吉原彼岸花〜久遠の契り〜 辰吉 感想


吉原彼岸花は攻略制限がちょっと複雑な為、惣さんのバッドを見なければ辰吉ルートは入れず、辰吉のエンドを見なければ惣さんのベストは見れないのです。

他キャラルートをプレイしていても辰吉がとても良いキャラで、ルートに入るのが凄く凄く楽しみでした✨PC版ではサブキャラだったなんて……。


※ここからはネタバレ注意です!!!!!













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*辰吉(CV.興津和幸さん)


結論から言いますと、辰吉が最高に優しくてかっこよくて男前で惚れるしかなかったです!!!!!!!Switch版買って良かったと心の底から思いました!!!!!


惣さんルートで明らかになりますが、実は辰吉は惣さんとは面識がある、どころか惣さんの元で働いていて、凛ちゃんの様子を報告する為に桜華屋へ送り込まれたんですね。

困っていればさり気なく手を貸してやれと惣さんに頼まれていたり。この惣さんの頼みが辰吉を苦しめるなど……(;_;)



辰吉ルートは恋愛面も悶えたんですけど、辰吉と柚ちゃんの絡みも最高にときめきましたね!ちっちゃい子に懐かれる寡黙な大柄の男性って萌えません?

紙風船で遊ぶ辰吉と柚ちゃんは尊いし、ある時は辰吉のお腹にしがみついて寝ている柚ちゃんという幸福でしかない光景。しかもこれスチルあるんです。神。

そろそろお風呂掃除の時間なので行かなきゃいけないのに寝ている柚ちゃんを起こすのが偲びなくてどうすればいいのか途方に暮れている辰吉。

あああ、優しい……優しいな辰吉……。


すやすやと夢の中な柚ちゃんが寝ぼけて「おとっつぁん……」と呟きます。それを聞いて以前自分も母みたいだと言われたことを思い出す凛ちゃん。


「それにしても、畏れ多いことです」

「柚さんにとっては俺が父親で、花魁が母親代わりというのが」


そう言う辰吉に、


「私と辰吉が夫婦みたいだってことだものね」


と何気ない冗談のつもりで言った凛ちゃん。けれど、辰吉は何も言わなかった。

この時の辰吉の心境はどういうものだったんでしょう。二人が夫婦だという空想が目に浮かんでしまったものの、すぐに惣さんのことを思い出してしまったのかな。切ない。



惣さんが登楼し、見送った後いつものように九郎助稲荷に行くとそこには辰吉が。


「お願いごとをしにきたの?」

「俺じゃなく、恩義のある方の願いが叶ったようなので、そのお礼参りに」

「辰吉自身の願いごとはないの?」

「………俺の?」

「私はいつもここで、早く両親のところへ帰れますようにって願うの」

「辰吉も、そんなふうに叶えたいことがあったりしないの?」


「俺は--……」

「願ったら、きっと罰が当たります」



静かな瞳で凛ちゃんを見つめる辰吉が、本当に切ない……苦しい……。

だってきっと辰吉自身の叶えたい願いごとって……。

その恩義のある方(惣さん)の存在が良くも悪くも辰吉を縛っているのがつらい。でも惣さんのことを思えば何とも言えないんです…。皆が幸せになる方法は……何処……。



ある日、辰吉が按摩が得意だということを知り、お願いする凛ちゃん。えっ、辰吉さん按摩も得意なんです???最高すぎる。私も腰痛持ちなのでやってもらいた……げふん。


凛ちゃんが想像していた以上に上手いし知識もある。

実は遊女だったお姉さんの為に指圧師や骨接ぎの医者のところに通って知識を得たといいます。優しい、優しいよ辰吉。゜(´∩ω∩`)゜。


気持ちの良い上手い按摩をして貰っている最中、惣さんの話題に。まだ惣さんとはそういう関係にはなっていないと言うと、


「--伊勢屋様は我慢強い方ですね」

「好いた女と二人きりでいても、手を出さないでいられるとは……俺には信じられません」


それに対して凛ちゃんは、


「辰吉だったら、すぐに手を出すの?」


と、同じ男としてどう思うかの意見を求めたかったから訊ねたのですが挑むような視線で辰吉が言います。


「……俺なんかのことを知ってどうするんです」

「伊勢屋様と俺は、別の人間です」

「俺が答えたところで、なんの参考にもなりませんよ」


あああ…凛ちゃんが地味に辰吉の地雷を踏んでおる……。

辰吉は敢えて惣さんのことを持ち上げたというのに、辰吉はどうなの?と問われてしまったんですもんね。惣さんよりもずっと、ずっと何度も凛ちゃんと部屋で二人きりになってきたはず。でも同じ手を出さないでも辰吉と惣さんでは立場が違いますよね…。

 だめだ、惣さんも可哀想なんですけどどうしても辰吉に感情移入してしまう(´;ω;`)



生きていると思っていた両親の死を知り、しかもそれを時雨さんに隠されていたことに絶望する凛ちゃん。

何通も何通も両親へ向けて送った手紙は届いてすらなかったのです。

両親が苦しんでいる時に何も出来なかった親不孝な娘だと自分を責める凛ちゃん。

毎日のように両親に会えますようにとお祈りをしにいっていた九郎助稲荷へ行く。すると辰吉が追いかけてきてくれます。


両親への手紙を破り捨てようとする凛ちゃん。

もどかしそうに、もっと伝えたいことがあるのに上手く言葉にならないことがじれったいように踏み込んでくる辰吉。


自殺に追い詰められるくらい苦しい思いを両親がしていたのに、その日がいつだったとしても何も知らずに、もしかすると笑って過ごしていたのかもしれない。

自分が不安になりたくなかったが為に、二人の身に何か起きたのかもと疑うこともせず見ないふりをしていた。

絶対に許されないと言う凛ちゃんに、自分も姉が死んだときは何も気づかずに飯を食らっていた。でもそれで姉が自分を責めるとは思わない。それが家族なのではないか、と声をかける辰吉…。


「その手紙」

「破るくらいなら、俺に預けてください」

「………どうするの?」

「俺がずっと持っています」

「届かなかった思いだからって、なかったことにしなくていい」

「花魁が、ご両親を大切に想っていたことは、俺が知っていますから」


その言葉で、両親の死を知っても誰の前でも流せなかった涙が溢れます。その姿に驚く辰吉。



「っ……なんで、泣かせるの--……」


拭っても拭っても止まらない涙は、突き出しの翌朝以来に流したものでした。

時雨さんのことをも信じられなくなりそうな中、まだ寄り添ってくれる人がいたこと。辰吉が懸命に労わろうとしてくれていること。

その温かさは惣さんや時雨さんの前では閉ざされていた心をこじ開ける。


辰吉には泣きじゃくるところばかり見られてしまって。みっともないし、きっと辰吉には迷惑だろう。

でも軽蔑されたくない。すぐにめそめそする、そこらの女の子と同じだと、辰吉には思われたくない。一目置かれたい凛ちゃん。


「迷惑だとは思いません」

「ただ--今は困ります」


申し訳なく思い首を背けたとき、辰吉が腕を伸ばす。頭の後ろに回された、大きく分厚い掌。



「………今日は手ぬぐいを忘れたんです」

「だから、今は--………」


辰吉の着物に染みていく凛ちゃんの涙。

どれほど濡らされても文句を言わず受け止めてくれる。


幼馴染の惣さんの前でも、保護者のような時雨さんの前でも泣けなかったのに、辰吉の前では涙が溢れるというこのシーンが本当に切なくて苦しくて、でも温かくて好きです。

強いはずの凛ちゃんが自分の前ではぼろぼろと涙を流す姿に辰吉が手を伸ばしてしまった気持ちも分かります。



後日、辰吉に龍の刺繍を自分で入れた手ぬぐいを贈る凛ちゃん。

なんで龍の刺繍?と訊ねる辰吉に、


「ええと……だって、『辰』吉だから」


と答える凛ちゃんが可愛い…。これは辰吉もぐっときただろうなw


無言の辰吉に気に入らないなら別のものにするから…と手ぬぐいを引っ込めようとすると、


「ありがとうございます。--嬉しいです」


お礼の品を手ぬぐいにしたのは、手ぬぐいを忘れたからと凛ちゃんを抱き寄せたあの日。それから辰吉を意識してしまった。だからもうあんなことが起こらないよう、他意がない辰吉の行動に勘違いしてしまわないようにという戒め。


凛ちゃんは両手が塞がっている辰吉の首に手ぬぐいをかけます。凛ちゃんがかけやすいようにちょっと身体を傾けてくれてる辰吉にときめきました…。

指が辰吉の首に触れた瞬間、辰吉の首筋が熱を持っていることに気づきます。

まさか辰吉が照れてる?無表情だけど…と辰吉を見る凛ちゃんでしたが、ここで惣さん現る……。

なんでだよおおお!!!!めっっっっちゃいいとこだったのにいいいい!!!!間が悪すぎるあああ!!!!(」゚д゚)」



私の中の惣さんへの好感度が何とも言えなくなってしまってきた中でさらなる事件(?)が。

凛ちゃんと辰吉の関係の噂が流れ、それを惣さんが耳にしてしまい詰め寄られます。廓者同士の恋愛はご法度。しかも花魁と見世番。


二人は否定したものの、惣さんはなんと辰吉の前で凛ちゃんを抱こうとします。やめて、と拒否する凛ちゃん。ますます疑う惣さん。


凛ちゃんは誤解だと。

やめてと言ったのは惣さんとの初めてが誰かに見られながらなんて恥ずかしい。

惣さんがどれだけ自分のことを想ってくれていたか分かった、だから身請け話を受けると。


それは辰吉を守るため。そして惣さんに犯罪から手を引いてほしいから。


それでもまだ信じられない惣さんは辰吉に見せつけるように凛ちゃんを抱いてしまいます。

辰吉寄りの私は惣さんの行為は許せるものじゃない…んですけど、『こんな非道なことをしないではいられない自分に惣一郎も傷ついている』なんてのを見ちゃったらどうしたらいいの分からない…。彼の境遇を知ってしまうと、何をしても悲しい人に思えてしまいますね…。


なんて思ったのに、


"『花魁』と動いた気のする唇が強く噛みしめられるのだけが見えた"


という辰吉の様子を見た瞬間惣さんの脳天に三味線叩きつけたい気持ちでいっぱいになりました。やっぱり私は辰吉寄りのようですw




さて、ここからがもう本当に怒涛で泣ける展開。

辰吉が桜華屋を辞めるとのこと。信じ難い凛ちゃん。

辰吉に懐いていた柚ちゃんは大事なものを隠したら見つかるまで出ていかないかと思い、辰吉の部屋からある物を持ってきてしまいました。


「とっても綺麗でありんしたから、きっと宝物だと思って……」


それはいつか凛ちゃん、喜蝶さん、柚ちゃん、そして辰吉の四人で買い物に行った際に凛ちゃんが目を留めた切子細工の小物入れだったのです。


妹分の禿がやってしまったことだからと小物入れを返しに詫びに行く凛ちゃん。

けれどそれは辰吉が凛ちゃんの為に買ったもの。


「これを。--あなたにです」

「花魁には、いろいろと……長い間世話になったので」


そう言った辰吉に凛ちゃんはこれまで常に自分のことをつかず離れずのところから見守ってくれていたことを思います。

でもそれは仕事だから?惣さんに命令されたから?

辰吉が優しくしてくれたことも、慰めてくれたことも全部全部凛ちゃんは嬉しかったのです。

そんな思い出を振り返るうちに、目からはまた涙が。


「どうしてかしらね……私、辰吉の前でだけは、ときどき駄目になるみたい」

「辰吉には一目置かれたかったのに、みっともないところばかり見せてる」

「何度も困らせて、手のかかる花魁だったわよね。でももう、それもおしまいだから……」


かなりの殺し文句ですよね、これ(´;ω;`)

だって身請け話を承諾され、あれだけ凛ちゃんのことを想っていて、凛ちゃんのことを幸せに出来るであろう惣さんの前ではなく、自分の前でだけ涙と弱さを見せてしまうって言うんですよ。そんなのどうしたって手を引きたくなります。


涙を見せる凛ちゃんに、


「特別でした」

「あなたは、他の誰とも違う」

「負けず嫌いで、芯が強くて……誇り高い、立派な花魁でした」


寡黙な辰吉が初めて想いを口にする。



 惣さんの命令を受け桜華屋へ潜り込んだ当初。本当は凛ちゃんのことを苦労知らずなお嬢様だと思っていた。

生きるために悪いこともたくさんしてきた自分とは違う種類の人間だと。そんな女の世話を焼くなんてごめんだと。

けれど、他の遊女達から嫌がらせを受けても負けず、花魁が約束された恵まれた立場に胡座をかき稽古をさぼることもしない。

いつでも真っ直ぐな凛ちゃんに、辰吉のその心はすぐに改まったと言います。


「道中を張るあなたの姿を、後ろから見ているうちに、俺は--……」


唇を噛む辰吉。

受け取ってください、と小物入れを凛ちゃんに渡します。


「そのあとは、捨てようがどうしようが構いませんから」


小物入れを握らせた手はそのまま離れない。

こんなことをされたら、私だって勘違いするのに…と凛ちゃん。



「特別ですから。--ずっと、これからも」

「ありがとう。私も……--忘れない」



もうあまりの切なさに涙が止まりませんでした。お互い惹かれあっているのに障害が大きすぎる。

遊女と見世番という立場。惣さんの存在。

二人の前には踏み越えることのできない一線が引かれているのでした。


凛ちゃんの初めての花魁道中の際もずっと辰吉は後ろから見守ってくれていたんですよね…(;_;)(;_;)




辰吉が桜華屋を離れる日が着々と進む中、桜華屋の面々は皆出かけて凛ちゃんだけがお店に残ったある日。なんと火事に巻き込まれてしまいました。

どんどんと燃え広がる炎に諦めかけたその時、辰吉が桜華屋へ戻ってきてくれます。


上の階にいる凛ちゃんに、


「そこから飛び降りてください!俺が受け止めますから!」


と叫ぶ辰吉。

しかし地面との距離や、彼にまで怪我をさせてしまったらと怯む凛ちゃんは逃げて、辰吉まで巻き込まれることないと伝える。


「いいから飛べって言ってるんです!」

「でも」

「ぐだぐだ言うな!俺を信じろ!」


その声に背中を押され、飛び降りる凛ちゃん。地面にではなく、辰吉の胸の中に向かって。

飛び降りた凛ちゃんを辰吉は受け止め、骨が砕けるかと思う程の強い力で抱きしめます。


「……よかった」

「あんたを、死なせないでよかった……」


.˚‧º·(´ฅдฅ`)‧º·˚.

辰吉いいい.˚‧º·(´ฅдฅ`)‧º·˚.

辰吉はいつだって助けてくれる…。そして何気なく『あんた』呼びされた!!!!まって!!!!

深い仲になるとあんたって呼んでくれるの辰吉!?!?‪( ᷇࿀ ᷆ )‬‪( ᷇࿀ ᷆ )‬‪( ᷇࿀ ᷆ )‬

もう私の心の中がカオス。感動と切なさと萌えで苦しい。

我に返った辰吉はすみませんでした、つい…と謝るのですがそれ含め萌え。



火事という非常事態なので遊女達が出ることは禁じられている吉原大門は開け放たれます。

大門を抜けて逃げる二人。辰吉と共にいれば安心出来る、そしてその一方で辰吉がこのまま攫ってくれたらと、願ってはいけない想いが胸に生じてしまう。


いけない、と理性を取り戻す凛ちゃん。

幸運なことに降り出す雨。びしょ濡れになった二人は竹藪で休むことに。


疲れが襲ってきた凛ちゃんに、使ってくださいと頭にかぶせられたのはいつか凛ちゃんが贈った手ぬぐいでした。



「……ずっと持っててくれたの?」



濡れてこそいるけれど使った形跡のない手ぬぐい。あれから一度も使わないまま、肌身離さずに持ち歩いてくれていたのか。

凛ちゃんも着物の胸元から、辰吉から贈られた小物入れを取り出します。どうしても置いてこられなかったと。


「そんなものを持ち出す暇があったなら、もっと早く逃げられたでしょう」

「そんなものだなんて……私には大事なものよ」

「花魁の命以上にですか?」


「あなたに何かあったらと思うと、生きた心地がしなかった」

「火元が桜華屋の近所だとわかったとき、どれだけ肝が冷えたか--」


辰吉の細かく震える手を見た凛ちゃんは辰吉に抱きつく。離れてくださいと押しやろうとする辰吉。人目はない、惣さんだっていないと言う凛ちゃんの言葉も聞こえないふり。惣の元へいくか、桜華屋の皆の元へ行くかの選択肢を示された凛ちゃんが出した答えは、


「どこへも行かない。辰吉と、ここにいたい--……!」


好きだと伝えようとしたその瞬間、辰吉に唇を覆われます。まさかの辰吉からの口付け。


「--抵抗してくれ」

「あんたが抗ってくれないと、もう止められなくなる」


「--ずっとあんたが好きだった」

「道中を張ってる姿も、あんたが弾く箏の音も好きだ」

「柚さんを可愛がってるところも、嫌がらせをされても負けないところも」

「笑ってるところも、怒ってるところも、泣いてるところも……全部」

「吉原に来てから、全部見てきた。惣一郎さんよりもずっと、俺のほうが今のあんたを知ってる」

「桜華屋での毎日は楽しかった。花魁。あんたがいたからだ」


「恩のある惣一郎さんの役に立てるのも、誇らしかった。なのに今は、あの人を恨みそうになる」

「好きにならずにはいられない女のそばに俺を置いて、見せつけるみたいに、あんな……っ」



。゚(ノдヽ)゚。

辰吉の想いに涙が止まりません…。あの時も、あの時も辰吉が見守ってくれた、手を貸してくれたんです。ずっとずっと近くで、想いを告げるのを耐えていたのかと思うと苦しい。



このまま逃げ続けることは足抜けになる。ましてや二人は廓者同士。そして二人が一緒になるということは惣さんへの裏切り。

それでも構わないと二人は共犯者となり、身体を交わせます。辰吉さんかなり情熱的です…(小声)


しかし凛ちゃんが選んだのはこの恋はここで始まり、ここで終わるというもの。辰吉が応えてくれて、本当の気持ちを知れただけで充分だと伝えるのです。


"たった一度きりのことだと、二人ともどこかで覚悟していた。

勢いのままに惣一郎を傷つけ、時雨のもとから逃げ出すほど、無謀にはなりきれない。

義理を重んじ、範に縛られる--自分たちはそういうところも、悲しいほど似ているから。"



ここでも出てくる惣さんと時雨さん…。二人を縛るものが大きすぎる!!!(2回目)またこれがどちらか一方が、じゃなく二人ともなんですよね…。だから逃げられない。悲しい。二人が優しすぎるから。


そんな凛ちゃんに辰吉は指先に接吻を落とす。


「あんたが、もし……」

「もし不幸になるようなことがあれば、きっと攫いにいく」

「惣一郎さんは、本気であんたに惚れてる」

「お姫さんみたいに大事にしてくれるはずだ。でも、何かあればきっと」



この辰吉の言葉が心に刺さりすぎて、(;_;)

自分が幸せにしたいって当然辰吉だって思ってるはず。大切な人を裏切られないからと身を引く凛ちゃんの手を引き寄せたいとだってきっと。

それでもこれから身請けされに行くだろう凛ちゃんが少しでも前を向けるよう、恩義のある惣さんを立てるところが泣ける。

けれど凛ちゃんが悲しむのは許せないから、その時は自分が幸せにすると。


辰吉が惣さんの部下でなければ。見世番ではなく、彰人さんや忍さんのようにお金があるお客だったらと何度も何度も思いました。思う度に泣いた。



あれから辰吉は桜華屋を辞め、音沙汰なし。

惣さんも一度も登楼せず。そして惣さんは抜け荷の件がばれてしまい、追われる身だという。

惣さんの悪事など何も知らないね?と時雨さんに念を押された凛ちゃんは頷いてしまいます。

差出人のない投書があって惣さんのことはバレたって時雨さん言ってたけど絶対やったのあんたやろwwwと盛大にツッコミを入れたい。


惣さんは全て自分を身請けするために行ったのに、庇うことが出来ない凛ちゃん。

辰吉も惣さんも、凛ちゃんの前から姿を消してしまったのでした。




*バッドエンド「恋盗人」

火事から逃げた後、竹藪での情事はたった一度きりだと思ったのに、辰吉の方から逃げようと言ってくれる。

「惣一郎さんの手も、楼主の目も及ばない場所で、俺と所帯を持ってくれ」


わーん!!!辰吉に言って欲しかった言葉(;_;)(;_;)嬉しい…(これがバッドエンドだということは知らん。現実逃避)


窓の外を見ると雪。辰吉の故郷では一面の銀世界は何ら珍しくないそう。駿河が故郷の凛ちゃんは銀世界に憧れる。それを聞いた辰吉、二人で自分の故郷でいずれ暮らそうと言います。


けれどそれはすぐにとはいかない、吉原からの追手。そして惣一郎が追ってくるだろうから。

不安になる凛ちゃん。


「悪かったな」

「あんたの手を、離してやれなかった。自分で思うより、俺は欲張りだったみたいだ」

「いや……そうでもないか」

「俺はもともと短気で、堪え性もないほうだった」

「行儀だっていいわけじゃないし、あんたをこの先がっかりさせるかもしれない」


そんなのありえない(´;ω;`)

辰吉の口調が砕けたのも、あんた呼びになったのも私は嬉しいよ辰吉いいい!!!と思ったら凛ちゃんも同じこと思ってました笑


真面目で堅物なのかと思ったらそうでもなかった辰吉に、桜華屋にいる間の女関係はどうだったのかと訊ねた凛ちゃん(ナイス質問ありがとう凛ちゃん)。

岡場所に通ってたりもしてなかったそうだし、桜華屋の遊女たちに言い寄られてたのにその気になったりしなかったのかと聞くと…なんと……


「そんなことは、大概昔にやり飽きてる」

「雪に閉じ込められた冬は、男も女もやることがなくて暇だからな」

「俺は一人暮らしだったし、夜中に起きたら、近所の若後家が乗っかってきてるような土地だ」

「その頃は俺も若かったから、まぁ--それはそれで」


゜゜( Д )

なっ、なんだってえええ!!!!全然真面目で堅物なんかじゃない辰吉www

おい、辰吉とそういうことした女全員出てこい三味線で(以下略)


故郷に行けば辰吉とそういうことをした女たちがいるんだよなと不安になる凛ちゃん。


「心配しなくても、いまさら目移りなんかしない」

「それに、俺が自分から欲しいと思った女は、今も昔もあんただけだ」

「今まであんたには、ずっと嘘をついてきたからな」

「これからは本当のことしか言わない」


「……好きだ」

「あんたが好きだ」

「だから、俺に盗まれてくれ」



遊んできた男(まぁ辰吉はちょっと違うけど)の初めての本気の女ってシチュエーション、本当に美味しいですよね…大好物すぎる…。

そしてこれバッドエンドなの???と疑いたくなるくらいの糖度の高さ……えっ、もうこのまま終わろうよ……。


出会い茶やを後にする二人。積もった雪の中、歩いていく。

二人の間に産まれる子は凛ちゃんに似て寒がりか、辰吉に似て暑がりか。そんな話をしながら明るい未来を想像した瞬間、響き渡る轟音。

自分を突き飛ばした辰吉の元に駆け寄ると、辰吉の身体からは血が流れ出す。

ぴくりとも動かない辰吉の背中には煙を上げてめり込んだ銃弾。


背後から迫る足音は……。


散々上げておいてドン底のドン底に落とされたバッドエンドでした。鬼畜だよ…鬼畜すぎるよ……。もう何も信じない()




*バッドエンド「裏切りの代償」

凛ちゃんの故郷である駿河で暮らす二人。彼岸花の咲く湖である人を待つ凛ちゃんと辰吉。

二人は周りから夫婦であると思われているが実はそうではないのです。互いに求め合っているのに、男女の関係には決してならない。実態は兄妹のようなもの。

それは話し合って決めたことではなく、どちらともなくそうしてはいけない気がして。ここにはいない惣さんの存在を気にして、怯んで遠慮してしまう。


最初こそ惣さんを待っていたものの、五年も過ぎても来ないのならもう忘れてもいいのではないか。残された二人で幸せになってもいいのではないか。

ずるいことを考えてしまう二人。けれど、実行は出来ない。惣さんを待ち続けている時間の間は、彼を裏切るという罪を重ねずに済むから。


想い合っているのに彼が現れないことには手と手を繋いで眠ることしか出来ないなど(;_;)

『凛を頼む』と言った惣さんの呪縛に囚われ続ける二人の悲しいエンドでした。




*ベストエンド「くちづけ」

辰吉も惣さんもいなくなってしまった中、凛ちゃんはなんと労咳になってしまいます。

客を取れなくなった凛ちゃんは三ノ輪の寮で療養することに。世話役は柚ちゃんになり、毎日看病して、そして凛ちゃんを励ましてくれる。

けれど夜中に泣いている柚ちゃんの声を聞く度に、どこか遠くにいなくなってしまいたいと思う凛ちゃん。


自分が長くないことは自分自身が一番分かってるけれど、柚ちゃんが笑ってくれるならできることはなんでもしたいという凛ちゃんにこの時点で私の涙腺は限界。

凛ちゃんの柚ちゃんへの優しすぎる愛がもう。゚(ノдヽ)゚。


庭で紙風船で遊ぶ柚ちゃん。辰吉と柚ちゃんと自分と三人で投げあったあの日を思い出す。

取り落とした紙風船を拾いに追いかけていった柚ちゃん、その目の前に現れたのは。


「--千早花魁」


そう、辰吉でした。


「間に合った--と思っていいですか」

「今でも俺に、攫われてくれるつもりはありますか」


咳き込む凛ちゃん。


「……私、病気なの」


頷きたい、けれど歯止めをかける。


「知ってます」

「きっと、もうそんなに長くない。こんな体じゃ、辰吉に面倒ばかりかけるわ」

「その時間の全部を俺にください」

「あなたの面倒なんて、何年もずっとみてきた」

「でも」

「それ以上、もうぐだぐだ言うな」


火事のあの時と同じセリフ、なのにすごく優しい声音(;_;)


「あんたが好きだ。--俺と来い」


胸を鷲掴みにされたその言葉。胸元を押さえる凛ちゃんを見た柚ちゃんは建物の裏手へと回り込む。


「わっちは何も見ておりんせん!」

「なんにも聞いておりんせん!花魁がどこへ行ったのかも、誰に攫われたのかも知りんせん!」

「だから--だから……っ」


きっとこの後柚ちゃんは時雨さんから叱責(なんなら折檻までされてしまうのでは)され、責任を問われるだろうことも幼い柚ちゃんは分かるはず。

それでも、大好きな姉女郎にとって何が一番幸福であるかを分かってくれたのです。

あああ、柚ちゃん本当に優しくて良い子…。でもそれは凛ちゃんが時に厳しかったかもしれないけれど、日々愛情をもって柚ちゃんに接していたからだと思うんです。どうか柚ちゃんも幸せになってほしい。



それから二人は江戸から離れた東部の銚子へ。実は辰吉はあれから漁師として働き始めたそう。うん、似合いますね!‪🎣‬

時折江戸に戻り凛ちゃんの様子もそれとなく窺ってた、って…….˚‧º·(´ฅдฅ`)‧º·˚.

どこへ行っても辰吉は見守ってくれる人なんですね…。

惣さんの行方はまったくの手詰まりだそう。けれど惣さんがいないからといってまた凛ちゃんのそばに戻るのは筋が通らないと、何も行動を起こさなかった。


けれど凛ちゃんが病に倒れたと知ってからは医者代や薬代の為にこれまで以上に働き、小さな一軒家を借り、足りない分は借金までして凛ちゃんを迎えにきてくれたのです…。

。゚(ノдヽ)゚。

不幸になったら攫いにいく、とあの日の言葉を現実にしてくれた辰吉(;_;)


あまり近くにいると病気をうつしてしまう、と漁から帰って抱きしめてくれる辰吉からさりげなく身を引く凛ちゃん。けれど気にするなと言う辰吉。


「俺も、あんたに無理はさせたくない。惣一郎さんに申し訳ないって気持ちもずっとある」

「だけど、俺の体を心配してのことだったら、それは気にしないでいい」

「だから……--俺は、あんたと」


そう、病がうつることを恐れた凛ちゃんは辰吉とは別々の布団で寝ているのです。

唇の接吻も嫌がる凛ちゃんに辰吉は額や頬で我慢する。夜中焦れったそうに一人で寝返りを打ち続けていることも凛ちゃんは知っていました。本当は自分だって触れたいし、触れてほしい。


駄目か?と問う辰吉に、口だけは吸わないでとひとまず了承します。受け入れられたことに安堵した辰吉は笑顔を見せる。

寡黙で感情の読めなかった辰吉が、凛ちゃんが笑いかければ、それ以上に嬉しそうな笑顔を返してくれるようになった。うう、最後にこんなん持ってくるのずるい(;_;)


「--ずっとあんたとこうしたかった」


唇を避けながら口付けをする辰吉。竹藪でのあの日以来の交わりでした。



しかし運命は残酷です。凛ちゃんは布団から一切離れられなくなったり、眠りにつく時間が長くなっていく。梅の花が咲いたことにも気付かないくらい。

梅は咲いたが桜が咲く頃までは無理だろうと悟る凛ちゃん。


辰吉が白湯を飲ませようとしたところ、軽くむせてしまい激しい発作が起こります。

凛ちゃんの寝間着の胸元には赤い点、唇からは鮮血。

何度咳き込んでも血が吐き出しきれない凛ちゃん。すると辰吉は唇を重ね、凛ちゃんの喉奥から血を吸い出す。


唇は吸わないでという決まり事を破ってしまった辰吉。どんなに丈夫だったとしても、労咳を患った自分の血を口にすれば毒に冒されてしまう。

弱々しく抗う凛ちゃんに、


「いいんだ。--これでいい」

「あんたと同じ病気に、なれるもんならなりたかった」

「あんたを一人では逝かせない」

「三途の川とやらの手前で、少しだけ待っててくれ」


余分な荷物は何もなく、常に綺麗に片付けられたこの家。辰吉はいつかこうするつもりだったんでしょう。凛ちゃんが逝ってしまうその時は後を追うのだと。


「駄目……--」

「あっちに行ってまで、俺と一緒じゃ嫌か?」

「違う……駄目なのは、私--……」


辰吉が道連れになってくれることに申し訳なさよりも喜びを感じてしまい、涙を流す凛ちゃん。


「……もう少し眠れ」

「俺はずっとここにいる」

「あんたが次に目を覚ましても、ここにいるから」


辰吉の涙を頬に感じながら、幸せだったと。

欲しいものは全て与えてもらったから、このまま目を覚まさなくても悔いることは何もないと。


「凛--……」


"血の味のする唇が、戦慄きながら重ねられた。

自分の名を囁き続ける声が、次第に遠くなっていって、その先に広がるのは、何も損なわれることのない、美しい永遠の夢だった。"



だめだ、こうして文を打っている間も涙が止まりません。

凛ちゃんと同じ病気で逝くことを望み、凛ちゃんに口付けする辰吉の優しくて温かくてそして深い深い愛情に胸が苦しくて張り裂けそうでした。


ベストエンドなのになんで凛ちゃん死んじゃうの(;_;)と思ったのですが、真相のベストエンド同様、惣さんに配慮されているのかなぁと。何事もなく二人が幸せになれば、あまりにも惣さんが不憫ですもんね…。いやでも…。


私が願うことはただひとつ、二人があの世でも来世でもいいから再び出会って、身分にも誰かの存在にも掟にも縛られることなく寄り添って幸せに過ごしてくれること。

それだけです。




✩。* *。✩


泣きました。とにかく泣きました。

本当に辰吉の見守ってくれる、困った時悲しい時手を差し伸べてくれるその優しさと温かさが幸せで。

他のキャラと結ばれた時、辰吉はどう思っていたんだろうとか思うと死ぬ。心が苦しい。


惣さんの個別入ってバッドエンド見たものの、辰吉寄りになってしまったので二人にとって惣さんの存在が大きすぎるのが本当にしんどかった……。惣さんは私がシメておくから!!!二人はどうか遠くへ逃げて!!!幸せになって!!!と何度も脳内で妄想。(でもあの二人はそれでも惣さんを切り捨てられないんだろうな…)


かっこいいし優しいし男前だし力持ちだし喧嘩も強いし元ゴロツキだし周りから慕われてるし一途だし実はかなりやり慣れてるし(?)、辰吉に惚れない要素が私には一切ありませんでした!!!

辰吉というキャラクターに出会えたことがすごく幸せ。


本当に本当に移植版で辰吉を攻略可にしてくださったこと、感謝でいっぱいです。

あわよくば……あの……辰吉の18追加でリパッケージ版なんて出して頂けないでしょうか……|ョω・`)



優しい辰吉と優しい凛ちゃんが、何にも縛られず、もう離れることなく存分に触れ合える日々が訪れることを、いつまでも願っています。