が立ちましたけれど、今は大好きです】』


ラジオを、さえちゃんの想いを聞いた凪くんは電話を掛けてきます。ただ第一声が「ラジオネームで告白すんな!変な汗でたぞ!?」で笑いましたw確かに本名はアウトだけど、リスナー同士がくっついた!出会いはマドナイ!と色々言われてしまっているw


そしてラジオ内で凪くんからの返事が。


『【ギンカさん、答えてくれてありがとう。告白してからずっと緊張していたし、今日を迎える前に実は逃げようとも思っていた】』

『【告白したことを後悔もしたし、なかなか普通に接することが出来ず、苛ついたこともあった、悪かった】』

『【例え卒業後の進路が違っても、ずっと傍にいる】』


わあああ!!!。゚(ノдヽ)゚。凪くん!!!

二人のこの告白で最悪の出会いから少しずつ仲良くなっていった日々が私の頭の中を駆け巡りました。友情と恋愛の境目で惑う二人が一歩踏み越えられた瞬間!いやぁ、素敵です。


後日、三者面談の際に宇宙工学を勉強したいと伝えたところお父さんから大笑いされてしまった凪くん。ムカッときた末に勢いで「高校卒業したら家を出てさえちゃんと一緒に暮らす」と言ってしまったとのこと。昨日告白したばかりなのにw

「昨日と今日はちょっと舞い上がっていただけで至って正常だ!」ってなんだよもおおお!二日間舞い上がってたの凪くんかわいい……。


そんな凪くんに嬉しい、と頬にキスするさえちゃん。

「進路の事とかまだこれからだけどね。楡井君といると頑張ろうって気持ちになれるの」

「私達は友達だけど、これからは恋人……になるんだよね。だからこれは始まりの挨拶」

「……街中でよくこういうこと、平気で出来るな」

「嬉しくないの?」

「う、嬉しいけどさ!……あ、こっちの頬も頼むよ」

「じゃあランチ奢ってくれたらしてあげる」

「ふんっ、してくれなくても奢ってやるよ。今日からお前の彼氏だからな。……大好きだよ」



なんというか、二人とも気負わず等身大でいられるカップルだなぁと思いました。積極的なさえちゃんにおばちゃんは感動を覚えた(;_;)

同じ好きな物があったり、相手のことを少しずつ知っていき、友情から恋愛へと発展していく過程がとても楽しかったです。

素直じゃないところも、周りに流されずに自分の本心がどこにあるのかきちんと考えようとするところも、考え方は大人びたところもあるのに先生に牽制されるとムキになって張り合っちゃう子供らしいところも、照れたお顔も好きです。


この先もたくさんケンカするだろうけれど、その度に仲直りして、また二人で共に一歩ずつ進んでいく。そんな未来が見えますね!




✩。* *。✩


片恋い、予想以上に楽しくプレイ出来ました◎

1巻は亜樹那はあんな感じだし和兎も終盤身を引く感じだったので取り合い感は控えめだった分、2巻は鈴太朗も桐阪先輩もさえちゃん好き好きで押してくるのでこれぞ三角関係!で一つの巻を通してのストーリーとしては一番面白かったかなぁ。3巻も終盤はかなりバチバチしてましたね!先生が大人げなかったw

どの巻もどちらを最終的に選んでも罪悪感があったのですが、2巻は本当に罪悪感が凄かったです…特に鈴太朗を選んで桐阪先輩を振るのは……しんどすぎました……_| ̄|○


プレイ前の本命予想は先生かなと思っていましたが、凪くんになりました!(*⃙⃘´꒳`*⃙⃘)

先生ファンの方には怒られそうですが、先生は凪くんを選んださえちゃんのことを優しい、でもどこか悲しい目で見つめていて欲しい。発掘へ行っている間や、さえちゃんが卒業してからもふとした時にさえちゃんを思い出して切なく笑っていて欲しい……。なんというか、そういうのが似合っちゃうんですよね先生……。

あっ、もちろん先生も好きですよ!!!(必死)



あ、あと一つ。本作で個人的に凄くグッときた言葉がありました。2巻の学園祭で舞渡華さんが学園へ来てくれマドナイ出張版のイベントをやった際にさえちゃんが送ったお悩み、『どうすれば心を強くすることが出来るのでしょうか?』に対する舞渡華さんの答えです。


「正直な話ね、心を強くするなんて無理だと思っているの」

「でも、弱い心を守ってあげることなら出来る」

「何度傷ついたとしても、後悔しても、立ち上がって前を向く勇気を忘れないこと--それが弱い心を守ってあげるということなの」


とても素敵な考え方…!強くなろうとするばかりでは歪みが生まれて心が壊れてしまうかもしれませんしね。考え方を少し変えるだけで心がラクになりますね。私も学生時代に舞渡華さんに出会いたかったなぁ(;_;)




純粋な恋愛にときめき、癒され、切なくなり。プレイ後は久々に恋愛っていいなぁと思いました。学生に戻りたい!笑


二つの恋を経て成長していくヒロインの姿。

汚れた心が浄化されていき、ふわっと白い真綿に包まれるような優しい気持ちになれる作品でした。



吉原彼岸花〜久遠の契り〜フルコンプ 総評



ずっとずっとプレイしたかった吉原彼岸花

PC版とSwitch版でどちらを買うか悩んだのですが、辰吉のルートがあるということでSwitch版を。でもPC版も絶対プレイしたい!と思わせられる、かなりの良作でありました!!!


個人的に最近遊郭史に興味があり、用語集や資料集を読み始めているけれど、本作はかなり史実に近い設定でシナリオが練られているなと感じました。


遊郭、花魁設定の乙女作品はぼちぼちあるものの、遊女だけど処女だといった「そんな馬鹿な…」という設定のものも見受けられる中、煌びやかなだけの世界ではない、吉原から逃げられない遊女が上手く描かれており、すごく好感が持てます。



吉原彼岸花 久遠の契り - Switch

吉原彼岸花 久遠の契り - Switch

  • 作者:
  • 出版社/メーカー: プロトタイプ
  • 発売日: 2018/12/20
  • メディア: Video Game


【総合】

★★★★★

【シナリオ】

★★★★★

【キャラクター】

★★★★

【糖度】

★★★★★

【スチル、立ち絵、背景】

★★★★

【音楽】

★★★★★

【システム】

★★★★★



文句なしの神ゲーですね!(´;ω;`)

シナリオはよく練られており、ベストエンドもバッドエンドもどれも作り込まれているなぁと感じました。

用語がたくさん出てきましたがボタン一つで解説が見られますし、次の文で説明があったりしたので勉強になりました。次に同じ単語が出てきた時に意味を理解して読めたくらいには、すんなり頭に入る文章だったかなと。


ライターである葉月エリカさんのシナリオは初めて触れたのですが、比喩表現やメタファーが凄く好みで妖艶さと美しさがあり、葉月さんが書かれているTL小説も読みたいなと思います。



キャラクターも皆個性があり楽しかったです。ベストとバッドの落差というかギャップも良かった。バッドは狂う人が多かったですし。

でも地雷な人はめちゃくちゃ地雷だろうなと笑


シリアスで重めな作品ではありましたが、糖度は高かったです!PC版はまだプレイしていないので比較は出来ないけれど、かなりギリギリのところまで収録してくださっているように思います。

CERO D作品の中でもトップクラスでえろい気がする。


スチルは各キャラ16〜20枚ほど。どのグラフィックも綺麗でたくさんスクショしました!

キャラのエンドを見ると線画(?)のスチルなどが追加されたり、本編で見られるスチル以外も多くありとても満足です(*´ω`*)

個人的にいいなぁと思ったのはセリフの途中でキャラの立ち絵の表情が変わるところですね!よりキャラの心情が伝わりやすかったと思います。


音楽もとても素敵でした!印象に残るものが多く、『花魁』『朔夜』『楽しい思い出』『悲しみ』『恋愛意識』『情熱』『幸せの瞬間』『自鳴琴』『道連れ』が特に好きでした。

サントラ買おうと思ったのは蝶毒以来です!


システムはプロトタイプさんなので快適以外の何物でもないですね!スワイプ一つで選択肢を前後にスキップ出来ますし、既読スキップの速度も速いし、ボイス保存出来るし。

もうこの世のゲームのシステムは全てプロトタイプさんにお願いしたいと思うくらいの快適さです!いつもありがとうございます!



どのキャラも楽しめましたし好きになったのですが、本命は辰吉、僅差で彰人さんかなぁ。

プレイ前は朔夜が気になってましたがもちろん朔夜も予想以上に可愛くてたまらなかったです(*⃙⃘´꒳`*⃙⃘)


好きなベストエンドは彰人さんの『子守唄』、バッドエンドは惣さんの『遠い日の約束』。

大号泣したのは辰吉の『くちづけ』。

真相ベストの『彼岸花』はもう嗚咽が漏れる程泣きました。


個人的に近年稀に見る名作だったと思います。本編終わった後は余韻が凄すぎて感情が追いつきませんでした。

全て終わった後にOPを見ると泣けます。歌詞の意味も映像の意味も分かるので。



蝶毒が好きな人はハマると聞いたのですごく楽しみで期待値が高かったけれど、その期待を遥かに超えましたね。

えげつない展開やバッドエンドが多かったのも舞台が吉原遊郭だということを思い知らされたというか。

まさに『遊女の恋は命懸け』でした。



PC版もプレイしたいと思います。

最高の作品に出会い、心が震えました。ありがとう吉原彼岸花


吉原彼岸花〜久遠の契り〜 真相ルート 感想


さぁ、ついに真相まで辿り着きました。この作品の真相ってなんなん?分ける程なんだろうかと思っていた私がアホでした。嗚咽漏れる程泣いた。



※ここから先はネタバレ注意です!!!!!















◎真相ルート


真相ルートという名の時雨さんルートでしたね。


時雨さんの左目が失われたのは先代から凛ちゃんを守ろうとした際に振り上げた煙管を目に受けたことが原因だというのは前に判明していましたか、そのシーンが掘り下げられます。


先代と時雨さんはどうやら仲が悪いご様子。

時雨さんがいない間に内証で凛ちゃんにセクハラをする先代……うあああキモい!!!先代キモい!!!『腐った卵のような口臭』ってもう最悪すぎる…。

時雨さんが助けてくれなかったらと思うと……。



共通ルートであった、夜になると聞こえる呻き声。その声が聞こえるのは内証から。襖を開けても声の主はおろか、時雨さんの姿もありません。それでも聞こえる声。なんと内証には隠し扉があり地下へと続く階段が。恐る恐る降りて行く凛ちゃん。


そこで見たものは、いなくなっていた糸里…と折檻をおこなっている時雨の姿でした。


笑いながら糸里に鞭を打つ時雨さん。やばいやばい。糸里も泡吹いてるしこのままじゃ……。返事をしなくなった糸里の首を絞めようとする時雨さんだけれど、それまでの様子とは一転「くるな…!くるな…!」と目を押さえながら怯えた様子で取り乱している。

恐怖を覚えた凛ちゃんはその場から逃げ出してしまいます。


そんな姿を見てしまったのだから、まともに時雨さんのことを見ることが出来ない凛ちゃん。

糸里は姿が見えないことから足抜けだろうと追われるのですが、地下での出来事を目の当たりにしてしまった凛ちゃんは時雨さんが糸里を死なせてしまったのでは……と嫌な考えが頭をよぎるも、十年間自分を守ってきてくれた時雨さんを信じないでどうすると、その考えを封じ込めます。


そして惣さん登場。三度目の登楼で身請けを申し込まれますが断る凛ちゃんに、時雨が楼主になってから遊女の失踪が相次いでる、時雨が何かやっている、そんな場所に凛をおいておけないと言う惣さん。しかし凛ちゃんは時雨さんを咄嗟に庇う。あんな場面を見ているのに…。



ある日内証へ呼ばれた凛ちゃん。時雨さんにお茶の中に薬を盛られ、地下の折檻部屋へ入れられてしまいます。


「そう怖がらなくても、痛いことも怖いこともしないよ」

「お前は、糸里や他の遊女とは違う。私にとってただ一人の、特別な存在だからね」

「私がいないと生きてはいけない。そういう体に作り変えるだけのことだよ--」


折檻で鞭で叩かれたりとかも嫌だけど、こんなことされるのも死んでも嫌だ……時雨さん病みすぎてる……怖い……。というか地下で糸里に折檻してるの見てたこと普通にバレてるし!こわっ!!


恋人や夫婦としてではなくても時雨の支えになりたいと思っていたのに、淫らな真似をされたことがショックで涙を流す凛ちゃん。そりゃそうだ、裏切りだよこんなの。

その涙を拒絶だと受け取った時雨さんはお前がその気なら考えがある、と


「凛--お前は、柚のことをよく可愛がっているね」

「私もまだ、子供に笞打ったことはないんだよ」


柚ちゃんを人質にとります。最低最悪外道です。絶許。Switch本体をぶん投げるかと思うくらい怒りが沸きました。凛ちゃんが観念し、自分の手に堕ちてくるのをいつまでも待つ時雨さんはイカれてます。何回でも言うけど怖い。


すると時雨さんが突如うなされて「どこにも行くな……」と凛ちゃんに縋り付きます。

この直後に現れた選択肢が『……放っておけない』or『自業自得』だったのですが、後者を選びたくて仕方なかったですwまぁストーリー的に前者なのは明らかなので断腸の思いで放っておけないにしましたけどw


あ、時雨さんのことを気にかけて「何かあったら知らせてこいよ」と凛ちゃんに伝える彰人さんが素敵でした。友情に厚いんですね!好きです!(*´ω`*)



そしてびっくりしたことと言えば、お菊さんが内証の地下室のことを知っていたこと。お菊さんはずっと抱えてきた時雨さんの秘密を凛ちゃんに話してくれます。


まず先代の死は、酒を飲み過ごし酔っ払ってお歯黒どぶに落ちたとされていたのですがやっぱり時雨さんが手にかけたのですね。そこは予想通りだった。


時雨さんの母は京の公家筋の姫だったのだが実家が没落。身売り寸前だったところを、遊女を見る目だけはある先代が拾います。

二人は祝言をあげるものの、二人の関係は冷えきっていた。さらに姫は子を産むが、誰の子かは不明。

自分の子ではないと分かった先代は時雨さんを虐待します。母も息子を庇おうとせず、さらには乳をあげるのも渋っていたといいます。そしてふらっと出ていきそれっきり現れることはありませんでした。


先代である父親を殺したのは凛ちゃんを守るためだったのでしょう。左目を失ったあの日、凛ちゃんを傷つけようとした先代をどうしても許せなかった。

折檻をしている際にいたぶって満足そうなのは途中まででそれから急に悲鳴をあげ苦しみだすのは、先代と同じことをしている自分が一気におぞましくなるからなのではとお菊さんは言います。



母親からも父親からも愛情を受けてこなかったのが時雨さんが狂ってしまっている要因だったんですね。なんか……なんとも言えない。可哀想だと感じてしまうのは自分が愛情を受けて育ってここまできたからなのだろうと思うと。



後日、柚ちゃんの姿が見えないことに不安を覚えた凛ちゃん。柚なら内証に向かったという辰吉。慌てて内証へ行くと柚ちゃんは無事でした。よかった。

すると柚ちゃんが時雨さんの日記帳を見つけたと、その中に挟まっていた押し花を見せてきます。その花は彼岸花



凛ちゃんが幼い頃、故郷の駿河の湖で出会ったのは右のこめかみに何かで抉られたような傷があり、顔の半分が血で濡れていた男性。驚いた凛ちゃんは慌てて近寄り、手当をしようと手ぬぐいで血を拭きます。痛そうな傷に思わず泣いてしまう凛ちゃん。


お見舞いに、と湖の畔に咲く花を一輪その男性に渡します。けれど彼岸花はお見舞いのお花としては縁起が宜しくない。死人花、地獄花、幽霊花という異名があるから。と言う。

そんな花は渡せない!捨てちゃって!と慌てて取り返そうとする凛ちゃんでしたが、


この花には葉がない。葉が生えるのは、この赤い花が散ってから。

『葉見ず、花見ず』

葉は会えない花を想っているし、花も会えない葉を想っている。いつでもお互いに焦がれて求め合っている。

だから『想思花』という名前もある。


自分はこの花が好きだと、そう言って微笑む男性。


隠れんぼの途中だったのでそろそろ行こうとする凛ちゃん。初対面だと言うのに、どうにも別れがたい気分になっていました。


「また会える?」


自分の名は凛で清州屋という呉服屋が自分の家だと伝えます。


「近くを通ったら、また会いに来てくれる?怪我が治ってるかも気になるし……」

「だったら、そのうち着物を買いに行くよ」


男性が着る着物を選んであげるという凛ちゃんでしたが、彼は「君が大人になったら着たいと思うような着物を選んでおくれ」と言う。

よく意味が分からなかったけれど、また会えるのだと思うと純粋に嬉しくなった。


「待ってるからね。ほんとに来てね」

「ああ。約束だ」


「忘れてた!お兄さんの名前はなんていうの?」


「---時雨」



そう、この青年は時雨さんだったのです。彼岸花の咲き乱れる、夏の終わりの出会い。

時雨さんにとって凛ちゃんは初めて自分のことを心配してくれて、怪我の手当をしてくれて、自分の為に泣いてくれ、贈り物をしてくれた人だったのですね。初めて嫌悪でも憎悪でもない、優しさを向けてくれた人だった。

時雨さんが凛ちゃんだけは特別だというのはこの出会いがあったから?胸が締め付けられました。

凛ちゃんの両親を自殺に追い込んだ原因は時雨さんにあることも、これまでで分かっているのに。この出会いを見てしまうと、憎いという気持ちが薄れてしまいます…。



時雨さんは段々と右目も見えなくなっていく。怪我をした時雨さんを看病する凛ちゃん。

右腕にヒビが入っている為激しい動きは出来ないというのに抱こうとしてきます。時雨さんの境遇を知り、押し花を見てしまったからか、最中に思わず時雨さんの左目を舐める凛ちゃん。それに対し「お前は私に抱かれるだけの人形だ」と突き放します。


数日後も呼ばれたわけではないのに内証へ行く。すると自分が初めての揚げ代で贈った眼鏡を大切そうに眺める時雨さんの姿。もうほとんど右目は見えていないという。そこでも抱かれる凛ちゃんでしたが、どんどん時雨さんへの気持ちが膨らんでいく。男女は別個の肉体しか持ちえず、ひとつになどなれはしない。


(どうせ、離れてしまうのなら)

(私は--時雨様を産みたい)

(時雨様をこの世に産み落として、幸せな子供時代をやり直させてあげたい……)



時雨さんの境遇を知って同情の気持ちもあると思うけれど、酷いことをされても時雨さんのことを想える凛ちゃんは聖母ですね…。このモノローグは号泣しました。これからの時雨さんを幸せにしたい、よりも愛情を与えられなかった子供時代をやり直させてあげたいって…(´;ω;`)



すると突然役人達が桜華屋に押しかけてくる。遊女殺し、父親殺し、そして火付けの嫌疑がかかっているとのこと。遊女と父親殺しは分かるが火付けとは?と混乱する凛ちゃんでしたが。落ち着いている時雨さんを内証の地下室へ連れて行く。身を潜める二人。

役人は去ったものの、現れたのは惣さん。

役人に時雨さんのことを密告したのは惣さんでした。


そして、清州屋に火をつけたのが時雨さんだと暴く惣さん。

「清州屋を借金まみれにさせ、そうすれば両親が凛を吉原に売ると思い込んだ。あの優しい二人が、そんなことをするわけもないのに」


「ああ……あれは私の誤算だったよ」

「まさか、親というものが、そこまで我が子を大切にするのだとは知らなくてね」


悲しい。このセリフが本当に悲しい。

自分の両親であれば我が子を身売りに出すことなど躊躇わないだろうから、凛ちゃんの両親も当然そうなのだろうと思っていたのに、我が子を守ろうとしたのは時雨さんにとって考えてもみなかったことだったのですね。そんな考えが浮かばなかったくらい、愛情が与えられないことが当然のことだった…。


お職になれる子を探していた。桜華屋の将来の為に凛ちゃんを吉原へ連れてきた。時雨さんのその言葉を信じ、両親を死へ追いやったのを許せないと言う凛ちゃん。手にしている銃の引き金を引こうとする惣さんに対し、


「私は役人に裁かれる気も、誰かに殺されるつもりもないよ」

「--引き際は、自分で決める」

「--さよならだ、凛」


行灯油を撒き、そこに火をつける時雨さん。

火はあっという間に回り、どんどんと燃えていく。時雨さんを連れて行こうとする凛ちゃんですが、それは許さないと惣さんは凛ちゃんを気絶させ店の外まで連れ出します。



*バッドエンド「見ている」

時雨さんはあのまま炎に焼け尽くされ死んでしまう。惣さんの妻になった凛ちゃん。

ある日彰人さんが訪れ、時雨から凛宛に預かっていたものがあると渡してくれる。

それは小判の山。しかもここにあるのは一部で、全部合わせると三千両という大金。

そして彰人さんは時雨さんの話を聞かせてくれる。


生きることなんかどうでもいいと無気力だった時雨がある時から急に家業に向き合うようになった。その後に凛ちゃんが来たと。

「あの頃からだな。時雨がよく笑うようになったのは」

「嘘臭くないあいつの笑顔を見たのは……お前といるときだけだった」

「嫁にでもする気で育ててんのか、ってからかったこともあるんだぜ」

「そうしたら『それは釣り合わないものだよ』って、あいつは真面目に言ったんだ」


釣り合わない、というのは立場や歳のこと……ではなく、本当は凛ちゃんに負い目があったのではないでしょうか。自分では幸せに出来ない。その資格がない、と。

時雨の真意は自分で考えなと言い去っていく彰人さん。


彰人さんの話を聞き、凛ちゃんが出て行くのではと不安になる惣さん。力なく「出て行かないわ…」と答える凛ちゃんに、死人に心を持っていかれるなんてと嫉妬心を見せる。

これまで大切に扱い、一度もしなかった惣さん、凛ちゃんを抱こうとします。

しかしそんな惣さんの心も知らず、「酷くして。時雨様には酷く抱かれていたから」と言う凛ちゃん。


大切に大切に想ってきた凛ちゃんの心は両親の敵で今はもういない時雨に囚われていることを目の当たりにした惣さんは傷つき、そして冷たい目を向ける。

惣さんに抱かれている時、時雨さんの視線を感じ幻聴が聞こえ、そして亡霊が見える。一番近くに時雨さんを感じるのでした。


もうこれも惣さんが可哀想だよー!!!。゚(ノдヽ)゚。



*ベストエンド「彼岸花

燃え盛る桜華屋。惣さんによって外へ連れ出された凛ちゃんでしたが、どうしても時雨さんを置いていくことが出来ず、水を被り時雨さんの元へ戻ります。

もう全焼し崩れ落ちるのも時間の問題な桜華屋。内証には何かをを握り締めて部屋の隅で蹲る時雨さんの姿が。

地下にいたはずの時雨さん。自ら店に火をつけ一人きりの死を覚悟して。それでもどうしても最後に手にしていたかったもの。それは、凛ちゃんが時雨さんへ贈った眼鏡でした。


凛ちゃんを突き放したはずなのに。両親を奪った人なのに。

散々間違ったことをして、それでも最後の最後には、凛を守ろうとしてしまう人。

どんな女をも魅了する優美な美貌。

しなやかさとたくましさを兼ね備えた立派な長躯。

欲しくても手に入らない人がたくさんいるものを時雨さんは持っているんです。


だけど凛ちゃんは知っている。

時雨さんの内側には決して埋まらない空洞があり、どうしようもなく壊れた綻びがあることを。

その全てを知り尽くした上で、それでも。時雨さんのことを抱きしめられるのは自分だけだと。


時雨さんの目はもう見えていません。

凛ちゃんが名前を呼んでも幻聴が聞こえると言います。抱き起こし、幻聴ではなく本物の凛だと伝える。逃げろと言われても嫌だと。

「お前を巻き込もうなんて思っていない」

「どうかご一緒させてください」


「時雨様……あなたのしたことは、きっと誰からも許されません」

「だけどそれなら、私も同じように許されないんです」

「間接的にでも、自分の家族を殺めたあなたを……どうしても憎みきれない」

「両親にとっては、私も卑劣な裏切り者です。--あなたと同じ、罪人です」

「だから、一緒に連れて行って」

「時雨様を一人で逝かせたりしません」


桜華屋はどんどん崩壊していく。二人がいる内証ももう。


彼岸花………」

「え?」

「昔、お前が私に彼岸花をくれたことがあったね」

「………はい」

「--あれは、綺麗だった」

「お前に出会って初めて……この世にも綺麗なものがあることを知ったよ」

「無表情で血を流す私を気味悪がらなかったのも、傷が痛むだろうと泣いてくれたのも、お前が初めてだった」

「小さなお前の手は、温かかった……本当に温かかったんだ」


「あのときから、ずっとお前が欲しかった」

「何も、お前の恋人や夫になりたかったわけじゃない」

「ただ、見ていたかったんだ」

「お前はいつでも真っ直ぐで……」

「何があっても穢れないお前の魂を目にしていれば、自分も生きていける気がした」

「お前が私を優しいと言ってくれれば、優しくなれた」

「尊敬すると言ってくれたから、そうあろうと努力した」

「凛が私を『人』にしてくれたんだよ」


口付けする凛ちゃん。二人は何度も繰り返す。

目はもう見えない。


「もう一度だけでも、お前の顔を見たかったよ。だけど、因果応報だろうね」


時雨さんと共に残ることを決めた凛ちゃん。

炎が揺れる。その光景は、まるで一面に咲いた彼岸花


「時雨様、ほら……そこらじゅうに彼岸花が咲いているみたいです」

「わかりますか?見えますか?」

「ああ、わかる……見えるよ」


時雨さんはきっと、過去のあの日の光景を見ている。


「私たち、あの日に帰るんです」

「あそこからもう一度出会い直して、今度は……」

「そうだね。今度はきっと、お前と--」


二人は炎の中、初めて出会った彼岸花が咲くあの夏の終わりに帰っていくのでした。



✩。* *。✩


朔夜ルートをやって、私の中の時雨さんの信用度はマイナスで。惣さんルートでも酷くて怖くて。

正直好きになれずに終わるかと思っていました。真相ルートの途中までそう思ってた。


なのにどうしてこんな気持ちになっているのか。


時雨さんはやっていることは最低、どころか畜生なんです。なんの罪もない遊女に死に至らしめるまで暴力を振るい、凛ちゃんを手に入れる為に直接ではないとはいえ両親を死へ追い詰めた。他にやり方があったろうと正直思います。


でも、そう思えるのって裕福とは言えなくても両親がいて、愛情を受けて不自由なく生きてこれたからなのかなと思うんです。

時雨さんには心を満たす愛情が誰からも与えられなかった。

擁護なんてもちろん出来ません。だけど責めることも出来なくて。同情からかもしれないけれど。


悲しくて、寂しくて、苦しくて。なんだかフィクションだとは思えなかったんです、時雨さんの境遇が。

弱っている時に優しくされると惹かれるように、心が空っぽで何も感じなかった時雨さんに初めて人の温かさを教えた凛ちゃんを手に入れたいと思うのは道理にかなっていると思う。


どうかまた、あの日から二人がやり直せますように。



時雨さん。

好きかと言わると、好きではない。でも嫌いかと言われると嫌いになんてなれない人でした。

この先彼岸花を見る度に、きっと思い出してしまうくらいには。



吉原彼岸花〜久遠の契り〜 伊勢屋惣一郎 感想


さて、ついにきました。序盤で助けてくれた伊勢屋さん、一体どんな人なのか。

お顔がとっっっっても好みなのでスチルが楽しみでした笑


※ここからはネタバレ注意です!!!!!













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*伊勢屋 惣一郎(CV.中澤まさともさん)


何度でも言いますが惣さんのお顔がめちゃくちゃ好みで!!泣きぼくろもいい!素敵!

辰吉ルートでは思わず煙たがってしまったりしまわなかったりした私ですが、惣さんもすごく可哀想な人なんです…。惣さんルートやると他のキャラと幸せになるのがちょっと申し訳なくなるくらいには…_| ̄|○



幼い頃に両親を亡くした惣さんは凛ちゃんの家、清州屋に引き取られました。本当の両親のように優しく温かい夫婦に自分の後を付いて回る可愛い女の子。二人で遊ぶ日々もお互い楽しそう。

しかしある日惣さんは染物屋へ奉公することになり、清州屋から離れることに。寂しいと泣く凛ちゃんに口付けを落とし、「いつか必ず迎えにきて、君をお嫁さんにするから」と約束します。


そう、凛ちゃんの初恋相手の幼馴染は惣さんです!アツい展開キタ━(゚∀゚)━!

1回目の登楼では九郎助稲荷で助けてくれた人だということしか分からなかったのですが、2回目の登楼で彼があの惣一郎だということが分かりました。あの日の約束通り、凛ちゃんを迎えに来てくれたのです。


惣さんと再会し、嬉しい反面彼と深い仲になることが怖いと思ってしまう凛ちゃん。

桜華屋に来たばかりの頃、両親と惣さんに手紙を書いた。しかし姐さんと客の閨での行為を見た凛ちゃんは遊女の仕事がどういうものかを目の当たりにし、理解してしまう。


(あんな気持ち悪いことをする私を、惣さんはきっと嫌いになる……--)


惣さんには言えないと書いた手紙を破り捨ててしまいます。

自分の境遇がどうしようもなく惨めで恥ずかしいものに感じられ、惣さんとはもう二度と顔を合わせられないと思ってしまったのです。

好きだった惣さんに蔑まれ、汚いと思われることだけは耐えられないから。

それなら自分のことは死んだものだと思ってくれる方がいい。


凛ちゃんは『迎えに行く』と言ってくれたあの日の想い出と惣さんの気持ちだけは、心の奥の綺麗な場所で守っていくと誓うのでした。


凛ちゃんにとっても、惣さんにとってもあの約束は清いものなんですね…(;_;)



そんな葛藤の間に3回目の登楼を迎えてしまう。けれど惣さんは凛ちゃんを抱くことはせず、凛ちゃんが眠りにつくまでそばにいてくれたり、それ以降もお話をするだけで決して手は出さない惣さん。

惣さんの凛ちゃんへの気持ちを知っているとここら辺は本当に惣さんよく頑張ったと💮💯をあげたい。時雨さんルートだと普通に3回目で抱いちゃってるのにw



けれどある日、凛との約束を果たす為にここに来たのだと告げられます。それは嬉しい。

しかし日の当たる場所をずっと歩いてきた惣さんとは違い、数えきれないほどの男に抱かれ、汚いことも恥ずかしいことも嫌という程知ってしまった凛ちゃん。


「君が好きだ。ずっと好きだった」

「もうなんの苦労もしなくていい。--俺と一緒にここを出よう」


という惣さんの真っ直ぐな求愛に喜びよりも違和感を感じてしまいます。


「惣さんはなんにもわかっていない。私はもう、惣さんの知ってる私じゃない……!」

「惣さんは、吉原に来ていい人じゃない。こんな場所で働く女と関わるような人じゃないの」

「お願い、帰って…ここにはもう来ては駄目」

「惣さんだって、わかってるでしょう?夜になるたび、私がこの部屋で何をしているのか……」

「私は………汚いの」

「惣さんにふさわしい女なんかじゃ……っ!」



凛ちゃんがどんなに花魁として誇りを持っていたとしても、それでも囚われてしまっている境遇を好いている人には見られたくない…それは当然ですよね。好きでない人と、しかも一人二人ではなく何人もとそういうことをしていることを知られてしまうって、自分に置き換えるとかなり辛い。真っ直ぐに目も見れなくなっちゃいますよね…。



しかしそう言う凛ちゃんに口付けをする惣さん。



「--………綺麗だよ」

「俺の目に映る凛は、いつだって綺麗だ」

「だから自分を卑下しないで」



惣さん。゜(´∩ω∩`)゜。

たとえそういう行為を行っていたとしても、凛ちゃんの心根はあの頃と同じく真っ直ぐで綺麗なままだと惣さんは分かっているのですね。本質は変わっていないと。


二人は晴れて両想いに。

毎日毎日惣さんのことばかり気にかける凛ちゃんは恋する乙女効果(?)で綺麗に。喜蝶さんもからかう、けれど時雨さんにバレたら大変だから気をつけなよと忠告してくれます。

本当にこの作品は喜蝶さんの明るさと味方でいてくれる優しさに助けられますね!喜蝶さん、大好きです(;_;)


しかしある日内証へ呼び出され、時雨さんから惣さんの出入りをしばらく控えさせて貰うと告げられてしまいます。

最近の凛ちゃんは惣さんが登楼する際は廻し(一晩で複数人の相手をすること)をせず、惣さんばかり相手していることで馴染みの客は店を変えると言っている人もいるとのこと。

客は惣さんだけではなく、古くから桜華屋を支えてくれている客もいる中で確かにそれは良くないのもまぁ分かる。でも素直にそうですねと言えないのは時雨さんを私が疑いまくっているからなのだろうかw


言い返しては不利になってしまうと悟った凛ちゃんは受け入れることに。しかし会えないだけではなく、文を送ることも禁じられてしまい、連絡手段もない。


惣さんに会えないことで元気を失くしていく凛ちゃん。心配する柚ちゃんですが、『柚ちゃんは伊勢屋様が怖い。千早花魁といる時は優しく見える。でもときどき、ふっと何もない顔をする。』と言います。

柚ちゃん、私も全く同じこと思ってたよ……やっぱり柚ちゃんは私が身請けするしかry

柚ちゃんは人の本質を見る目を持っていますねぇ。



喜蝶さんの計らいで惣さんが商談をしているという場所へ行くことが出来た凛ちゃん。一目でも姿を見られればと中を覗くのですが、聞こえた惣さんの声は自分の前での彼のものとは全然違う冷たい声。物騒な会話。凛ちゃんはその場を後にします。


惣さんの登楼が禁じられ一ヶ月。辰吉から手紙を渡され、指定された出会い茶屋へ。

(おそらく共通バッドだと思うのですが、そのエンドだとそこにいたのは惣さんではなく時雨さんになります。恐怖。そのエンドの感想は後程。)



久々に会った惣さん。凛ちゃんはこの間自分が見た事を話す。渋った惣さんですが、自身のことを話し始めます。


惣さんの仕事である廻船問屋。これは実は表向きであり、裏では抜け荷(密貿易)をやっているのでした。幕府禁制の品を異国から輸入し、密かに売り捌き莫大な利益を得ている。犯罪なのです。


「親も金も人脈も、なにも持っていない俺がのし上がってくるには、こうするしかなかった」


昔の惣さんは曲がったことが大嫌いだった。その彼が犯罪に手を染める理由、全ては大金を得て凛ちゃんを迎えに行くため。

しかしどんな理由があれど、やっていることは大きな犯罪。役人にばれてしまえば死刑は免れません。二度と惣さんと会えなくなってしまうと止めるように説得する凛ちゃん。

けれど、


「抜け荷の他にも、凛には聞かせられないようなことを、手当り次第にやってきたんだ」

「だけど、もし時間が巻き戻っても、俺はきっと同じことをするよ」

「馬鹿正直に生きて、凛のことを想い出にするしかない人生より」

「どれだけ泥にまみれても、こうして凛を抱きしめられる道を選ぶ」


「……君が好きだ」

「自分のやってきたことに反吐が出そうになっても、凛のことを思えば耐えられた」

「いつか報いがあるんだとしても、許される限り凛のそばにいたい」

「俺が欲しいのも、守りたいのも--本当に凛だけなんだ」



惣さんにとっても幼い頃の約束は綺麗なもので、でも凛ちゃんはしまっておこうとしたけれど惣さんには絶対に守って実現すると誓った生きる糧だったのかな。惣さんの執念が凄い…。゚(ノдヽ)゚。


自分のことを深く想ってくれているが故の行動であったと知った凛ちゃん。「こんな俺は嫌いになった?」と聞かれたけれど、どんな惣さんも受け止めると告げるのでした。


その後辰吉が惣さんの部下で、凛ちゃんの様子を報告する為桜華屋へ潜り込んでいることが告げられます。凛ちゃんが商談中の惣さんの会話を聞いたあの日から、もやもやと悩んでいた姿もずっと見てきた辰吉。

「最近のあなたは、ずっとつらそうな様子だったので………今の方が、千早花魁らしいです」


うああああん辰吉いいいい(´;ω;`)(´;ω;`)

今まで見守ってくれてたんだね、ありがとう。優しい……優しいよ辰吉……すき……(´;ω;`)



ここからがドキドキな展開。

時雨さんに凛ちゃんを身請けしたいと伝えるも凛を手放す気はないと断られた惣さん。自分に聞きもせず勝手に結論を告げたことを詰め寄りに内証へ行ったものの、時雨さんは惣さんが犯罪に手を染めていることを知っていたのでした。そんな人の元に凛を渡すわけにはいかないと。凛の為を思ってのことだといいます。

けれどその夜時雨さんとお菊さんの会話を聞いてしまった凛ちゃん。時雨さんは自分のことはお金儲けの道具だと思っているとショックを受ける。


翌日、桜華屋に役人が訪ねてきて惣さんのことを聞かれる。抜け荷の件が漏れてしまったのです。凛ちゃんは何も知らないと、惣さんを庇う。しかし惣さんは行方をくらませて連絡も取れない状況。


そこで辰吉から惣さんに何かあったと思われる際に落ち合う予定の場所がある。自分が手引きするからそこへ行こうと伝えられます。

けれど惣さんの元へ行くことは吉原の外へ出るということ。罪を犯すことになる。でも凛ちゃんは惣さんと一緒になる道を選ぶのです。


朔夜ルートでも辰吉ルートでも『逃げる』展開は心臓が縮こまりますね…。平和に幸せになりたい…w


辰吉に手引きしてもらい待ち合わせ場所へ向かうのですが、その途中追っ手に右腕を切りつけられ怪我をしてしまう凛ちゃん。それでも前へと進みます。追っ手を引き受けて凛ちゃんを先に行かす辰吉かっこよすぎる。



船着き場に着くとそこには惣さんの姿が。やっと再会出来た……と思ったのに時雨さんとその遣いが現れます。辰吉とこそこそしていることにも気付いた上で泳がせていた模様。役人に惣さんのことを密告したのも時雨さんでした。

「そんな汚い男から離れてこっちへ来なさい」

と言う時雨さんに「お前がそれを言うのか!」と惣さんは激怒。



そう、凛ちゃんの両親を自殺に追いやったのは時雨さんだったのです。

幼い凛ちゃんに目をつけ、凛ちゃんを手に入れる為に清州屋を江戸に出店させるも、手下に火をつけさせ多額の借金を負わせる。

借金を返す為に凛ちゃんを吉原に売ることを勧めたが優しい両親は大事な娘を吉原になど売れないと反対した。だが膨らむ借金。

両親は惣さんに『凛を頼む』と手紙を送り、惣さんが駆け付けた際にはもう凛ちゃんは吉原へ売られていた後だったと。


本当の息子ではない自分にも優しく、そして可愛がってくれた凛ちゃんの両親。惣さんにとって時雨さんは自分から何もかもを奪った憎い相手なのでした。



凛ちゃんの両親の件に時雨さんも(悪い意味で)関わってるだろうなとは思っていたけれど想像以上に酷かった……:(;゙゚'ω゚'):


信じられない凛ちゃん。けれど自分は両親が首を吊って亡くなっているところを目の当たりにしていたことを思い出します。ずっとずっと、記憶の奥に閉じ込めていたんですね…。


時雨さんの手下6人を拳銃で撃つ惣さん。そして銃口を時雨さんへ向けます。

けれど銃弾は6発しか込められない。6人を撃ってしまったのだからその銃はただの飾りだと時雨さんは笑みを浮かべ自分も懐から拳銃を取り出し惣さんに向ける。

だが響いた銃声は2つ。直後、時雨さんが倒れます。

実は先程6人を撃った際、2人を1発で仕留めており銃弾はまだ一発残っていたのです。惣さん銃の扱いうまっw


今度こそ時雨さんを殺そうとする惣さん。けれど手下たちを殺さなかったのも惣さんが過去に人を手にかけて悔いているからでしょうと。これ以上自身を傷つけないで。と凛ちゃんが口付けをして止めます。

自分を想ってくれる凛ちゃんに落ち着きを取り戻した惣さんは銃を下ろす。すると辰吉が現れ、二人は船に乗って時雨さんの前から姿を消すのでした。


この後辰吉は大丈夫なんだろうか……|ョω・`)




*バッドエンド「誰にも譲らない」

惣さんと会えなくなり心ここに在らずの凛ちゃんは失墜し、花魁でなくなってしまう。その代わりに春雲という遊女がお職の座に。

お職時代とは全く違い民度の低い客ばかり相手をしていた為、追い討ちをかけるように梅毒(性病)にかかってしまった凛ちゃんは煌びやかであったお職時代を思い返し、春雲の喉を刀で切り裂いてしまいます。


喜蝶さんや辰吉が駆け付けた中、返り血を浴びた状態で春雲の着物を羽織り、

「私を誰だと思ってるの!?私がこの店のお職なのよ!」

と叫んでいる凛ちゃん。

恐ろしく狂ったその姿は誇り高き優しい桜華屋の千早花魁の見る影もなかった。このスチルがまぁ怖い……こんな凛ちゃん見たくなかった…。


「私が一番なのよ!お職の座は誰にも譲らない!絶対に……!」




*バッドエンド「奈落の果て」

船着き場での対峙。ふらついた時雨さんを心配し駆け寄る凛ちゃんでしたがそれは凛ちゃんを惣さんから引き離す為の芝居。


「他の男のもとへ行かせるくらいなら、今ここで殺してあげよう」


刃物を首に当てられた凛ちゃんは時雨さんの手から逃げる為に惣さんから貰った簪で時雨さんを刺します。

しかし聞こえたのは断末魔のような苦痛な声。右肩に突き立てようとしたはずが、手元が狂い、刺してしまったのは時雨さんの右目だったのです。痛い。痛すぎる。想像して吐きそうになった。


ただでさえ時雨さんの左目は自分のせいで失ってしまったと思っているのに、右目まで自分が奪ってしまった。絶望する凛ちゃんは時雨さんの傍にいようとします。


惣さんとは一緒に行けない、時雨さんの目になると告げる凛ちゃんに惣さんは豹変。

「ならそいつを一緒に飼おう」


一年後、琉球のとある屋敷で惣さんの妻として暮らす凛ちゃん。外には出られず使用人にも話しかけてはなりません。

何も見えない時雨さんの前で事に及ぶ二人。


「凛が俺だけのものだってことを、そいつは毎晩突きつけられて生き地獄を味わうんだ」


見捨てられない恩人と壊れきった恋人。どちらの手も離せないまま、奈落の果へと三人で堕ちてゆくというエンドでした。


これは惣さん可哀想ですね……。自分以外の男を凛ちゃんが選ぶにしてもよりによって憎き敵である時雨さんなんですもんね。PC版だとこのエンドのえろが凄いと聞いたので気になります(小声)




*バッドエンド「遠い日の約束」

逃亡生活中、あの日右腕を刀で切られた凛ちゃんは破傷風になってしまいます。

どんどんと体調が悪くなっていく凛ちゃんは故郷の駿河に行きたいと惣さんに言う。


そしてきたのは二人で過ごしたあの湖。


『絶対に迎えに行くから』

『待ってる……ずっと待ってるから、きっといつか迎えに来てね……』


「--あの約束を、叶えたいと思ったんだ」

「凛が--欲しかった。凛だけが、欲しかった」

「金も、店も、地位も、そのためだけに死にもの狂いで手に入れた」

「何もかも失っても、凛さえいればやり直せる」

「泥の中を這いずり回っても、この手が血にまみれても、凛だけは幸せにしてみせる」

「そう、誓ったのに--……」



他の男の元へ行くのも苦しいけれど、この世から凛ちゃんがいなくなってしまうって、凛ちゃんの為に生きてきた惣さんにとってどれだけの絶望だったのでしょう。想像してもしても追いつかない。



「……ごめん」

「巻き込んで、ごめん」

「守れなくて、ごめん」

「助けられなくて、ごめん」

「君のことを好きになって……ごめん……」



(´;ω;`)

もし自分があの日吉原に行かなければ。凛ちゃんの前に現れなければ。危険な状況になった際凛ちゃんを諦めていれば。凛ちゃんの為に犯罪に手を染めなければ。…凛ちゃんを好きにならなければ。

そうすれば自分の傍に凛ちゃんを置けなくても、吉原から抜けられなくても凛ちゃんは死なずに済んだのかもしれない。惣さんの後悔が痛い程伝わってきました。


意識がある中での入水自殺は苦しいからと、凛ちゃんだけは苦しまないように首に手をかける惣さん。


「好きだよ……ごめんね……大好きだ………」

「もしも、生まれ変われたら……」

「どんなに離れていても、何もかも忘れていても……きっと君を見つけ出すよ--」



どちらかが生き残らないよう二人を結んだ帯。その赤は、まるで赤い糸のようでした。


二人が沈んでいくのが想い出の湖というのもだけど、吉原で惣さんが凛ちゃんに送ったオルゴールの曲がバックで流れるのが本当にずるい(´;ω;`)

本作のバッドエンドの中でも個人的に一番好きなエンドでした。悲しい、けれど美しいと感じてしまう心中だった。



*ベストエンド「鬼灯笛」

船に乗り込み時雨さんから逃げる二人。辰吉が二人を見送ってくれるのですが、

「どうかお気をつけて--いえ」

「お幸せに」


という辰吉に涙(;_;)辰吉ルートやっちゃうとつらあああい(;_;)でも惣さんが真っ当なら辰吉は諦められるのかな…。


船の上から時雨さんを見つめる凛ちゃん。

常に大人らしく悠々としていた彼が今は小さく見え、吉原で生きてきた10年はなんだったのだろうと空しくなる。けれどすぐに前を向いて顔を上げます。


「(大丈夫--やり直せるわ、どこからだって)」


惣さんと二人ならば、どこまででも歩いていけるのだと。

"かけがえのない、守りたい者を得た人生は、ただそれだけで愛しい。"


すごく良い言葉だなぁと思いました。守りたい人がいれば強くなれるんですね。



あれからも逃亡生活を続ける二人。けれど抜け荷からは足を洗い、二人で真っ当な仕事をしています。

とはいえども、過去に犯した罪は消えない。追っ手が近付いた気配がすれば、仕事も住む場所も変え別の所へ逃げるのです。


移動している最中、鬼灯笛を作ろうとするが上手くいかない凛ちゃん。昔と変わらず上手く作れない姿を見てあとで教えてあげると笑う惣さん。

そして外だというのに盛っちゃう惣さんwおい!!w


「俺を狂わせるのも、正気に返してくれるのも……きっと凛だけだ」

「三年前、桜華屋を殺そうとしたあのとき……凛が止めてくれたから、俺はまだ人でいられる--」

「目的の邪魔をする相手は、誰だろうと消すつもりだった」

「凛にもう一度会って、吉原から連れ出すためなら、どんな犠牲でも払うつもりでいたよ」

「だけど多分……凛の言う通り、俺は平気なふりをしてただけだった」

「もうこれ以上、鬼のような真似はしたくないって、きっと無意識に願ってた……」


けれど今はもう大切で何よりも欲しかった凛ちゃんがそばにいます。

過去を悔やみ、もがき苦しんだとしても縋りつける相手がいる。それだけで二人は明日もまた笑っていられるのです。


十年間凛ちゃんの為に生きてきた惣さんと、心の奥底で待っていた凛ちゃん。

二人の約束が果たされて良かった。惣さん、良かったね!!!




✩。* *。✩


他のキャラも凛ちゃんを深く想ってくれてますが、もはや執念をも感じる惣さん。

蝶毒の真島と斯波さんを足した感じで私が凄く好きな境遇の人だなぁと…思ったんですけど……あれ??なんだか本命になる気はしない……( ˙-˙ )なんでなんだろう。

でももちろん惣さん好きですよ!お顔なんかは本作で一番好きです!!


十年前の約束を果たしにきてくれ、吉原から連れ出してくれるなんてめちゃくちゃヒーローなのに凛ちゃんが好きすぎるが故に自ルート他ルート問わず歪んでしまう惣さんはめちゃくちゃ18乙女向きのキャラ(?)だなぁと思いました笑



バッドの『遠い日の約束』が凄く好きでしたね……。どうか来世では吉原の外で、真っ当なお仕事をして普通の暮らしの中、幸せになってほしい。



吉原彼岸花〜久遠の契り〜 辰吉 感想


吉原彼岸花は攻略制限がちょっと複雑な為、惣さんのバッドを見なければ辰吉ルートは入れず、辰吉のエンドを見なければ惣さんのベストは見れないのです。

他キャラルートをプレイしていても辰吉がとても良いキャラで、ルートに入るのが凄く凄く楽しみでした✨PC版ではサブキャラだったなんて……。


※ここからはネタバレ注意です!!!!!













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*辰吉(CV.興津和幸さん)


結論から言いますと、辰吉が最高に優しくてかっこよくて男前で惚れるしかなかったです!!!!!!!Switch版買って良かったと心の底から思いました!!!!!


惣さんルートで明らかになりますが、実は辰吉は惣さんとは面識がある、どころか惣さんの元で働いていて、凛ちゃんの様子を報告する為に桜華屋へ送り込まれたんですね。

困っていればさり気なく手を貸してやれと惣さんに頼まれていたり。この惣さんの頼みが辰吉を苦しめるなど……(;_;)



辰吉ルートは恋愛面も悶えたんですけど、辰吉と柚ちゃんの絡みも最高にときめきましたね!ちっちゃい子に懐かれる寡黙な大柄の男性って萌えません?

紙風船で遊ぶ辰吉と柚ちゃんは尊いし、ある時は辰吉のお腹にしがみついて寝ている柚ちゃんという幸福でしかない光景。しかもこれスチルあるんです。神。

そろそろお風呂掃除の時間なので行かなきゃいけないのに寝ている柚ちゃんを起こすのが偲びなくてどうすればいいのか途方に暮れている辰吉。

あああ、優しい……優しいな辰吉……。


すやすやと夢の中な柚ちゃんが寝ぼけて「おとっつぁん……」と呟きます。それを聞いて以前自分も母みたいだと言われたことを思い出す凛ちゃん。


「それにしても、畏れ多いことです」

「柚さんにとっては俺が父親で、花魁が母親代わりというのが」


そう言う辰吉に、


「私と辰吉が夫婦みたいだってことだものね」


と何気ない冗談のつもりで言った凛ちゃん。けれど、辰吉は何も言わなかった。

この時の辰吉の心境はどういうものだったんでしょう。二人が夫婦だという空想が目に浮かんでしまったものの、すぐに惣さんのことを思い出してしまったのかな。切ない。



惣さんが登楼し、見送った後いつものように九郎助稲荷に行くとそこには辰吉が。


「お願いごとをしにきたの?」

「俺じゃなく、恩義のある方の願いが叶ったようなので、そのお礼参りに」

「辰吉自身の願いごとはないの?」

「………俺の?」

「私はいつもここで、早く両親のところへ帰れますようにって願うの」

「辰吉も、そんなふうに叶えたいことがあったりしないの?」


「俺は--……」

「願ったら、きっと罰が当たります」



静かな瞳で凛ちゃんを見つめる辰吉が、本当に切ない……苦しい……。

だってきっと辰吉自身の叶えたい願いごとって……。

その恩義のある方(惣さん)の存在が良くも悪くも辰吉を縛っているのがつらい。でも惣さんのことを思えば何とも言えないんです…。皆が幸せになる方法は……何処……。



ある日、辰吉が按摩が得意だということを知り、お願いする凛ちゃん。えっ、辰吉さん按摩も得意なんです???最高すぎる。私も腰痛持ちなのでやってもらいた……げふん。


凛ちゃんが想像していた以上に上手いし知識もある。

実は遊女だったお姉さんの為に指圧師や骨接ぎの医者のところに通って知識を得たといいます。優しい、優しいよ辰吉。゜(´∩ω∩`)゜。


気持ちの良い上手い按摩をして貰っている最中、惣さんの話題に。まだ惣さんとはそういう関係にはなっていないと言うと、


「--伊勢屋様は我慢強い方ですね」

「好いた女と二人きりでいても、手を出さないでいられるとは……俺には信じられません」


それに対して凛ちゃんは、


「辰吉だったら、すぐに手を出すの?」


と、同じ男としてどう思うかの意見を求めたかったから訊ねたのですが挑むような視線で辰吉が言います。


「……俺なんかのことを知ってどうするんです」

「伊勢屋様と俺は、別の人間です」

「俺が答えたところで、なんの参考にもなりませんよ」


あああ…凛ちゃんが地味に辰吉の地雷を踏んでおる……。

辰吉は敢えて惣さんのことを持ち上げたというのに、辰吉はどうなの?と問われてしまったんですもんね。惣さんよりもずっと、ずっと何度も凛ちゃんと部屋で二人きりになってきたはず。でも同じ手を出さないでも辰吉と惣さんでは立場が違いますよね…。

 だめだ、惣さんも可哀想なんですけどどうしても辰吉に感情移入してしまう(´;ω;`)



生きていると思っていた両親の死を知り、しかもそれを時雨さんに隠されていたことに絶望する凛ちゃん。

何通も何通も両親へ向けて送った手紙は届いてすらなかったのです。

両親が苦しんでいる時に何も出来なかった親不孝な娘だと自分を責める凛ちゃん。

毎日のように両親に会えますようにとお祈りをしにいっていた九郎助稲荷へ行く。すると辰吉が追いかけてきてくれます。


両親への手紙を破り捨てようとする凛ちゃん。

もどかしそうに、もっと伝えたいことがあるのに上手く言葉にならないことがじれったいように踏み込んでくる辰吉。


自殺に追い詰められるくらい苦しい思いを両親がしていたのに、その日がいつだったとしても何も知らずに、もしかすると笑って過ごしていたのかもしれない。

自分が不安になりたくなかったが為に、二人の身に何か起きたのかもと疑うこともせず見ないふりをしていた。

絶対に許されないと言う凛ちゃんに、自分も姉が死んだときは何も気づかずに飯を食らっていた。でもそれで姉が自分を責めるとは思わない。それが家族なのではないか、と声をかける辰吉…。


「その手紙」

「破るくらいなら、俺に預けてください」

「………どうするの?」

「俺がずっと持っています」

「届かなかった思いだからって、なかったことにしなくていい」

「花魁が、ご両親を大切に想っていたことは、俺が知っていますから」


その言葉で、両親の死を知っても誰の前でも流せなかった涙が溢れます。その姿に驚く辰吉。



「っ……なんで、泣かせるの--……」


拭っても拭っても止まらない涙は、突き出しの翌朝以来に流したものでした。

時雨さんのことをも信じられなくなりそうな中、まだ寄り添ってくれる人がいたこと。辰吉が懸命に労わろうとしてくれていること。

その温かさは惣さんや時雨さんの前では閉ざされていた心をこじ開ける。


辰吉には泣きじゃくるところばかり見られてしまって。みっともないし、きっと辰吉には迷惑だろう。

でも軽蔑されたくない。すぐにめそめそする、そこらの女の子と同じだと、辰吉には思われたくない。一目置かれたい凛ちゃん。


「迷惑だとは思いません」

「ただ--今は困ります」


申し訳なく思い首を背けたとき、辰吉が腕を伸ばす。頭の後ろに回された、大きく分厚い掌。



「………今日は手ぬぐいを忘れたんです」

「だから、今は--………」


辰吉の着物に染みていく凛ちゃんの涙。

どれほど濡らされても文句を言わず受け止めてくれる。


幼馴染の惣さんの前でも、保護者のような時雨さんの前でも泣けなかったのに、辰吉の前では涙が溢れるというこのシーンが本当に切なくて苦しくて、でも温かくて好きです。

強いはずの凛ちゃんが自分の前ではぼろぼろと涙を流す姿に辰吉が手を伸ばしてしまった気持ちも分かります。



後日、辰吉に龍の刺繍を自分で入れた手ぬぐいを贈る凛ちゃん。

なんで龍の刺繍?と訊ねる辰吉に、


「ええと……だって、『辰』吉だから」


と答える凛ちゃんが可愛い…。これは辰吉もぐっときただろうなw


無言の辰吉に気に入らないなら別のものにするから…と手ぬぐいを引っ込めようとすると、


「ありがとうございます。--嬉しいです」


お礼の品を手ぬぐいにしたのは、手ぬぐいを忘れたからと凛ちゃんを抱き寄せたあの日。それから辰吉を意識してしまった。だからもうあんなことが起こらないよう、他意がない辰吉の行動に勘違いしてしまわないようにという戒め。


凛ちゃんは両手が塞がっている辰吉の首に手ぬぐいをかけます。凛ちゃんがかけやすいようにちょっと身体を傾けてくれてる辰吉にときめきました…。

指が辰吉の首に触れた瞬間、辰吉の首筋が熱を持っていることに気づきます。

まさか辰吉が照れてる?無表情だけど…と辰吉を見る凛ちゃんでしたが、ここで惣さん現る……。

なんでだよおおお!!!!めっっっっちゃいいとこだったのにいいいい!!!!間が悪すぎるあああ!!!!(」゚д゚)」



私の中の惣さんへの好感度が何とも言えなくなってしまってきた中でさらなる事件(?)が。

凛ちゃんと辰吉の関係の噂が流れ、それを惣さんが耳にしてしまい詰め寄られます。廓者同士の恋愛はご法度。しかも花魁と見世番。


二人は否定したものの、惣さんはなんと辰吉の前で凛ちゃんを抱こうとします。やめて、と拒否する凛ちゃん。ますます疑う惣さん。


凛ちゃんは誤解だと。

やめてと言ったのは惣さんとの初めてが誰かに見られながらなんて恥ずかしい。

惣さんがどれだけ自分のことを想ってくれていたか分かった、だから身請け話を受けると。


それは辰吉を守るため。そして惣さんに犯罪から手を引いてほしいから。


それでもまだ信じられない惣さんは辰吉に見せつけるように凛ちゃんを抱いてしまいます。

辰吉寄りの私は惣さんの行為は許せるものじゃない…んですけど、『こんな非道なことをしないではいられない自分に惣一郎も傷ついている』なんてのを見ちゃったらどうしたらいいの分からない…。彼の境遇を知ってしまうと、何をしても悲しい人に思えてしまいますね…。


なんて思ったのに、


"『花魁』と動いた気のする唇が強く噛みしめられるのだけが見えた"


という辰吉の様子を見た瞬間惣さんの脳天に三味線叩きつけたい気持ちでいっぱいになりました。やっぱり私は辰吉寄りのようですw




さて、ここからがもう本当に怒涛で泣ける展開。

辰吉が桜華屋を辞めるとのこと。信じ難い凛ちゃん。

辰吉に懐いていた柚ちゃんは大事なものを隠したら見つかるまで出ていかないかと思い、辰吉の部屋からある物を持ってきてしまいました。


「とっても綺麗でありんしたから、きっと宝物だと思って……」


それはいつか凛ちゃん、喜蝶さん、柚ちゃん、そして辰吉の四人で買い物に行った際に凛ちゃんが目を留めた切子細工の小物入れだったのです。


妹分の禿がやってしまったことだからと小物入れを返しに詫びに行く凛ちゃん。

けれどそれは辰吉が凛ちゃんの為に買ったもの。


「これを。--あなたにです」

「花魁には、いろいろと……長い間世話になったので」


そう言った辰吉に凛ちゃんはこれまで常に自分のことをつかず離れずのところから見守ってくれていたことを思います。

でもそれは仕事だから?惣さんに命令されたから?

辰吉が優しくしてくれたことも、慰めてくれたことも全部全部凛ちゃんは嬉しかったのです。

そんな思い出を振り返るうちに、目からはまた涙が。


「どうしてかしらね……私、辰吉の前でだけは、ときどき駄目になるみたい」

「辰吉には一目置かれたかったのに、みっともないところばかり見せてる」

「何度も困らせて、手のかかる花魁だったわよね。でももう、それもおしまいだから……」


かなりの殺し文句ですよね、これ(´;ω;`)

だって身請け話を承諾され、あれだけ凛ちゃんのことを想っていて、凛ちゃんのことを幸せに出来るであろう惣さんの前ではなく、自分の前でだけ涙と弱さを見せてしまうって言うんですよ。そんなのどうしたって手を引きたくなります。


涙を見せる凛ちゃんに、


「特別でした」

「あなたは、他の誰とも違う」

「負けず嫌いで、芯が強くて……誇り高い、立派な花魁でした」


寡黙な辰吉が初めて想いを口にする。



 惣さんの命令を受け桜華屋へ潜り込んだ当初。本当は凛ちゃんのことを苦労知らずなお嬢様だと思っていた。

生きるために悪いこともたくさんしてきた自分とは違う種類の人間だと。そんな女の世話を焼くなんてごめんだと。

けれど、他の遊女達から嫌がらせを受けても負けず、花魁が約束された恵まれた立場に胡座をかき稽古をさぼることもしない。

いつでも真っ直ぐな凛ちゃんに、辰吉のその心はすぐに改まったと言います。


「道中を張るあなたの姿を、後ろから見ているうちに、俺は--……」


唇を噛む辰吉。

受け取ってください、と小物入れを凛ちゃんに渡します。


「そのあとは、捨てようがどうしようが構いませんから」


小物入れを握らせた手はそのまま離れない。

こんなことをされたら、私だって勘違いするのに…と凛ちゃん。



「特別ですから。--ずっと、これからも」

「ありがとう。私も……--忘れない」



もうあまりの切なさに涙が止まりませんでした。お互い惹かれあっているのに障害が大きすぎる。

遊女と見世番という立場。惣さんの存在。

二人の前には踏み越えることのできない一線が引かれているのでした。


凛ちゃんの初めての花魁道中の際もずっと辰吉は後ろから見守ってくれていたんですよね…(;_;)(;_;)




辰吉が桜華屋を離れる日が着々と進む中、桜華屋の面々は皆出かけて凛ちゃんだけがお店に残ったある日。なんと火事に巻き込まれてしまいました。

どんどんと燃え広がる炎に諦めかけたその時、辰吉が桜華屋へ戻ってきてくれます。


上の階にいる凛ちゃんに、


「そこから飛び降りてください!俺が受け止めますから!」


と叫ぶ辰吉。

しかし地面との距離や、彼にまで怪我をさせてしまったらと怯む凛ちゃんは逃げて、辰吉まで巻き込まれることないと伝える。


「いいから飛べって言ってるんです!」

「でも」

「ぐだぐだ言うな!俺を信じろ!」


その声に背中を押され、飛び降りる凛ちゃん。地面にではなく、辰吉の胸の中に向かって。

飛び降りた凛ちゃんを辰吉は受け止め、骨が砕けるかと思う程の強い力で抱きしめます。


「……よかった」

「あんたを、死なせないでよかった……」


.˚‧º·(´ฅдฅ`)‧º·˚.

辰吉いいい.˚‧º·(´ฅдฅ`)‧º·˚.

辰吉はいつだって助けてくれる…。そして何気なく『あんた』呼びされた!!!!まって!!!!

深い仲になるとあんたって呼んでくれるの辰吉!?!?‪( ᷇࿀ ᷆ )‬‪( ᷇࿀ ᷆ )‬‪( ᷇࿀ ᷆ )‬

もう私の心の中がカオス。感動と切なさと萌えで苦しい。

我に返った辰吉はすみませんでした、つい…と謝るのですがそれ含め萌え。



火事という非常事態なので遊女達が出ることは禁じられている吉原大門は開け放たれます。

大門を抜けて逃げる二人。辰吉と共にいれば安心出来る、そしてその一方で辰吉がこのまま攫ってくれたらと、願ってはいけない想いが胸に生じてしまう。


いけない、と理性を取り戻す凛ちゃん。

幸運なことに降り出す雨。びしょ濡れになった二人は竹藪で休むことに。


疲れが襲ってきた凛ちゃんに、使ってくださいと頭にかぶせられたのはいつか凛ちゃんが贈った手ぬぐいでした。



「……ずっと持っててくれたの?」



濡れてこそいるけれど使った形跡のない手ぬぐい。あれから一度も使わないまま、肌身離さずに持ち歩いてくれていたのか。

凛ちゃんも着物の胸元から、辰吉から贈られた小物入れを取り出します。どうしても置いてこられなかったと。


「そんなものを持ち出す暇があったなら、もっと早く逃げられたでしょう」

「そんなものだなんて……私には大事なものよ」

「花魁の命以上にですか?」


「あなたに何かあったらと思うと、生きた心地がしなかった」

「火元が桜華屋の近所だとわかったとき、どれだけ肝が冷えたか--」


辰吉の細かく震える手を見た凛ちゃんは辰吉に抱きつく。離れてくださいと押しやろうとする辰吉。人目はない、惣さんだっていないと言う凛ちゃんの言葉も聞こえないふり。惣の元へいくか、桜華屋の皆の元へ行くかの選択肢を示された凛ちゃんが出した答えは、


「どこへも行かない。辰吉と、ここにいたい--……!」


好きだと伝えようとしたその瞬間、辰吉に唇を覆われます。まさかの辰吉からの口付け。


「--抵抗してくれ」

「あんたが抗ってくれないと、もう止められなくなる」


「--ずっとあんたが好きだった」

「道中を張ってる姿も、あんたが弾く箏の音も好きだ」

「柚さんを可愛がってるところも、嫌がらせをされても負けないところも」

「笑ってるところも、怒ってるところも、泣いてるところも……全部」

「吉原に来てから、全部見てきた。惣一郎さんよりもずっと、俺のほうが今のあんたを知ってる」

「桜華屋での毎日は楽しかった。花魁。あんたがいたからだ」


「恩のある惣一郎さんの役に立てるのも、誇らしかった。なのに今は、あの人を恨みそうになる」

「好きにならずにはいられない女のそばに俺を置いて、見せつけるみたいに、あんな……っ」



。゚(ノдヽ)゚。

辰吉の想いに涙が止まりません…。あの時も、あの時も辰吉が見守ってくれた、手を貸してくれたんです。ずっとずっと近くで、想いを告げるのを耐えていたのかと思うと苦しい。



このまま逃げ続けることは足抜けになる。ましてや二人は廓者同士。そして二人が一緒になるということは惣さんへの裏切り。

それでも構わないと二人は共犯者となり、身体を交わせます。辰吉さんかなり情熱的です…(小声)


しかし凛ちゃんが選んだのはこの恋はここで始まり、ここで終わるというもの。辰吉が応えてくれて、本当の気持ちを知れただけで充分だと伝えるのです。


"たった一度きりのことだと、二人ともどこかで覚悟していた。

勢いのままに惣一郎を傷つけ、時雨のもとから逃げ出すほど、無謀にはなりきれない。

義理を重んじ、範に縛られる--自分たちはそういうところも、悲しいほど似ているから。"



ここでも出てくる惣さんと時雨さん…。二人を縛るものが大きすぎる!!!(2回目)またこれがどちらか一方が、じゃなく二人ともなんですよね…。だから逃げられない。悲しい。二人が優しすぎるから。


そんな凛ちゃんに辰吉は指先に接吻を落とす。


「あんたが、もし……」

「もし不幸になるようなことがあれば、きっと攫いにいく」

「惣一郎さんは、本気であんたに惚れてる」

「お姫さんみたいに大事にしてくれるはずだ。でも、何かあればきっと」



この辰吉の言葉が心に刺さりすぎて、(;_;)

自分が幸せにしたいって当然辰吉だって思ってるはず。大切な人を裏切られないからと身を引く凛ちゃんの手を引き寄せたいとだってきっと。

それでもこれから身請けされに行くだろう凛ちゃんが少しでも前を向けるよう、恩義のある惣さんを立てるところが泣ける。

けれど凛ちゃんが悲しむのは許せないから、その時は自分が幸せにすると。


辰吉が惣さんの部下でなければ。見世番ではなく、彰人さんや忍さんのようにお金があるお客だったらと何度も何度も思いました。思う度に泣いた。



あれから辰吉は桜華屋を辞め、音沙汰なし。

惣さんも一度も登楼せず。そして惣さんは抜け荷の件がばれてしまい、追われる身だという。

惣さんの悪事など何も知らないね?と時雨さんに念を押された凛ちゃんは頷いてしまいます。

差出人のない投書があって惣さんのことはバレたって時雨さん言ってたけど絶対やったのあんたやろwwwと盛大にツッコミを入れたい。


惣さんは全て自分を身請けするために行ったのに、庇うことが出来ない凛ちゃん。

辰吉も惣さんも、凛ちゃんの前から姿を消してしまったのでした。




*バッドエンド「恋盗人」

火事から逃げた後、竹藪での情事はたった一度きりだと思ったのに、辰吉の方から逃げようと言ってくれる。

「惣一郎さんの手も、楼主の目も及ばない場所で、俺と所帯を持ってくれ」


わーん!!!辰吉に言って欲しかった言葉(;_;)(;_;)嬉しい…(これがバッドエンドだということは知らん。現実逃避)


窓の外を見ると雪。辰吉の故郷では一面の銀世界は何ら珍しくないそう。駿河が故郷の凛ちゃんは銀世界に憧れる。それを聞いた辰吉、二人で自分の故郷でいずれ暮らそうと言います。


けれどそれはすぐにとはいかない、吉原からの追手。そして惣一郎が追ってくるだろうから。

不安になる凛ちゃん。


「悪かったな」

「あんたの手を、離してやれなかった。自分で思うより、俺は欲張りだったみたいだ」

「いや……そうでもないか」

「俺はもともと短気で、堪え性もないほうだった」

「行儀だっていいわけじゃないし、あんたをこの先がっかりさせるかもしれない」


そんなのありえない(´;ω;`)

辰吉の口調が砕けたのも、あんた呼びになったのも私は嬉しいよ辰吉いいい!!!と思ったら凛ちゃんも同じこと思ってました笑


真面目で堅物なのかと思ったらそうでもなかった辰吉に、桜華屋にいる間の女関係はどうだったのかと訊ねた凛ちゃん(ナイス質問ありがとう凛ちゃん)。

岡場所に通ってたりもしてなかったそうだし、桜華屋の遊女たちに言い寄られてたのにその気になったりしなかったのかと聞くと…なんと……


「そんなことは、大概昔にやり飽きてる」

「雪に閉じ込められた冬は、男も女もやることがなくて暇だからな」

「俺は一人暮らしだったし、夜中に起きたら、近所の若後家が乗っかってきてるような土地だ」

「その頃は俺も若かったから、まぁ--それはそれで」


゜゜( Д )

なっ、なんだってえええ!!!!全然真面目で堅物なんかじゃない辰吉www

おい、辰吉とそういうことした女全員出てこい三味線で(以下略)


故郷に行けば辰吉とそういうことをした女たちがいるんだよなと不安になる凛ちゃん。


「心配しなくても、いまさら目移りなんかしない」

「それに、俺が自分から欲しいと思った女は、今も昔もあんただけだ」

「今まであんたには、ずっと嘘をついてきたからな」

「これからは本当のことしか言わない」


「……好きだ」

「あんたが好きだ」

「だから、俺に盗まれてくれ」



遊んできた男(まぁ辰吉はちょっと違うけど)の初めての本気の女ってシチュエーション、本当に美味しいですよね…大好物すぎる…。

そしてこれバッドエンドなの???と疑いたくなるくらいの糖度の高さ……えっ、もうこのまま終わろうよ……。


出会い茶やを後にする二人。積もった雪の中、歩いていく。

二人の間に産まれる子は凛ちゃんに似て寒がりか、辰吉に似て暑がりか。そんな話をしながら明るい未来を想像した瞬間、響き渡る轟音。

自分を突き飛ばした辰吉の元に駆け寄ると、辰吉の身体からは血が流れ出す。

ぴくりとも動かない辰吉の背中には煙を上げてめり込んだ銃弾。


背後から迫る足音は……。


散々上げておいてドン底のドン底に落とされたバッドエンドでした。鬼畜だよ…鬼畜すぎるよ……。もう何も信じない()




*バッドエンド「裏切りの代償」

凛ちゃんの故郷である駿河で暮らす二人。彼岸花の咲く湖である人を待つ凛ちゃんと辰吉。

二人は周りから夫婦であると思われているが実はそうではないのです。互いに求め合っているのに、男女の関係には決してならない。実態は兄妹のようなもの。

それは話し合って決めたことではなく、どちらともなくそうしてはいけない気がして。ここにはいない惣さんの存在を気にして、怯んで遠慮してしまう。


最初こそ惣さんを待っていたものの、五年も過ぎても来ないのならもう忘れてもいいのではないか。残された二人で幸せになってもいいのではないか。

ずるいことを考えてしまう二人。けれど、実行は出来ない。惣さんを待ち続けている時間の間は、彼を裏切るという罪を重ねずに済むから。


想い合っているのに彼が現れないことには手と手を繋いで眠ることしか出来ないなど(;_;)

『凛を頼む』と言った惣さんの呪縛に囚われ続ける二人の悲しいエンドでした。




*ベストエンド「くちづけ」

辰吉も惣さんもいなくなってしまった中、凛ちゃんはなんと労咳になってしまいます。

客を取れなくなった凛ちゃんは三ノ輪の寮で療養することに。世話役は柚ちゃんになり、毎日看病して、そして凛ちゃんを励ましてくれる。

けれど夜中に泣いている柚ちゃんの声を聞く度に、どこか遠くにいなくなってしまいたいと思う凛ちゃん。


自分が長くないことは自分自身が一番分かってるけれど、柚ちゃんが笑ってくれるならできることはなんでもしたいという凛ちゃんにこの時点で私の涙腺は限界。

凛ちゃんの柚ちゃんへの優しすぎる愛がもう。゚(ノдヽ)゚。


庭で紙風船で遊ぶ柚ちゃん。辰吉と柚ちゃんと自分と三人で投げあったあの日を思い出す。

取り落とした紙風船を拾いに追いかけていった柚ちゃん、その目の前に現れたのは。


「--千早花魁」


そう、辰吉でした。


「間に合った--と思っていいですか」

「今でも俺に、攫われてくれるつもりはありますか」


咳き込む凛ちゃん。


「……私、病気なの」


頷きたい、けれど歯止めをかける。


「知ってます」

「きっと、もうそんなに長くない。こんな体じゃ、辰吉に面倒ばかりかけるわ」

「その時間の全部を俺にください」

「あなたの面倒なんて、何年もずっとみてきた」

「でも」

「それ以上、もうぐだぐだ言うな」


火事のあの時と同じセリフ、なのにすごく優しい声音(;_;)


「あんたが好きだ。--俺と来い」


胸を鷲掴みにされたその言葉。胸元を押さえる凛ちゃんを見た柚ちゃんは建物の裏手へと回り込む。


「わっちは何も見ておりんせん!」

「なんにも聞いておりんせん!花魁がどこへ行ったのかも、誰に攫われたのかも知りんせん!」

「だから--だから……っ」


きっとこの後柚ちゃんは時雨さんから叱責(なんなら折檻までされてしまうのでは)され、責任を問われるだろうことも幼い柚ちゃんは分かるはず。

それでも、大好きな姉女郎にとって何が一番幸福であるかを分かってくれたのです。

あああ、柚ちゃん本当に優しくて良い子…。でもそれは凛ちゃんが時に厳しかったかもしれないけれど、日々愛情をもって柚ちゃんに接していたからだと思うんです。どうか柚ちゃんも幸せになってほしい。



それから二人は江戸から離れた東部の銚子へ。実は辰吉はあれから漁師として働き始めたそう。うん、似合いますね!‪🎣‬

時折江戸に戻り凛ちゃんの様子もそれとなく窺ってた、って…….˚‧º·(´ฅдฅ`)‧º·˚.

どこへ行っても辰吉は見守ってくれる人なんですね…。

惣さんの行方はまったくの手詰まりだそう。けれど惣さんがいないからといってまた凛ちゃんのそばに戻るのは筋が通らないと、何も行動を起こさなかった。


けれど凛ちゃんが病に倒れたと知ってからは医者代や薬代の為にこれまで以上に働き、小さな一軒家を借り、足りない分は借金までして凛ちゃんを迎えにきてくれたのです…。

。゚(ノдヽ)゚。

不幸になったら攫いにいく、とあの日の言葉を現実にしてくれた辰吉(;_;)


あまり近くにいると病気をうつしてしまう、と漁から帰って抱きしめてくれる辰吉からさりげなく身を引く凛ちゃん。けれど気にするなと言う辰吉。


「俺も、あんたに無理はさせたくない。惣一郎さんに申し訳ないって気持ちもずっとある」

「だけど、俺の体を心配してのことだったら、それは気にしないでいい」

「だから……--俺は、あんたと」


そう、病がうつることを恐れた凛ちゃんは辰吉とは別々の布団で寝ているのです。

唇の接吻も嫌がる凛ちゃんに辰吉は額や頬で我慢する。夜中焦れったそうに一人で寝返りを打ち続けていることも凛ちゃんは知っていました。本当は自分だって触れたいし、触れてほしい。


駄目か?と問う辰吉に、口だけは吸わないでとひとまず了承します。受け入れられたことに安堵した辰吉は笑顔を見せる。

寡黙で感情の読めなかった辰吉が、凛ちゃんが笑いかければ、それ以上に嬉しそうな笑顔を返してくれるようになった。うう、最後にこんなん持ってくるのずるい(;_;)


「--ずっとあんたとこうしたかった」


唇を避けながら口付けをする辰吉。竹藪でのあの日以来の交わりでした。



しかし運命は残酷です。凛ちゃんは布団から一切離れられなくなったり、眠りにつく時間が長くなっていく。梅の花が咲いたことにも気付かないくらい。

梅は咲いたが桜が咲く頃までは無理だろうと悟る凛ちゃん。


辰吉が白湯を飲ませようとしたところ、軽くむせてしまい激しい発作が起こります。

凛ちゃんの寝間着の胸元には赤い点、唇からは鮮血。

何度咳き込んでも血が吐き出しきれない凛ちゃん。すると辰吉は唇を重ね、凛ちゃんの喉奥から血を吸い出す。


唇は吸わないでという決まり事を破ってしまった辰吉。どんなに丈夫だったとしても、労咳を患った自分の血を口にすれば毒に冒されてしまう。

弱々しく抗う凛ちゃんに、


「いいんだ。--これでいい」

「あんたと同じ病気に、なれるもんならなりたかった」

「あんたを一人では逝かせない」

「三途の川とやらの手前で、少しだけ待っててくれ」


余分な荷物は何もなく、常に綺麗に片付けられたこの家。辰吉はいつかこうするつもりだったんでしょう。凛ちゃんが逝ってしまうその時は後を追うのだと。


「駄目……--」

「あっちに行ってまで、俺と一緒じゃ嫌か?」

「違う……駄目なのは、私--……」


辰吉が道連れになってくれることに申し訳なさよりも喜びを感じてしまい、涙を流す凛ちゃん。


「……もう少し眠れ」

「俺はずっとここにいる」

「あんたが次に目を覚ましても、ここにいるから」


辰吉の涙を頬に感じながら、幸せだったと。

欲しいものは全て与えてもらったから、このまま目を覚まさなくても悔いることは何もないと。


「凛--……」


"血の味のする唇が、戦慄きながら重ねられた。

自分の名を囁き続ける声が、次第に遠くなっていって、その先に広がるのは、何も損なわれることのない、美しい永遠の夢だった。"



だめだ、こうして文を打っている間も涙が止まりません。

凛ちゃんと同じ病気で逝くことを望み、凛ちゃんに口付けする辰吉の優しくて温かくてそして深い深い愛情に胸が苦しくて張り裂けそうでした。


ベストエンドなのになんで凛ちゃん死んじゃうの(;_;)と思ったのですが、真相のベストエンド同様、惣さんに配慮されているのかなぁと。何事もなく二人が幸せになれば、あまりにも惣さんが不憫ですもんね…。いやでも…。


私が願うことはただひとつ、二人があの世でも来世でもいいから再び出会って、身分にも誰かの存在にも掟にも縛られることなく寄り添って幸せに過ごしてくれること。

それだけです。




✩。* *。✩


泣きました。とにかく泣きました。

本当に辰吉の見守ってくれる、困った時悲しい時手を差し伸べてくれるその優しさと温かさが幸せで。

他のキャラと結ばれた時、辰吉はどう思っていたんだろうとか思うと死ぬ。心が苦しい。


惣さんの個別入ってバッドエンド見たものの、辰吉寄りになってしまったので二人にとって惣さんの存在が大きすぎるのが本当にしんどかった……。惣さんは私がシメておくから!!!二人はどうか遠くへ逃げて!!!幸せになって!!!と何度も脳内で妄想。(でもあの二人はそれでも惣さんを切り捨てられないんだろうな…)


かっこいいし優しいし男前だし力持ちだし喧嘩も強いし元ゴロツキだし周りから慕われてるし一途だし実はかなりやり慣れてるし(?)、辰吉に惚れない要素が私には一切ありませんでした!!!

辰吉というキャラクターに出会えたことがすごく幸せ。


本当に本当に移植版で辰吉を攻略可にしてくださったこと、感謝でいっぱいです。

あわよくば……あの……辰吉の18追加でリパッケージ版なんて出して頂けないでしょうか……|ョω・`)



優しい辰吉と優しい凛ちゃんが、何にも縛られず、もう離れることなく存分に触れ合える日々が訪れることを、いつまでも願っています。


吉原彼岸花〜久遠の契り〜 桜華屋時雨 感想


さて、4人目は時雨さん。

初手で攻略した朔夜ルートで恐怖を味わわされたので共通ルートでつい時雨さんの好感度が上がらなさそうな選択肢を選びそうになりましたがなんとか無事に(?)個別に入れました。


果たして私は時雨さんを好きになれるのか……


※ここから先はネタバレ注意です!!!!












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*桜華屋 時雨(CV.森川智之さん)


中の人的にもラスボス臭しかしない時雨さん。

朔夜ルートでの凛ちゃんへの折檻を見てから私の時雨さんへの信用度がマイナス状態ですw


時雨さんの片目が隠されているのも全然気にしてなかったのですが、実は左目は見えないそうなのです。

凛ちゃんが幼かった頃、先代楼主である時雨さんの父が酔っ払い凛ちゃんに手酷い折檻を加えようとしました。それを止めようと割って入った際に、カッとなった先代が振り上げた煙管を左目に受けてしまったことで、目を失ってしまったのです。


左目が見えないせいで右目だけの生活を送る時雨さん。その為、右目も徐々に視力が衰えてきてしまっています。

時雨さんの左目を奪ってしまったのは自分だとずっと負い目を感じている凛ちゃんは時雨さんに眼鏡をプレゼントする。


「自分でお金を稼ぐことができるようになったら、時雨様に何かを贈りたいとずっと思っていたんです」


初めての揚げ代を自分の為に使わせるのは申し訳ないと言う時雨さん。

けれど自分を守ってくれた、一人前の遊女になる為の手ほどきをしてくれた、居場所を与えてくれた時雨さんへご恩を返すのにはまだ足りないくらいだと。


しかし突き出しの翌日、凛ちゃんが一人で声を殺して泣いているのを時雨さんは見かけていました。


幼い頃から廓で育ったから閨事がどういうものであるか、凛ちゃんは理解しているつもりだった。

けれど実際に初めて男に身を任せた衝撃。

乱暴にされたわけではないがそれでもよく知らない相手に身体を触れられる恐怖と、自分の体が自分のものでなくなるような惨めさは忘れられないものとなってしまいました。


「時雨様。私……なんとなく、わかった気がするんです」

「吉原の外では、どうして遊女が見下されているのか」

「本当は……ああいうことは、好きな人としかしてはいけないことなんですね」



この凛ちゃんの言葉に胸が苦しくなりました。

実在していた遊女の方も同じように思ったのかな…。


「それでも、ここが私の生きる場所です」

「時雨様に手ほどきしていただいた芸を、もっと磨いて……」

「誰にも軽んじられることのないような一流の花魁になりたいと、今はそう思っています」

「この眼鏡は、その誓いの証です」


凛ちゃん(;_;)(;_;)

そうだよね、どんな職でもどんな人物でも誰かから見下される謂れなどないですよね。



「私はお前を、吉原一の花魁になると見込んで育てた。凛自身もそう決意してくれたなら、嬉しい限りだ」

「どうかこの先も、桜華屋を彩る花となっておくれ」

「-永遠に枯れることのない、大輪の花として」


その時雨さんの願い通り、凛ちゃんは桜華屋の顔になります。



ですが、この誓いの証である眼鏡はある日突然時雨さんが連れてきた紫乃さんという女性に壊されてしまいました。あ、紫乃さんは良い人です!眼鏡を壊したのもわざとなんかではありません。

だからこそ凛ちゃんはやりきれないでしょう。


時雨さんが紫乃さんを連れてきたのは結婚するからで、桜華屋の女将になるからではないかと思い込む凛ちゃん。

時雨さんの片腕は自分だと思っていたのにその立場が脅かされるようになったと感じるのでした。




九郎助稲荷で襲われた際に助けてくれた伊勢屋さん。何度目かの登楼の際に身請けしたいと伝えられます。


「伊勢屋様のことは、ご尊敬申し上げておりんす」

「それでも……わっちはまだ、この桜華屋に未練がございんす」


身請け話を断ります。


「俺は……吉原という場所は、女性にとっては、酷く辛いだけのものかと思っていたから…」

「そこから救い出されることが、あなたの幸せだと思っていた。-独りよがりだったみたいだけどね」


「確かに花街では、つらいことも多くありんすが……」

「わっちにとってこの店は、大切な居場所なんでありんす」


気さくな朋輩、妹のような存在の禿、そして時雨さん。大切な人達がいるこの場所をそう簡単には離れられないのですね。



身請け話より前のストーリーだけど、伊勢屋さんと3度目の登楼から身体を交わすことになった凛ちゃん。最中もその心は目の前の伊勢屋さんではなく時雨さんのことを想ってしまう。

これ、まだ惣さんルートをプレイしてなかったので伊勢屋さん残念ですな…という風にしか思わなかったんですけど、ルートやってしまうとこの時の伊勢屋さんがもう可哀想で可哀想で。゜(´∩ω∩`)゜。


白無垢の着物も伊勢屋さんは自分が用意したかったろうに、結局凛ちゃんはその話をすることが出来ずにいて時雨さんから贈られたものを着ます。

何回も言うけど時雨さんルートの伊勢屋さんはフルコンしてこうして振り返るとほんっっっとうに可哀想……_| ̄|○

身請け話をお断りしたことで二人はお別れしてしまうのでした。伊勢屋さん待ってて、この後幸せにするからね!!!!



さて、桜華屋恒例の花火を皆で楽しむ日。

自分が楽しむことよりも禿達の面倒を見て世話を焼いてばかりの凛ちゃんに線香花火を渡す時雨さん。

二人で並んで線香花火をする。時雨さんの優しい笑顔に息が苦しくなる。これまでと同じように何も考えずそばにいることは出来ない。

時雨さんの花火が落ち、自分の花火ももう消えてしまうその瞬間、凛ちゃんは時雨さんに口付けしてしまいます。一度火のついてしまった花火があとはただ燃え尽きていくだけのように、引き返せない。


この凛ちゃんの心情と行動をより深く結びつける為の花火のシーンだったのかなと思うと本当に素晴らしい。


最初は押し返していた時雨さんも根負けして凛ちゃんを受け入れます。


しかし自分は遊女で時雨さんは楼主。感情任せに口付けしてしまったことを後悔する凛ちゃん。



ある日内証へ呼び出された凛ちゃんは時雨さんから楼主を退くこと、そして右目も段々と見えなくなってきていることを告げられます。

自分のせいだ、自分が頼りなくて何も気付かなかったからだと自身を責める。けれど時雨さんはそれを否定します。言えなかったのは目のことだけではない。



「凛--私はお前と一緒に、この吉原を出ていきたい」

「凛--私はね、いつからかお前のことを、女として意識していたんだよ」

「--好きだよ、凛。お前のことが、誰よりも何よりも愛おしい」

「この先の私は、お前に負担をかけるばかりだろうが……それでも、嘘偽りのない気持ちを言うよ」

「廓の掟を破っても、誰に後ろ指を差されても、お前を攫っていきたいんだ」

「凛……この吉原を出て、私と一緒に生きてくれるかい?」



遊女のままでもいい、時雨さんのそばにいられるならと思っていた凛ちゃんにとって一人の男性としてお慕いしている時雨さんからのこのお誘いは甘美だったろうな。



「どこへでも--時雨様となら、どこであってもご一緒します」

「私にとっても、時雨様は……ただの楼主様なんかじゃなくて……」

「いつだって私を守ってくれた…いなくなることなんて考えられない……本当に大切な人です」



そして初めて二人は結ばれます。

凛ちゃんの着物の帯の結び目に手がかかる。時雨さんの部屋とはいえど、お店の中だし誰がやってくるか分からないシチュエーション…。

「待ってください…ここじゃ、さすがに」と制する凛ちゃんに、


「静かに。声を抑えなさい」


穏やかな命令口調の時雨さん…凛ちゃんはどうやら昔からこれに弱かったそう。分かりみ。森川さんのお声が抵抗する気力を奪われるというかなんというか!いや画面越しの私がどうしようと関係ないんですけどw


「ここまで自制しておきながら、馬鹿な真似をと思うだろうね」

「だが、惚れた女を前にした男など、誰もが愚かで理性のきかない獣だよ」

「--そして私も、ただの男というわけだ」



逆に時雨さんはよくここまで我慢出来てたと思います…。

口を開けて、と命じられ躊躇いながらも応じると「ん、そうだ……いい子だね……」と褒められます。

恥ずかしいのに、嬉しい。

幼い頃から辛いお稽古も頑張れたのは時雨さんからの「よくやったね」という言葉が聞きたかったから。

このポジションの攻略キャラとの関係性あるあるな気もしますけど、これがまた萌える。頑張っちゃう凛ちゃん可愛いなぁ~~。


この後の時雨さんの言葉が凄く印象に残りました。



「私たちの関係は、世間的にはいけないことだよ。けれど、間違いじゃない」

「お前を好きになることを、間違いなどと思いたくない」

「これが本当に罪と呼ばれることならば……私は喜んで罪人になろう」

「お前さえそばにいてくれれば、非難を受けることなどなんでもない」

「お前を失ってしまうこと以上に、恐ろしいことなど何もない--」



浮気や不倫はともかく、身分上の関係での恋愛は確かに間違いではないですよね。今では同業者との恋愛って別に何ともない(よね?)し、わりと自由になったなぁと思いました。


気持ちが通じ合った二人は、共に長く過ごしてきた吉原を後にすることにするのでした。




*バッドエンド「堕ちた花魁」

楼主を退くと告げられた三日後に時雨さんは桜華屋を去って行きました。しかも凛ちゃんがお客の相手をしている間に出ていかれてしまい、見送りにも出られなかったのです。


この事が凛ちゃんの心に深く傷を負わせてしまった。


ある日いつものように髪結いにきた朔夜に迫り、襲ってしまいます。

町で忍さんに会えば人目があろうと深い口付けを

交わし、その姿を見ていた彰人さんは時雨がいたら許してねぇぞと注意をするものの、凛ちゃんには効果なし。なんなら路地裏に引きずりこんで彰人さんにも迫ってしまう(そして乗り気になっちゃう彰人さん…おい!)


九郎助稲荷に来たもののお祈りすることもなく、迎えに来てくれた辰吉をも誘う。けれど辰吉は花魁の行動は目に余る。と突き放す。そして、時雨様が今の花魁を見たらきっと悲しみますよ……と言った瞬間、


「皆して、なんなのよ……時雨様が悲しむとか……許さないとか……」

「それが本当なら、どうしてあの方はここにいないの。私を叱ってくれないの!?」

「どうして、私を置いていったの……!」


泣き崩れる凛ちゃん。


「抱いてよ。今すぐ。辰吉だって男でしょう?」

「余計なことを忘れさせてくれるなら、なんでもいい。誰だっていい…!」


どんなに花魁として恥ずべき乱行を繰り返しても、叱ってくれる時雨さんは凛ちゃんの傍にはいない…。


悲しいエンドだったのですが、抱いてよと縋る凛ちゃんに対し


「--そんなふうに、自棄を起こしたあなたを抱く気にはなれません」

「堪忍してください。他のことならなんだろうと従いますが、こればっかりは……」


と言う辰吉に私の好感度が爆上がりでした。朔夜はともかく忍さんと彰人さんは辰吉を見習ってください!!!w




*ベストエンド「夜明け」

二人で吉原を去ることになり、もちろん周りからは非難の目。廓者同士の恋愛はご法度なのです。

こっそりと出ていこうとしたけれど、気付いた柚ちゃんが抱きついてきます。


「千早花魁の馬鹿!どうしてわっちを置いていってしまうでありんすか!?」

「行かないでくんなまし。わっち、もっとお稽古ごとも頑張って、踊りも三味線も上手になりんすら」

「千早花魁に教えてもらいたいことがまだありんす、いっぱいありんす……!」


柚ちゃんからすれば大好きな姉女郎が楼主と恋仲になって吉原を去って行ってしまうんです、裏切り以外の何者でもありません。


何も言えない凛ちゃんに代わり、柚ちゃんの前では自分だけが悪者になろうとする時雨さん。


柚ちゃんのこの先を見守りたい、でも何かを一つ選べば何かを切り捨てなければならないのが人生。そうして凛ちゃんは柚ちゃんのことを優しく剥がし、時雨さんと共に外へと歩いていきます。


途中目が一瞬かすみ、ふらつく時雨さんの腕に手を添える凛ちゃん。それに対し時雨さんは、謝ってしまいたくなる、夢なのではないかと言います。

先程柚ちゃんに対しても、『自分にはそのうち天罰が下る』『私が犯した罪は、とても業の深いものだから』と言っていたのが気にかかる凛ちゃん。楼主と遊女の恋は確かに外聞が悪いが、視力を失うことが天罰だと思っているのなら悲しい…と。(真相エンドまでプレイしてフルコンするとこの『天罰』『犯した罪』がどういう意味なのかが分かります。)


「--私は、幸せですから」

「誰に何を言われても、この先どんなことが起きても、時雨様と一緒になることを決めたことは後悔しません」

「だからどうか、笑ってください」


夜が明け朝日が生まれてくる中、吉原大門を抜けた二人。この先どんな困難があっても、お互いの笑顔が、存在があれば生きていけるのでしょう。




✩。* *。✩


朔夜ルートであんなことやこんなことをされ、凛ちゃんと私に恐怖を味わわせてきた時雨さん。

なので時雨さんルートはどうなるんだと思ったのに、あれっ???全然黒い部分が見えないぞ???と頭の中が金田一少年の作中と同じくらいマガジンマーク(=!?)でいっぱいになったんですけど、画廊のスチルが全然埋まってないことで察しましたw


ベストエンドで凛ちゃんに泣きつく柚ちゃんが可哀想なんですけど可愛くて…(;_;)柚ちゃんを身請けしたいワイ……


あとはもう本当に森川さんのお声とお芝居が素敵で素敵で!!!!耳が幸せいっぱいでした。ありがとうございます!


あんな所業を行った人なので、この先二人で凛ちゃん大丈夫なんだろうかと心配ではあるんですが、凛ちゃんが自分を選んで傍にいてくれる限りは大丈夫なんですかね…。

いろんな意味でドキドキした時雨さんルートでした。


吉原彼岸花〜久遠の契り〜 神楽屋彰人 感想


吉原彼岸花、3人目は彰人さん。プレイ前からおそらく好きになるだろうなと思っていましたがやっぱり好きなタイプでした!!!笑


共通ルートでの暴言の数々も忘れるくらい、途中からは可愛い人になっていたw




※ここからはネタバレ注意です!!!!













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*神楽屋 彰人(CV.竹内良太さん)


登場した時からそれはそれはそれは暴言のオンパレードだった彰人さん。

まぁでも素直じゃないだけなんだろうな、デレたら可愛い人になるんでしょ…と思いながらもキレッキレの罵倒っぷりになかなかしんどいw

これまで皮肉や暴言、罵倒にも上手く取り繕ったり返せたりしてきた凛ちゃんだけれど、何故か彰人さんの前ではムキになってしまう。


あああ、こういう関係性すごく好きです!!!


元々凛ちゃんと彰人さんは知り合いでした。彰人さんが時雨さんの友人であったのもあるけど、凛ちゃんの姐女郎だった千景さんの敵娼でもあったのです。

二人の床入りの場面を見た幼い凛ちゃん、熱を帯びた目で求める千景姐さんとは反対にどこまでも冷めていた彰人さんの姿。そしてその背中に彫られた虎の刺青が忘れられない。



凛ちゃんを指名して登楼する彰人さん。きちんと手順を踏んで会いに来ることに凛ちゃんはびっくりしています。凛ちゃんの中の彰人さんの印象は相当悪かったんですねw


2回目の登楼。初回とは違い遊女と口を聞いてもいいとされるので厭味炸裂な彰人さん。それでもお客様だからと耐えていた凛ちゃんですが、凛ちゃんの返しが気に食わなかった彰人さんが両親から贈られた大切な着物に煙管を押し付け焦がした瞬間、彰人さんを引っぱたきます。

彰人さんは両親からのものだと知らず、どうせ他の男から贈られたものだろうと思っていたんだろうけど凛ちゃんにとっては許し難い行為ですよね…。


翌日、街を歩いていると忍さんに遭遇。何故か昨日の出来事を知っている忍さん。


「もう吉原中の噂だよ。千早ちゃんが札差の神楽屋さんに水ぶっかけて『出ていけー!』って叫んだって」


!?!?!?


凛ちゃんが怒って引っぱたいたのは確かだけどあれっ、そんな感じだったっけ!?!?

否定する凛ちゃんに、


「じゃあ、三味線を振り上げて脳天に叩きつけたって話の方が合ってる?」


噂がwwwwwすごいことになってるwwwww

でも三味線の方はちょっと見てみたい気もしますw


しかも噂に尾ひれがついて広まってるだけではなく、彰人さんが三回目の登楼をするか否かで賭けが巷で流行ってしまっていましたw可哀想に凛ちゃん…w



あんなことをしたんだから三回目の登楼はあるわけないだろうと思っていたのに、なんと彰人さんは現れる。

三回目の登楼を受けること、それは床入りすることになるのです。

彰人さんの真意を知りたい凛ちゃんは申し出を受けます。


大したことなさそうだ、という彰人さんにカッとなった凛ちゃんは試してみればいいと挑発にのってしまい、二人は身体を重ねることに。

凛ちゃんが彰人さんを押し倒して翻弄していく、でもそれに負けじと彰人さんは上回るようにやり返す……ぬあー!!好き!彰人さんルートの凛ちゃんが凄く好き!彰人さんも好き!、!

勢いでの床入りだったけれど、二人の関係はここから少しずつ変化していきます。



ある日、吉原で俄(=お祭り)が行われました。行きたいと呟く凛ちゃんに時雨さんはお客に連れて行って貰いなさいと言うのですが、遊女を外で連れ出すのにもお金がかかる、しかもいつもの何倍もということで気が引けてしまいます。

そんな中凛ちゃんの部屋に乱入してきたのは彰人さん。なんと、凛ちゃんを俄に連れ出してくれます!!!

お祭りイベント大好きな私は大興奮ですw


馬鹿にしてくるのはいつも通りだけれど、いつもよりどこか優しくて、さりげなく歩調を合わせてくれる彰人さん。色々と食べさせてくれます。うっ、羨ましい…。


"彰人が頻繁に凛を振り返り、ふっと目元を緩めるのも、その表情がどきりとするほど優しく感じられるのも、祭りという非日常の空間だから。"


いいですね~~!!!!お祭りマジック。好きな人、気になる人がいつもよりも近くに、素敵に感じられるのですね。彰人さんの手が大きいことも感じる。彰人さんのおてて、THE・男の人って感じ(?)なんだろうなぁ。いいなぁ。


二人で歩いていると、根付が売られているのが目に入った凛ちゃん。二人で根付を見ながらあーだこーだ言うんですけど、そのスチルがめっっっちゃ可愛かった(´;ω;`)彰人さんスチルで一番好きかも。

見ているとそこには虎の根付がありました。彰人さんの背中の刺青が浮かぶ。

今日楽しませてくれたお礼にと凛ちゃんは根付を買おうとしたのですが、店主に声を掛けようとした瞬間先に別の男の人に買われてしまいます。

一足遅かった…とがっかりする凛ちゃん、でしたがその姿を見た彰人さんは肩をぽんと叩き、


「待ってろ」

「追いかけて、倍額で買い戻してきてやる」


そう言って虎の根付を買った人を追おうとします。彰人を止める凛ちゃん。倍額以上も出すとお金で解決しようとする彰人さんに思わず暴言をぶつけてしまうけれど、廓勤めに明け暮れる日々の中で思いがけず楽しい時間を過ごさせてくれた彰人さんにお礼がしたい。


「……取り戻そうとしてくれた、その気持ちだけで嬉しいの」

「今日は、お祭りに連れてきてくれて楽しかった。-ありがとう」


わー!!彰人さんに対してついムキになってばかりだった凛ちゃんが素直になった!!!

素直に口が回らなくてつっかえながら伝えたっていうところも…萌える…。


そんな凛ちゃんの素直な言葉に彰人さんは固まってしまいます。そのお顔がほのかに紅潮して見えた……ってああああ!!!!!

ほら!!!やっぱ彰人さんかわいい!!!!(ノシ´:ω:)ノシ バンバン



俄から二人の距離はさらに縮まり彰人さんが登楼する回数も増えていきます。

彰人さんの背中の刺青の話から虎の話題に。

生き物が好きな凛ちゃんは彰人さんが見たことあるというのを聞いて「私も見てみたいな……虎」と呟く。

すると彰人さん、


「-来月あたり買い付けが間に合えば、冬には連れて来られるかもな」

「ここの中庭で飼えるか、時雨に訊いてみるか」


凛ちゃんに虎をプレゼントしようとしているwww

中庭で虎が飼えるか!!!!wもう愛おしいですこの人w

なんか絶対階級学園の赤薔薇様を思い出しましたね、やってること似てるw



多忙なのか登楼の回数が減り、彰人さんと会えない日々が続く。そんなある日、彰人さんのとこの奉公人である平太が凛ちゃんの元を訪れ、小箱を手渡してきます。そこで久々に彰人さんにも会えた凛ちゃん。


凛ちゃんの手にあるものを見て「それは捨てたはずなのに…返せ!」と迫る彰人さん。凛ちゃんが持っているものは虎(凛ちゃん曰く、お腹が空いてへばっている猫)の根付。でもそれは明らかに慣れてない人が作ったもの。なんと彰人さんが凛ちゃんの為に作ったのです。


お金を持っている彰人さんならば腕のいい職人を雇って作らせることも出来ただろうに…指に切り傷をたくさんつくって…。゜(´∩ω∩`)゜。


「お金じゃ買えないもので、あなたが私を喜ばせようとしてくれたのが、すごく嬉しい。……ありがとう」



これまでことある事に高級なものを贈ろうとしたり、お金で解決しようとしていた彰人さんを思うと、こっちまで嬉しくなりますね。



「お前は、そこらの女とは違うから…どうしたら惚れさせられるのか、わからなくて」

「-お前を独り占めしたかったんだ」

「ここまで本気になるなんて思ってなかった。初めはただ、生意気なお前を泣かせてやりたかっただけなのに」

「ほんとにどうしちまったんだろうな」

「お前を喜ばせたい…祭りのときみたいに笑ってるお前の顔を見たい」

「……いつの間にかそう思うようになった」

「なあ、今の俺は浮かれてるか?みっともないか?」

「すごく嬉しいのに、どうしていいかわからねえ」

「またお前の嫌がることを言ったりやったりするんじゃないかって思うと、会いに来られなかったんだ」



ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛!!!!!!!死ぬ!!!悶え死ぬ!!!!

好きな女性に喜んで貰いたいと、考えに考えてくれたことがみっともないわけないでしょ!!!(涙)

凛ちゃんが彰人さんの前で唯一欲しがった(と言っても凛ちゃんは彰人さんにあげたかったのだが)虎の根付、同じ物は手に入らないからと自分で頑張って作ってくれた。どんなにそれが不格好でも、すごくすっごく嬉しいですよね。


私はこれがいいの、ありがとう。

彰人さんの優しさに触れた凛ちゃんもまた素直にお礼が言えました。




晴れて想いを告げ合った二人。

お互いを名前で呼び合うことになるのですが、千早の本名を既に知っていた彰人さん。どうやら時雨さんが話している時にたまに呼び間違えるかららしい。

正直、今はかなり妬けると嫉妬心を露わにします。時雨さん天然でやっちゃってるの?わざとなの?とか疑いました、すみませんw


仕事上、他の男性の元へ行かなくてはならない凛ちゃんに怒り、嫉妬する彰人さん。理解して欲しいと彰人さんを宥める凛ちゃん。


「こんなことまで嫉妬して、みっともねえ。お前の前だと、俺はどんどん馬鹿みたいになる…」

「馬鹿みたいな彰人さんでも、私は好きよ」

「……馬鹿だってことは否定しねえのかよ」

「恋をすると誰でも馬鹿になるんだって、いつか喜蝶さんが言ってたわ」

「それって本当ね。こんなに意地悪で偉そうな人を本気で好きになるなんて…私も、相当馬鹿だと思うもの」

「こいつ……」



もう今では凛ちゃんが上手ですね。恋をしてIQ3くらいになっちゃう(?)彰人さんが可愛くて可愛くて……:;(∩´///`∩);:

凛ちゃんの言葉だと彰人さんを好きな私も馬鹿ってことになりますな!!!彰人さんの為なら馬鹿になります!!!!




そんなイチャイチャを見て幸福を感じていたというのに、突如訪れる不穏な空気。

凛ちゃんの元に来ていた小物売りの青年が駿河の者だと分かり、実家がどうなっているかを訊ねた凛ちゃん。するとなんということか、実家の清州屋は10年前に既に潰れており、両親は借金が返せず自殺をしてしまったという。


あまりのショックで倒れてしまった凛ちゃんを心配して彰人さんが会いに来てくれ、凛ちゃんは小物売りから聞いたことを彰人さんに話します。

すると彰人さんは青ざめてしまう。

その様子に心配になる凛ちゃん。今日は帰ると彰人さんは部屋を後にします。


後日内証へ足を運んだ凛ちゃんは時雨さんと彰人さんが部屋で話しているのを聞いてしまう。真実とはなんなのか。凛ちゃんが部屋の前にいるのに気付いた時雨さん。彰人さんは二人で話したいといい、真実を語ります。



凛ちゃんの実家である呉服屋の清州屋。江戸に出店する際に両替商でもあった神楽屋がお金を貸していたのです。

しかし半年で店が火事にあってしまい、借金を抱えてしまう。そしてその取り立てを指示していたのは彰人さんでした。

執拗で、暴力を振るい両親に恐怖を与え追い詰めた。その結果、二人は自殺してしまった…。


吉原での辛い日々も、全ては両親に会いたいという希望があったから耐えてきたというのに間接的とはいえど、自分の大切な両親を死に至らしめたのは自分を身請けしたいと言ってくれた、愛している男性。

その事実に耐えられず、凛ちゃんはもう会いたくないと彰人さんと離れます。


これも自分だったら…と考えさせられますね。私だったら、許せるのだろうか。


絶対に許せない気持ち、でもどうしても彰人さんへの恋情を断ち切れない凛ちゃん。

ようやっと仕事に復帰した朝、いつものように九郎助稲荷に参拝に訪れるとそこには彰人さんの姿が。

ここに来たら、お前に会えると思った。そうして両親のことを謝罪する彰人さん。


許せない、でも……と葛藤する凛ちゃんだったけれど口から出たのは、私の前から消えてという言葉。

その場を立ち去る凛ちゃん、でしたがその直後境内にいた女郎がお前のせいだ、死ねと刃物を取り出し彰人さんに突き立てます。

その女郎は彰人さんが彼女の父にお金を貸さなかった為に役を失い、吉原に売られるハメになったという。彰人さんはきっと避けられたはずだった、のに女郎が憎しみを向ける姿が凛ちゃんと重なってしまい抵抗する気になれなかったのです。


血を流す彰人さんの姿を見て凛ちゃんは自分にとって彰人さんがどれだけ大切であるかに気付きました。


彰人さんは桜華屋で治療を受けるも目を覚まさないまま。凛ちゃんは仕事を休んで看病します。


その間にも彰人さんのことをいろいろと考える。

彼がお金に纏わる今の商売をしている限り、どうしても両親の死因を思い出してしまう。だから私の為に今の仕事をやめてと言いたい。


"けれどそんなふうに仕事と自分を秤にかけさせ、彰人の心を試す真似は卑怯だ。

どんな人間でも、これまでに生きてきた軌跡を簡単には切り離せない。"


この言葉、すごく刺さりました。酷いことをしていたとしても、その人の人生をなかったことには出来ないですもんね。


凛ちゃんが他の客の相手をしなければならないのも彰人さんは渋々だけれど受け入れてくれた。言いたいことも山ほどあったはずだし、嫉妬だったしたはずなのに、凛ちゃんの花魁として筋を通したいという気持ちを分かってくれた彰人さん。

そんな彼に自分の身勝手な願いを押し付けることは傲慢であると凛ちゃんは思うのです。


ここで彰人さんの気持ちに寄り添える凛ちゃんは本当に凄い。憎むより許すことの方が個人的には難しいと思うんですよ。許したとまではいかないかもしれないけれど、許せないと思った相手のことを考えられる凛ちゃんを尊敬します…。



街で出会った忍さん。以前凛ちゃんがたまたま見かけた、彰人さんが岡田屋の男性に取り立てに行き暴力を奮っていた場面。そのことを調べてくれていました。

実は岡田屋は妻子がいるのに吉原で女遊びを繰り返し借金を作ったくせに、自分は働かないクズ。それを見かねた奥さんが彰人さんに泣きついた為、懲らしめているところだったのです。

その結果、岡田屋は更生し奥さんは感謝している。


凛ちゃんの両親を自殺に追い込んでしまったことを後悔していた彰人さん。あれ以降、取り立てには自分が出向き、執拗な取り立てはしないようにしている。お金が返せなさそうな人には元より貸さず、借りたお金を吉原などに注ぎ込んでいる人はわざと厳しい態度をとって更生させているのでした。


彰人さんも後悔していることを知った凛ちゃん。

なぜなんの自分には利益もないはずなのに彰人さんのことを調べてくれたのか忍さんに訊ねると、


「千早ちゃんが、神楽屋さんのことを嫌いになりたくなさそうだったから、かな」


彼が行っている仕事は、実は人に感謝されることも多いのだと分かり心のつっかえ少しが取れる。



そして目を覚ます彰人さん。時雨さんに凛ちゃんを身請けしたいと伝えます。自分も同じ気持ちだと伝える凛ちゃんに時雨さんはその場を去る。時雨さんのことが気にかかる凛ちゃんに、


「あのなぁ。俺の前で他のことばっか考えてると、するぞ?」

「もう……安静にしなさいって、お医者様に言われてるでしょ!?」

「早くしてほしいくせに、意地張るな」

「そんなわけ…!」


「……そうよ。してほしいわ」


素直になる凛ちゃんにぽかんとする彰人さん。


「し、仕方ないでしょ?彰人さんが好きなんだから」

「死なないでくれて、本当にうれしかったんだから…!」


彰人さんといる時の凛ちゃんはツンデレ入ってて可愛いですね…にやにやする…。と、それは彰人さんも同じだったようで、


「あー……うん。わかった、うん」


両手で顔を覆い、前屈みに蹲る彰人さん。


「どうしたの?どこか痛い?」

「違う。違うから寄るな。今近付かれると、その……」

「?」

「お前があんまり可愛いこと言うから、収まらねえんだよ。言わすな!」



ンアアアアア!!!!!!可愛い!!!可愛い彰人さん!!!!!お顔真っ赤にしてこんなこと言ってるんですよ!!!!むり……すき……



「その……あの、ごめんなさい……」

「えっと……私、いなくなったほうがいい?」

「いや、……ここにいろ」

「でも、なんにもできないのに?」

「できなくても、いてくれりゃいいだろ」

「俺だって-お前のことが、負けないくらい好きなんだから」

「って、笑ってんじゃねえ!」



彰人さんルートで一番ときめいたのはこのシーンでした……笑っちゃうよ……可愛いんやもん彰人さん……序盤で罵倒しまくってたの何だったのよ……かわい、い……




両親のことは絶対に忘れられない。完全に許せたわけではきっとないと思うんです。でも彰人さんとずっと一緒にいたいと思う気持ちも本物。

彰人さんの傷が癒えて、二人は吉原の外に出るのでした。




*バッドエンド「虎と蛇」

凛ちゃんが両親の死に彰人さんが関わっていたことを知り、会いたいという彰人さんを拒絶し続けるとこのエンドになります。


彰人さんに座敷牢に閉じ込められてしまった凛ちゃん。監禁です。

嫌がる凛ちゃんに二度と客が取れないよう、無理やり刺青を入れさせる。痛々しい描写に目を瞑りたくなりました。痛い(物理的に)の無理なんだよ~~怖い:(;゙゚ω゚):


凛ちゃんの身体には蛇の刺青が。痛みと恐怖に支配され心が壊れた凛ちゃんは生意気で芯が通っていたあの頃から見る影もなくなってしまったのでした。



*バッドエンド「伝えられなかった言葉」

九郎助稲荷で女郎に刺された彰人さんは亡くなってしまいます。

両親の死を知った後も彼のことを本心から憎みきることは出来ず、彰人さんと共にありたい気持ちは苦しみとない混ぜになりながらもずっとこの胸を占めていたのだと凛ちゃんは伝えることが出来ませんでした。


"この世の果てに彰人が待っているというのなら、どれほど遠くまでも駆けていく。

何も持たない身ひとつで、彰人が作ってくれたこの根付だけを握りしめて。"


「好きだったの……本当は……」

「欲しいものなんて、あなたの他になんにもなかった……!」


あの日、彰人さんを突き放してしまったことを後悔する凛ちゃん。世界の果てで彰人さんに会えたのなら、自分の素直な気持ちを伝えることが出来るのでしょうか。



*ベストエンド「子守唄」

彰人さんに身請けされ、神楽屋に嫁いだ凛ちゃん。彰人さんの力になりたいとお仕事のお手伝いをしたりするのですが、凛ちゃんのお腹には二人の子がいる為心配でたまらない彰人さん。


「お前に何かあったらって思うだけで、はらはらして仕事にならねぇんだよ」

「頼むから奥でじっとしててくれ。暇潰しの絵草紙でも双六でも、いくらでも買ってやるから」

「私、そんな子供じゃないわ」


彰人さんwww

凛ちゃん目当ての客が多いから奥に引っ込んでろと嫉妬もするし、お腹の子のことも心配だしと忙しいwでも過保護な彰人さんが微笑ましいです…!凛ちゃんが羨まし…げふんw



その夜、寝ている(フリをしている)凛ちゃんをこっそりと触る彰人さん。どうやら初めてではない様子でそれに凛ちゃんは最低…と怒るのですが、妊娠が分かってから一度も凛ちゃんを抱いていない彰人さん、我慢の限界なのでした。

でも妻が身重であることを言い訳に浮気に走る男もいることを考えれば可愛いものかもしれない、と激しくしなければいいよと、彰人さんを受け入れます。


終わった後、生まれてくる子の話に。


「私は、彰人さん似の男の子がいいな……」

「俺はお前似の女の子がいい。雛人形も羽子板も、最高級のものをもう注文してあるからな」


ファッ!?!?!?(゚Д゜)

彰人さんまって、まだ生まれてないんですよね!?性別も分からないんですよね!?!?w


「ええ?気が早すぎるわよ!」

「俺の勘では女だ。絶対だ」

「大体な。俺そっくりの男の子だったら、周りが大変だぞ」

「とにかく寝ない。ぐずる。夜泣きする。俺の母親はそれでへとへとになって、何度も倒れたっていうからな」

「ああ……すごくわかる気がする……」


彰人さん、そんな子供さんだったのねw

そんなやんちゃな赤ん坊だったら自分の手に負えるのかと不安になる凛ちゃん。

それなら子守唄を歌ってあげればいいのかと言うけれど、個別入って序盤で実は凛ちゃんはとてつもない音痴だということが判明しており(柚ちゃんに「何もかも完璧というより、一つくらい欠点のあったほうが人間味があるというものでありんすえ」とフォローになってないフォローをされてた)、彰人さんは余計に大惨事になるから絶対にやめとけとのことwww


鼻歌を歌っててもからかわれる凛ちゃん。


「大体、人のこと音痴音痴っていうけど、彰人さんはどうなのよ」

「彰人さんの歌なんて聞いたことないもの。偉そうなこと言って、実は私以上にへたくそだとか--」


ムキになる凛ちゃんを抱き寄せて頭をぽんぽんと叩き、耳元で子守唄を歌う彰人さん。それは気負いのない、優しい旋律。

彰人さん、歌もお上手だとかポイント高すぎませんか???あの素敵な低音ボイスで???えええ、子守唄のシーン無音なのつらい!!!ご想像にお任せしますってか!!!彰人さんの子守唄ください!!!(血の涙)


彰人さんの歌声に魅了される凛ちゃんは「(ああ、もう……勝てないなぁ……)」と、また新たに彰人さんに恋に落ちていくのです。



愛おしい人の腕の中で、明日も明後日もその先も、遠い遠い何十年後も、この人の虜なのだろうと思い知るのでした。




✩。* *。✩


彰人さん、好きだろうなと思ってはいましたが想像以上にときめきました!!!!

お互い負けたくなくて意地を張るけれど、不覚にもお互い相手にのめり込んでいく展開がめちゃくちゃ好みだった…。

俄のエピソードからの彰人さんはデレが多めで本当に可愛かったです。

本作のベストエンドの中でも彰人さんのが一番幸せで好きかなぁ。一番負い目もないですしね。



不器用だけど優しい彰人さん、めちゃくちゃ好き!……好きなんですけど、唯一ぶん殴りたいと思ってしまったのは序盤で凛ちゃんのことを『貧相な身体』と言ったことです…w

乙女ゲー界のヒロインの中でも私が知る限り凛ちゃんはトップクラスにお胸が大きいと思うのですが、それを貧相て……凛ちゃんで貧相なら私はどうなるねん…( ˙-˙ )


無事に子供が産まれて、子煩悩な彰人さんの姿が目に浮かびますね!ぜひ見てみたいのでFDを……ください……(切実)