吉原彼岸花〜久遠の契り〜 朔夜 感想


吉原彼岸花、まずは朔夜から。

一番気になるキャラだったので本当は最後にやりたかったんですけど、おすすめ攻略順を調べていたら朔夜を最初に挙げている方が多かったので下手なことしない方がいいなと笑


やっぱり初手の攻略はまだ話の形も分からない状態なのでドキドキですね!

歳下キャラにあまりいかない私は果たしてどうなるのか…。



※ここからはネタバレ注意です!!!!









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*朔夜(CV.水島大宙さん)


ビジュアルが好みですごく気になっていた朔夜。

すっっっっっごく!可愛かった!!です!!!

口数が多くない、感情も豊かでない歳下の男の子が少しずつ心を開いてくれるこの感じ……たまらないです……。

あまり歳下だったり可愛いキャラにはいかなかったんですけど、最近ダメだ…歳を重ねると朔夜のような純粋で真っ直ぐに気持ちをぶつけてくれる歳下くんに心奪われますね…。アラサーの宿命なのか?(違う)



最初は花魁と髪結いの関係であったのが、凛に懐いた野良猫を朔夜が飼うことになったのがきっかけで二人の距離が少しずつ縮まります。


飼うにあたり名前を決めるのですが、


「『さくら』か『くず』、どちらがいいと思いますか?」

「(それって、どっちも後ろに『餅』がつくんじゃ…)」


という二人のやり取りが可愛かった!

朔夜はお昼ご飯もお饅頭!なくらい砂糖の味がするものは大体大好きな甘党さん。猫の名前も甘味から付けようとします(結局『さくら』に命名)


その後さくらの様子も気になる凛は朔夜の家に時々見に言っていいか尋ねるのですが、桜華屋の花魁の立場である凛がただの髪結いである自分の家に足を運んでも大丈夫なのかと言う朔夜。


「俺はただの髪結いですし……」

「花魁に来てもらえるような、立派な家に住んでません」


その不安に答えた凛ちゃんの言葉がとても素敵でした。


「どうしてそんなこと気にするの?朔夜が働いて、自分で借りて住んでる家でしょ」



このセリフで私の中の凛ちゃんの好感度がぐっと上がりました。吉原の一級の花魁であるけれど、お高くとまらず対等に接するところがいいですね。




実は読み書きが出来ないことが発覚した朔夜に先生として教えることにした凛ちゃん。(時雨さんに許可を取りに行くのですがもう既に不穏な空気しか感じないw)


初回ではまず朔夜の自分の字を教えます。仮名文字(いろはにほへと)から覚えるといいよと凛ちゃんが言うと、

「こんなにたくさん覚えられるなんて…信じられません」と朔夜。

それに対し、

「好きな物に絡めると、覚えが早くなると思うの」

「朔夜は何が好き?やっぱり甘いもの?自分の名前以外に、書いてみたい文字はある?」


しばらく黙って考え込む朔夜が紡いだ言葉は、



「--千早花魁の名前を」

「あなたの名前をどう書くのか、知りたいです」




ああああ、胸がああ!締め付けられるううう!!!

平仮名で『ちはや』の文字を書いて書いて書きまくる朔夜に凛ちゃん同様むず痒くなりました。朔夜の純粋さよ…。



その後、凛ちゃんが教えた平仮名で手紙を書いて渡してくれるようになった朔夜。手紙を受け取るばかりだった凛ちゃんはある日朔夜に初めて手紙のお返事を書いて渡します。

店を出てから読んでね、と言ったものの我慢出来ずに店の前で手紙を広げる朔夜(可愛い)

熱心に何度も何度も読み返し、はにかむように笑う朔夜の表情は凛ちゃんが知る限り一番嬉しそうなものだった…。

きっと朔夜ルートをプレイされた方の多くはこのシーンでときめいたのではないかと思うくらい、きゅんときました。スチルの朔夜が本当に可愛くて可愛くて、可愛くて!!!



それ以降も朔夜の純粋さと一途さにぎゅんぎゅんくるアラサー女、私。


「これ以上、迷惑をかけるつもりはありません」

「でも、あなたを想うことだけは許して欲しい」

「好きです」


見返りは何も求めないから、この想いを抱くことだけは許されたい。

けれど今の朔夜のその気持ちは勘違いだと言う凛ちゃんに、


「どうして俺の気持ちを決めつけるんですか!」

「あなたのおかげで、俺は笑えるようになった」

「会いたい人がいるから明日が楽しみだと思うなんて、これまでに一度もなかった」

「さくらと暮らせたことも、文字を教えてくれたことも……凛さんは、俺に希望しかくれてない」

「そうやって自分を貶めるのはやめてください」



と、真っ直ぐな想いをぶつける朔夜。うう、胸が苦しい…。

朔夜の気持ちは分かる、でも私が同じ女性であるからなのか凛ちゃんの気持ちも分かるんです。だって、吉原からは逃げられないから。



でも純粋な朔夜の想いに一度だけ応えることにした凛ちゃん………なのですが!!!!!!

さ、さささささ朔夜の初めてキタ━(゚∀゚)━!!!!!朔夜くんDTでした!!!


「俺、きっと上手くないと思うけど……それでも、あなたに触れたい--」


ああああ可愛い!!!こりゃ凛ちゃんも胸がぎゅうっとなりますよね。歳下の男の子にこんなん言われたらたまらなくなります。受け入れてしまっても仕方な…い…。



その後、やはり花魁という立場上受け入れることは出来ないと突き放す凛ちゃんに朔夜は自ら身を引いてお別れを告げるのですが、朔夜からこれまで貰った手紙を見る凛ちゃん。

最初は『きょうはあめでした』『さくらが ねずみを つかまえました』といった他愛のないものだったのに、次第に『あいたい』『はなしがしたい』『またうちにきてください』と切なげな感情が浮かぶものになっていったのがもう…(;_;)

ここ辺りのシナリオが凄く良かったです。



そして朔夜が嘘が嫌いだという原因となった男、蛯名屋が現れます。小物臭がすごい。

この蛯名屋という男、凛ちゃんと朔夜の関係を知っておりそれをネタに凛ちゃんを脅します。やってることが小物のそれwバラされたくなかったら自分と床入りしろと言う蛯名屋。腹立つな。


バレてしまえば自分だけならまだしも、朔夜が無事では済まない。蛯名屋の経済状況であれば二度はない、一度だけ我慢すれば…と朔夜を守る為にも凛ちゃんは蛯名屋と床入りすると腹を括ります。


でも守りたい存在の朔夜が蛯名屋との床入りを知ってしまう。

自分を騙し、裏切り、今は二人の関係を脅すような男との閨へ向かわせる為に、惚れた女性の髪を結わなければならない朔夜の心情を想うとつらい。


けれど床入りの時間はやってきてしまう。心が乱れる凛ちゃんに朋輩の喜蝶さんがどうしても気の進まない客である時に使い眠らせるという薬を渡します。凛ちゃんは念の為この薬を盛ったお酒を蛯名屋の元へ持っていくのですが、ここで蛯名屋にお酒を飲ませるか飲ませないかが分岐です。


飲ませても飲ませなくても蛯名屋との床入りは避けられるのですが、とんでもなく恐ろしい展開は避けられません……。薬の入ったお酒を庭で捨てようとしたところを楼主である時雨さんに見つかってしまいます。もう怖すぎ…ホラーかよ…。


恐ろしい折檻が凛ちゃんを待ち受けていました。描写がリアルで想像してしまいぶるっときた。でもここで薬を渡してきた喜蝶さんのことも、蛯名屋に薬を盛る理由となる朔夜のことも絶対に口を割らなかった凛ちゃんに泣けました。二人のことを守りたかったんだよな…。



ある日蛯名屋から朔夜とのことを口外されたくなければ九郎助稲荷に来いと呼び出されます。そこで蛯名屋に襲われる凛。するとたまたまさくらの墓参りに訪れた朔夜が現れ、間一髪で助けてくれました。

大切な人に不埒な真似を働いた兄弟子の蛯名屋を許せないと怒る朔夜の気迫に一旦は引いたものの、背後から朔夜を殴ろうと襲いかかる蛯名屋。

その姿を見た凛ちゃんは体当たりをして蛯名屋を突き飛ばすのですが、蛯名屋は勢いで柱に頭をぶつけます。気を失う蛯名屋。


いくら故意でないとはいえど、人を死なせてしまっては罪は逃れられない。そんな凛ちゃんに対し朔夜は「俺がやったことにします」と言う。

けれど自分だけ助かっても意味がない。朔夜を犠牲になんて出来ない。自分がやったと言うと譲りません。


そこで朔夜が出した結論は、


「二人で逃げましょう」



そう、足抜けです。


大切な髪を切り男装をした凛ちゃんは吉原大門をくぐり、吉原の外へと出ます。


思いの外簡単に大門をくぐり抜けられた二人ですが、実はこれは時雨の策略。

蛯名屋が現れてから凛ちゃんの動向は常に監視されていて時雨には丸分かりだったのです。今回もわざと吉原大門をくぐらせて外で捕まえる手立てでした。



ここからがもう本当にハードだった……。

エンド別感想です。



*バッドエンド『袋小路』

時雨さんに折檻され閉じ込められてしまった凛ちゃん。そこへ朔夜が助けに来てくれる……のですが、朔夜が(;_;)狂ってしまった(;_;)(;_;)


「凛さんが--遊女として働けなくなってしまえばいいんです」


病み発動してしまった朔夜に髪の毛を切られてしまいました…。この後二人はどうなってしまったのだろう…。




*バッドエンド『格子の中』

時雨達から逃げる為、二人で川へ飛び込んだものの流されてしまい離れ離れになってしまいます。繋いでいた手が離れてしまった…。


江戸から遠く離れた地で女郎として身を売りながらひたすや朔夜を待つ凛ちゃん。決死の覚悟で吉原を離れたのにまたこうして身体を売る日々なのが切ない…。


けれど最後に朔夜と思われる人物が現れる描写がありました。心身共に疲弊しきった凛ちゃんが見た幻覚…とかでないことを祈ります。




*バッドエンド『白の埋葬』

時雨に見つかり、追っ手からなんとか逃れたものの致命傷を負った朔夜は先に逃がした凛ちゃんに追いついたところで力尽きてしまいます。

息も絶え絶えな朔夜は最期に『いきて』と凛ちゃんに伝える。朔夜を看取ったら自分も逝こうとしていた凛ちゃんには残酷、だよな…。


二年後、桜華屋の寮で療養する凛ちゃん。しかし自分のことも、周りの人達のことも、そして朔夜のことも忘れてしまっている。誰なのか分からない『さくや』。でも『また かみをゆいにいきます』と書かれた朔夜からの手紙を見た凛ちゃんは誰かも分からない『さくや』を待ち、そして残されたたくさんの手紙を読む度に『さくや』に恋をする。


窓から吹き込んだ風で朔夜からの手紙が花びらのように舞い、その手紙を追いかけ躓いて転んだ凛ちゃんの上に手紙がはらりはらりと降りしきる。

タイトルの『白の埋葬』ってどういうことなんだろうと思ったのですが、静謐な埋葬のように朔夜からの手紙で凛ちゃんの視界が白く染まっていくことだったんですね…。


このエンドは柚ちゃんも可哀想だった…。慕っていた凛ちゃんは正気ではなくなり自分のことを忘れてしまい、朔夜に手紙を書いたから渡してきてとお願いされ…。柚ちゃん…。




*ベストエンド『この屋根の下で』

朔夜のバッドはキツかったのでようやく幸せに!なれた!感動です😭😭


追っ手に捕まり左腕を折られてしまう朔夜。朔夜が痛めつけられるのは耐えられない凛ちゃんは自分は店に戻るから朔夜は助けてくれと懇願しますが、「諦めないでください」と朔夜。


そして凛ちゃんは小刀を自分の喉元に当て、見逃してくれないのであればここで死ぬと時雨に自身の決意を見せます。どうせ出来ないだろうという時雨に対し、遊女の恋は命がけなのだと本当にこのままでは小刀を突き立てかねない凛ちゃん。でしたが朔夜が刃を素手て掴んで阻止します。


これまでは凛ちゃんが朔夜を守りたい、守る描写が多かったですが朔夜が凛ちゃんを守る立場に。


被っていた笠が落ち、ばっさりと切った凛ちゃんの髪の毛が露に。遊女としての商売道具を捨て、朔夜との未来がないのなら死ぬと言った凛ちゃんの決意に時雨は「もう二度と顔を見せるな」と言い残し去っていく。



ついに!!!吉原から本当に出られた!!!(;_;)(;_;)満身創痍


江戸からそう遠くない土地で暮らす二人の間には可愛い娘、かの子ちゃんが。(名前の由来はそう、栗かのこw)


朔夜は髪結いの仕事をし、凛ちゃんは茶道の心得があり月に数度教室を開いている様子。


『色を売る以外の手段で誰かに感謝され、ささやかとはいえ金銭を受け取る。

凛にはそのことがとても嬉しく、素直で愛らしい生徒たちと接する日々は本当に楽しかった。』


という文を見て私まですごく嬉しくなりました。



朔夜のことが大好きなかの子ちゃん、凛ちゃんが髪の毛を結ぶのがへたくそだと言うと


「母さんのことを悪く言う子の髪は、俺は結いたくないな」


とわざと素っ気なく告げる朔夜。


「母さんはいつもかの子にご飯を作ってくれて、いろんなことを教えてくれるだろう?」

「うん……」

「かの子の母さんはすごく優しくて、賢いんだよ」

「かの子の母さんは偉いのね?」

「ああ、天下一だ」


朔夜の真面目さと変わらない凛ちゃんへの尊敬が存分に出ていたやり取りにほっこり。

朔夜の膝の上でお父さんへ今日あったことをお話するかの子ちゃん、その光景は幸福そのもの。



かの子ちゃんがおやすみした後はイチャイチャタイム……なんだけど!!!!

ちょっとまって成長した朔夜かっこよすぎだろう!!!!!まじか!!!!

スチルを見て大興奮でした……ぬおおお、



「凛さんが笑ってくれると、俺は嬉しくて--安心する」

「俺とこうなったことを、凛さんが後悔してないんだと思えるから」


後悔なんてするわけないという凛ちゃんに、何一つ不自由ない暮らしとは言えず苦労をかけているから申し訳ないという朔夜。


「この暮らしに、足りないものがあるって…私がそう思ってるって、朔夜は本気で考えてるの?」

「……そうじゃ、ないんですか?」

「新しい着物も、簪も…俺は、全然買ってあげられなくて」

「馬鹿ね」


「朔夜がいて、かの子がいてくれる毎日が、私には何より贅沢な宝物なの」

「籠の鳥だった頃には、思い描くこともできなかったくらい……眩しくて、幸せな未来を生きてるの」

「負い目に思うことなんて何もない。--私を朔夜のお嫁さんにしてくれて、ありがとう」




大切な人達がいて何気ない、でも幸せだと思える日々は全てこの屋根の下に詰まっているんですね。

ああ、二人が足抜け出来て本当に良かったと思えるエンドでした。



✩。* *。✩


真っ直ぐで純真な気持ちで想ってくれる朔夜に胸がぎゅうっとなって仕方なかったです。可愛いよ朔夜ぁ…。

凛ちゃんに守られてばかりなことを気にしていて、自分が守りたい守るんだと言ってくれるところも良かった。

朔夜ルートは身請けではなくベストでもバッドでも足抜けという形になる為に他のキャラとは違うドキドキが味わえましたね。追っ手に捕まる恐怖。時雨さんが怖くて夢に出てきそうで不安なので彼を薙ぎ倒すイメージトレーニングしてから寝ようと思いますw



この先も朔夜は真っ直ぐに、凛ちゃんとかの子ちゃんを愛していくんだろうなと思うと温かい気持ちになりますね。

多幸感で溢れる日々になりますように。